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昔のドバイはこんなに貧しかった。ドバイの歴史、発展の理由がわかるドバイ博物館へ

2020/09/05

| 今でこそ栄華を誇るドバイだが |

ドバイの中ではかなり地味な「ドバイ博物館(ドバイミュージアム)。

ドバイというとかつて世界一の高さを誇ったブルジュ・カリファ、7つ星ホテルのバージュ・アル・アラブ、セレブの別荘が並ぶジュメイラ・パーム・ビーチなどが有名で、こういった「昔のドバイ」に着目する人は少ないかもしれません。

しかしながらぼくにとっては「ドバイを訪れたならば、必ず行ってみたかった場所」であり、実際に行ってみて「良かった」と思えるスポットであったと思います。

ドバイ博物館はもともと「砦」だった

ドバイ博物館はドバイ最古の建造物と言われる、アル・ファヒディ砦(1787年建造)の一部を利用したもので、1971年に開業しています。

行き方としては、メトロ(MTR)だとアル・ファヒディが最寄り。

ゴールド・スーク、スパイス・スーク、オールド・スークと近いので、あわせて訪問するのも良さそうですね(ぼくはタクシーでオールドスークまで行き、一緒に見てきた)。

ドバイの鉄道(MTR/メトロ)にはこうやって乗る!そして船に乗って「ゴールドスーク(市場)」へ

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ここは入場口。

この奥でお金を払って入場します。

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中には大砲のようなもの、船、昔の人の住居を再現したものが展示。

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中庭には武器などを展示するスペース(けっこう昔は戦ってたんだな・・・)や、

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ドバイの歴史を示す展示物や小屋があります。

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見どころはドバイ博物館の「地下」にある

ただ、このあたりは「序章」であって、見ものは地下にあります。

入り口から見て左奥の螺旋スロープを降りてゆくと、地価の広大な展示スペースが出現することに。

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1930年代から現代までの様子がダイジェスト版で紹介され、石油が出てから、そして世界中で進んだモータリゼーションによってドバイが一気に変わったことがわかります。

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そこには交易を開始した時期のドバイ、そしてその頃の鍛冶屋、商店、学校などがリアルな人形とともに再現。

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その他には砂漠の生き物、鷹使い、治水に関する展示も。

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ここは石油が出る以前のドバイの人々の生活を再現した展示物。

素潜りで海に潜って魚を採ったり、真珠を採ったりというのが主な生活ですが、石油が出る前の主な収入源は「真珠」(ただし日本が真珠の養殖を実用化した後はそれも廃れてゆくのですが)。

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ドバイはいつも「未来」を見ていた

その後に石油が出て人々の生活が一変したわけですが、問題はそのお金の使い方。

貧しかった人々が急にお金持ちになると、お金を使いまくって破産するのが世の中の常ではあるものの、貧しい時代を経験したドバイは「その時代に戻りたくない」という想いが強かったのかオイルマネーを「投資」に回したわけですね。

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砂漠の真ん中に雪を降らせるスキードーム、世界一の高さを誇ったブルジュ・カリファ、人工衛星から見える唯一の人工島であるジュメイラ・パームビーチなどが有名で、しかしそれらは「ドバイの人が遊び呆ける」ためのものではなく、ドバイの名を知らしめ、外国からのお金を呼び込むためのプロモーションの一環と言えます。

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そうやって有名になったドバイには実際に多くの資金が流れ込み、現在ではGDPに占める石油の割合はなんと1%台にまで小さくなり、逆に「金融」「流通」「観光」がメインになっているわけですが、石油で得たお金をしっかりと未来の為に投資し、外国人がドバイでお金を落とす仕組みを作っている、ということですね。

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現在ドバイのGDPに占める石油産業の割合は1%台と言われ、「脱石油化」が奏功している、と言えます。

いまドバイの経済を支えるのは「金融」「流通」「観光」の3本柱だとされ、完全世襲制にてドバイを治めるマクトゥーム家が相当に優秀であることがわかりますね(同じ石油産出国でも、独裁者が支配し戦争に明け暮れる国もある。条件は同じなのに、統治者の能力でその国が反映するかどうかが決まる、という例)。

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ちなみに2019年の人気渡航先の4位はドバイ、現地での消費額No.1はドバイ、航空機の発着数ナンバーワンはドバイ国際空港。

つまりはドバイはその目的を達し、石油なしでも国家がお金を生み出すシステムを構築したと考えて良さそう。

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オイルマネーで遊んで暮らしていると考えていたドバイですが、日本よりはずっと明確なヴィジョンを持って国を運営しているとぼくは考えていて、この博物館を見ると改めて「未来を考える事の重要さ」が理解できる、と思います。

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もしかしたらこの博物館を作ったときにもそういった「過去の苦労を忘れるな」という想いがあったのかもしれず、ドバイというと華やかできらびやかなイメージがあるのですが、こういった「昔のドバイ」があるからこそ現在のドバイがある、ということをぼくらは知っておくべきだと思うのですね。

ぼく自身も現在はランボルギーニに乗れるようになったとはいえど、昔は貧乏で苦労したので、その時の苦労は忘れたくない、と考えています。

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