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評判抜群のフェラーリ ローマに試乗!ボクにとっては非の打ちどころがない、これまでに運転したフェラーリの中では1、2を争う楽しいクルマ

2020/11/23

フェラーリ・ローマの試乗イベント

| フェラーリ・ローマは単なるクルマとどまらず、ライフスタイルそのものである |

さて、現在購入検討中のフェラーリ・ローマに試乗。

ローマはフェラーリにとって新しい世代のクルマで、その外装はV8ミドシップのような「アグレッシブ」なものではなく、最近のフェラーリには珍しい「クラシカル」路線。

そして反面インテリアはSF90ストラダーレ/スパイダーと同じく、15インチの液晶メーターを核にした最新の「デジタル仕様」です。

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フェラーリ・ローマは内外装が「新しい」だけではない

ただ、ローマが「新世代」なのは、単に内外装が”最近のフェラーリにはない”ものであるという理由だけではなく、その”考え方”。

フェラーリはローマの主要顧客について「はじめてフェラーリを買う」人だと定めており、そのために他社からフェラーリに顧客を呼び込むことを想定しているといいますが、その対象範囲はサルーンやSUVのオーナーにまで及んでいるようで(しかも買い増しではなく、それらからの乗り換えさせることを目論んでいる)、つまりは「守備範囲の広いフェラーリ」。

実際のところ、レーダーを備えたドライバーアシスト(オプション)など、これまでのフェラーリとは一味違う装備が見られるようです。

参考までに、聞くところではやはりフェラーリ・ローマに興味を示すのは「はじめてフェラーリを買う層」とのことですが、最も多いのは”ポルシェオーナー”とのこと。

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フェラーリ・ローマの試乗会場は太閤園

今回の試乗会場は「太閤園」。

いわゆる迎賓館ということになりますが、格調高い庭園や料亭を敷地内に有することで知られます(こんな機会でないと、ぼくが出入りするようなことはまずない施設でもある)。

もちろん試乗は事前予約制となっていて、予約した時間や試乗の内容を記した案内が届くことに。

そして試乗前にはこんな感じで(問題があれば全責任を負担するという)誓約書を記入する必要があり、内容としては「ごく当たり前」のものではありますが、これに記入する際にはいつも緊張してしまいます。

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会場はフェラーリ・ローマ一色

そして試乗会場の太閤園ですが、こういった機会でないとぼくはまず足を踏み入れる機会がないセレブな場所。

そしてその一角をフェラーリが借り切っており、受付スペースやプレゼンテーションルームはまさに「ローマ一色」。

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ここでフェラーリ・ジャパンのスタッフからローマのプレゼンテーションを受け、その後現役レーシングドライバーと共に試乗車の待つスペースへ。

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そしてフェラーリ・ローマの試乗車は3台、展示車が一台。

イメージカラーのブルー・ローマ、ロッソ・ポルトフィーノ、そしてさらに濃いメタリックレッドとメタリックブラックの個体が待ち受けます。

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フェラーリ・ローマのエクステリアはこんな感じ

フェラーリ・ローマのエクステリアについて、一言でいうと「クラシカルで優雅、しかし内に秘めたる筋肉を感じさせる」。

フェラーリは新シリーズとして「ICONA」を立ち上げており、これは「フェラーリのアイコニックなクルマを、最新のテクノロジーと融合させて表現した、少量生産限定モデル」。

第一弾として「モンツァSP1/SP2」が発表されていますが、こちらとも通じるエレガントさがあるようにも感じられます。

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なお、以前にショールームにてローマを見てはいるものの、屋外で見るのは今回が初めて(日本風庭園とのマッチングもいい)。

こうやって屋外で見ると、空模様を美しくボンネットに描き出しており、その複雑さそして美しさを見ると、ローマのボディカラーはダーク系メタリックがもっともそのデザインを際立たせるのかもしれません。

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ちなみにこのテールは「コーダトロンカ」の現代風解釈なのだそう。

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現在は「クラシカル」がひとつの流行

フェラーリのみならず、現在はポルシェ、ランボルギーニといった「歴史のある」スポーツカー/スーパーカーメーカーについて、そのデザイン含むコンセプトを過去に求める傾向が強くなっていますが、これはどんどん出てくる新興スポーツカー/スーパーカーメーカーに対抗するためか、そのレガシーを活用し、「ほかとは違うのだよ」感を強調しているのかもしれません。

なお、ローマ発表時のキャッチコピーは「La Nuova Dolce Vita」、つまり「新しい、甘い生活」。

これは1960年に公開されたフェデリコ・フェリーニ監督の映画「甘い生活」を意識したものだと思われ、実際にフェラーリはローマについて「1960年代のローマ」をイメージしたとも述べています。

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フェラーリ・ローマのインテリアはこんな感じ

そしてこちらはローマのインテリア。

メーターやステアリングホイール、センターコンソール上のタッチパネル、セレクターはSF90ストラダーレと同一ではありますが、ローマは左右の座席を囲むかのような「デュアルコクピット」デザインを採用しており、センタートンネルが高く設定されています。

そのためセレクターやタッチパネルはSF90ストラダーレ/スパイダーとはまったく異なる角度を持ち、そのために印象が大きく異なるようですね。

なお、これまでのフェラーリはスーパースポーツ系(V8ミドシップ)、ライフスタイル系(主にフロントエンジンのV8モデル)ともに共通したインテリアを持つことが多かったものの、最近発表されたモデルについては、その外観や内装において「スーパースポーツ系とライフスタイル系との間に明確なラインを引いて」差別化しているように思われ、つまりモデル間の差異を拡大させているという印象です。

