| これを見るに、日産と三菱が業績を回復するのは並大抵のことでは難しいだろう |
さて、米国 iSeeCarsが「もっとも回転のいい車」と「もっとも回転の悪い車」を発表。
注意すべきは、この統計は「在庫の回転(入荷してから売れるまで)」に焦点を当てたもので、販売台数を表すものではない、ということ。
なお、統計期間は2020年3月から6月、対象は440万台もの新車と中古車であり、コロナウイルスの影響にて、この回転が新車だと67.3%、中古車だと37.5%悪化しているとも述べています(新車だと57.8日から96.9日に悪化)。
もっとも回転の速い新車はこうなっている
そしてまずはもっとも回転の速い新車。
当然のことながらSUVがランキングのほぼすべてを占めています。
- シボレー・トレイルブレイザー・・・19日
- キア Telluride・・・25.7日
- キア Seltos・・・31.3日
- ホンダCR-Vハイブリッド・・・35.2日
- ヒュンダイ Palisade・・・39.0日
- メルセデス・ベンツGLB・・・40.5日
- シボレー・ボルトEV・・・41.7%
- トヨタRAV4ハイブリッド・・・42.5日
- スバル・クロストレック・・・44.7日
- レクサスGX460・・・46.1日
- ビュイック Encore GX・・・46.6日
- スバル・フォレスター・・・47.3日
なお、こういった統計ではスバルが圧倒的に強いと認識していたのですが、どうやら「主役の交代」が進んでいるようで、2位と3位はキア、そしてハイブリッドやEVも上位に。
こういった傾向を見るに、そろそろスバルの成長神話にも陰りが出ることになるのかもしれません。
もっとも回転の速いスポーツカーはこうなっている
そしてこちらはスポーツカー部門。
スバルWRXが1位となっていて、なんだかんだ言いながらスバルの回転は速い、ということになりそう(上のランキングでも、順位を落としたといえど、全体的に見るとかなり高いポジション)。
- スバルWRX・・・69.8日
- ダッジ・チャージャー・・・79.1日
- マツダMX-5 RF(ロードスター)・・・81.1日
- ダッジ・チャレンジャー・・・92.5日
- ヒュンダイ・ヴェロスターN・・・93.3日
ちなみに「もっとも回転の速い”中古”スポーツカーだと1位はスバルBRZ、2位はスバルWRX、3位はトヨタ86、4位にフォード・マスタング、5位にBMW M4。
北米ではトヨタ86よりもスバルBRZの引き合いのほうが多い、ということになりそうです。
もっとも回転の速いEVはこうなっている
そしてこちらは回転の速いEV。
登場したばかりのポルシェ・タイカンがトップに輝いています。
そして日産リーフは今ひとつ。
- ポルシェ・タイカン・・・37.0日
- シボレー・ボルトEV・・・41.7日
- ヒュンダイ・アイコニック・エレクトリック・・・50.5日
- アウディe-Tron・・・62.4日
- KIA Niro・・・85.5日
- ヒュンダイ・コナEV・・・88.5日
- 日産リーフ・・・99.2日
- ジャガーI-PACE・・・128.3日
なお、「EV」ではなく「PHEV/ハイブリッド」であればホンダCR-Vハイブリッド、トヨタRAV4ハイブリッド、トヨタプリウスPHV、レクサスRX450h、トヨタ・ハイランダー・ハイブリッド、トヨタ・プリウス、フォード・エスケープ・ハイブリッドという順番となっており、(PHEVというくくりですが)日本とは逆に「RAV4よりもCR-Vのほうが人気」ということになりますね。
もっとも回転の速いブランドはこうなっている
そしてこちらはもっとも回転の速いブランド。
スバルが首位を獲得していて、まだまだスバルは競争力がある(しかしハイブリッドとSUVに押されがち)とも判断できます。
- スバル・・・56.1日
- レクサス・・・69.6日
- トヨタ・・・72.9日
- BMW・・・74.0日
- メルセデス・ベンツ・・・78.0日
- マツダ・・・82.7日
- ボルボ・・・83.8日
- ヒュンダイ・・・85.3日
- アウディ・・・87.1日
- キア・・・87.4日
- ポルシェ・・・87.6日
- ホンダ・・・92.0日
- フォルクスワーゲン・・・92.2日
- シボレー・・・95.5日
- ダッジ・・・105.3日
もっとも回転の速い中古車はこうなっている
そしてこちらはもっとも回転の速い中古車。
新車とはまったく顔ぶれが異なり、テスラを除くとエレクトリックモデルはなく、かつSUVもBMW X6とテスラ・モデルXの2台のみ。
- テスラ・モデル3・・・29.3日
- BMW X6・・・43.0日
- スバルBRZ・・・44.5日
- トヨタ・ヤリス・・・44.8日
- ホンダ・シビック・・・47.4日
- テスラ・モデルX・・・47.6日
- インフィニティQ60・・・49.4日
- ホンダ・アコード・・・50.0日
- トヨタ・カローラ・ハッチバック・・・50.2日
- テスラ・モデルS・・・50.7日
もっとも回転の遅いクルマ(新車)はこうなっている
そしてこちらは逆に、「もっとも回転の遅い」クルマ。
ワースト10の中に三菱が2車種、日産が3車種、インフィニティが1車種入っていて、つまり同じグループのクルマが60%を占めているということになりますね。
そしてSUVも約半数を占めており、もはやSUVであれば何でも売れるという時代を通り過ぎたこと、そしてコンパクトカーやセダンは「足」として実需買いされるもののSUVはそうではなく、つまりSUVは今後”とことん売れないクルマ”が出てくるであろうことも予想できます。
- 三菱アウトランダー・・・197.7日
- 三菱エクリプスクロス・・・187.7日
- ビュイック Encore・・・170.0日
- 日産フロンティア・・・158.3日
- シボレー・インパラ・・・153.1日
- 日産アルティマ・・・151.9日
- 日産アルマダ・・・151.2日
- キャデラック・エスカレードESV・・・151.1日
- レンジローバー・ヴェラール・・・150.4日
- インフィニティQX60・・・149.9日
もっとも回転の遅い中古車はこうなっている
こちらはもっとも回転の遅い中古車。
キア、フォードを除けば比較的大御所ばかりですが、「高価格帯のSUV」は中古車として売りにくい状況にあるようですね(ただしポルシェやメルセデス・ベンツ、BMW、アウディのSUVはここには入っていない)。
それにしても、ベストテンの中にランドローバーが5台(ほとんど全車種・・・)入っているのには驚きです。
- ランドローバー・ディスカバリー・・・199.9日
- レンジローバー・ヴェラール・・・188.1日
- マセラティ・レヴァンテ・・・181.2日
- レンジローバースポーツ・・・125.2日
- キア CADENZA・・・121.6日
- ランドローバー・ディスカバリースポーツ・・・118.6日
- レンジローバー・・・117.8日
- キャデラックXT4・・・115.7日
- アルファロメオ・ステルヴィオ・・・115.5日
- フォード・エコスポーツ・・・109.8日
参照: iSeeCars