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フェラーリ・ローマに乗ってみよう

そしてさっそくフェラーリ・ローマに試乗。

まず乗りこんでみて思うのは「シートポジションがそんなに低くない」ということ。

その後はシートポジションをあわせてステアリングホイール下部にあるタッチ式のスイッチを長押ししてエンジンを始動させます。

なお、フェラーリの伝統とも言えるものではありますが、ステアリングホイールに基本的な操作系が集中しており、エアコンやオーディオ、ミラーなどの設定を除くと、走行中に操作が必要なものはすべてここに集中している模様(スポークの裏面にもオーディオのボリュームコントロールがある)。※画像はローマと同じステアリングホイールを採用するSF90ストラダーレ

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ちなみにスポーク左端には音声アシスタントの起動スイッチがあるのですが、ぼくはステアリングホイールの「9時15分」位置を握るという習慣があり、その位置を握るとついついそのスイッチに触れてしまって意図せず起動させてしまうことに(試乗中、5回くらいやってしまった)。

この「9時15分」を握る習慣が身についたのは、ランボルギーニ・ウラカンの「ウインカースイッチ」の操作をする際には”9時15分を握っていたほうがやりやすいから”であり、しかしローマを運転する際には「10時10分」へと手の位置を変更した方が良さそうです。

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なお、操作性については一見奇抜に見えるものの、一旦走り出せばものの数キロですっかりその操作方法に馴染んでしまうのもフェラーリの面白いところ。

これは「コンマ数秒を争う」F1において培われたインターフェースからフィードバックを受けているためだと思われ、とことん人間工学に基づいた作りを行っているからなのでしょうね。

視界においても非常に優れており、フロントだとフェンダーの盛り上がりが室内からでも目視できるので車両感覚を掴みやすく、ドアミラーのステーは長く細いので斜め前方の視界を遮らず、ミラーもしくは目視での後方確認も容易です。

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フェラーリは燃費対策のために小さな努力を積み上げたようだ

ローマに採用されるトランスミッションは8速デュアルクラッチ。

しかし同じデュアルクラッチといえどもポルシェやランボルギーニと異なりクリープはなく、よってスタートさせるにはアクセルを踏んでやる必要があります。

ただし出だしは非常にマイルドであり、全く神経質さがないのがいいですね。

トランスミッションに関して言えば変速のタイミングが(コンフォートモードだと)非常に早く、1000回転くらいでポンポンとシフトアップ。

街中でも8速に入ることがあり、気がつけば「1000回転以下で走行している」ことも。

加えて、アイドリングストップの動作タイミングもかなり早めで、車両が停止するよりも先にエンジンがストップします。

こういったところを見るに、厳しい欧州の規制に対応するため、フェラーリは数々の努力を行っているようですね。

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ブレーキは「カーボンセラミック」を採用しており、低温での効きも十分。

加えて停止直前の「カク」っという衝撃もなく、発進そして停止は極めてスムーズです。

フェラーリ・ローマは「これまでにないほど快適なフェラーリ」

そしてしばらく走って思うのは、「排気音以外の音を室内に入れない」ように配慮しているということ。

極めて静粛性が高く、しかし排気音だけをシンプルに聞かせるように配慮しているようですね。

そのほか足回りが柔らかくしなやかで、さらには「振動が少ない」のも特筆すべき点。

フェラーリのV8エンジンはフラットプレーンクランクを採用しており、そのために振動がきついというイメージがあったものの、このローマではその振動を極限まで抑えており、その印象はまさに「高級GTカー」。

上述の通り、フェラーリはモデル間のデザイン的差異を拡大しつつありますが、乗り味においてもその差を拡大させる傾向にあるようです(これまでのフェラーリは、V12でもV8でも、ミドシップでもフロントエンジンでも、ある種の共通性があったように思う)。

そのほか、ブラインドスポットモニター(オプション)ほかドライバーアシストが用意されるなどドライバーへの負担を極限まで低減しているという印象も受け、まさに新世代といった感じですね。

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フェラーリ・ローマの試乗を終えてみて

そして試乗を終えてみての感想ですが、今まで運転したフェラーリの中では「ローマは1、2を争うほどの楽しさを持っている」。

ちなみにほかに1、2を争うのは458スペチアーレですが、「楽しさ」の方向が全く異なるのが面白いところ。

そして総合的に見て、やはりフェラーリを購入するならローマだろうな、という思いが強くなった試乗であったと思います。

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会場は太閤園、そして設備やインストラクターの招聘など全体的に見て非常にお金のかかったイベントという印象ですが、フェラーリはそれだけローマに力を入れているとも言えそう。

なお、フェラーリの試乗会に参加していつも思うのは、「フェラーリの試乗会はほかのメーカー/ブランドとその客層が全く異なる」ということ。

基本的には上品で「何世代かに渡ってお金持ち」風の人が多く、腕時計はだいたいパテックフィリップかウブロが多い模様。

よってぼくも「浮かないような服装で行かなくては」と思うのですが、地面に膝をついたり屈み込んで写真を撮ったりするため、あまり上品な服を来て行くことができないというのもまた実情です。

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参考までに、試乗したのちはアンケートに答えることになるのですが、「お乗りの車」の項目では「トヨタ」や「マツダ」という選択肢が存在せず、高級ブランドのみしか選択できないのがちょっと印象的でした(ホンダは”NSX”が存在するためか、選択として用意されていた)。

今回の試乗では、同乗いただいたインストラクターは現役レーシングドライバーなので、フェラーリのみならず、クルマにまつわる楽しい話を聞くことができ、これも勉強になったところ。

なお、ありがたいことにリトグラフ、チョコレート、カード入れをおみやげとして頂戴しています。

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最後になりましたが、招待いただいたコーンズさんにはお礼申し上げます。

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