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フェラーリ296GTSに試乗してきた。ボクにとってのフェラーリとは、ポルシェと並び「普通のことが普通にできる」数少ないクルマだというものだ【動画】

2023/07/24

フェラーリ296GTSに試乗してきた。ボクにとってのフェラーリとは、ポルシェと並び「普通のことが普通にできる」数少ないクルマだというものだ【動画】

| フェラーリ296GTB/296GTSは乗る度に新しい表情を見せてくれる |

来年には納車されるであろうボクのフェラーリ296GTBもまた、様々なインスピレーションを与えてくれるだろう

さて、オートカヴァリーノさんにお招きいただき、フェラーリ296GTSへと試乗(ありがとうございます)。

会場は淡路島のグランドニッコーホテルで、一般道〜高速道路を走ることになりますが、プロのレーシングライバーの方に同乗していただき、車両の解説を聞きながら自分で運転したり、一方ではクルマのパフォーマンスを最大限に引き出していただき、それを体感するために運転を委ね、自分は助手席に座ることも可能という充実した内容です。

ちなみにですが、淡路島は比較的道路が空いていて走りやすいことから様々な自動車メーカーの試乗コースに選ばれることが多く、しかし覆面パトカーが多いことでも有名ですね。

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フェラーリ296GTSはこんなクルマ

フェラーリ296GTSは296GTBのオープン版であり、3リッターV6ツインターボ+ハイブリッドという(296GTBと)同一のドライブトレーンを採用しています。

異なる部分といえばオープン化によって増加した車体重量で、296GTBは1,470kg、296GTSでは1,540kgということくらい(フロント40.5kg、リア59.5kgという重量配分は変わらない)。

そして外観についても「ほぼ」変わらず、この複雑なリアセクションをオープン化したフェラーリのデザインチーム、そしてエンジニアには脱帽です。

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もちろんルーフの開閉は全自動にて行われ、それにかかる時間は14秒(時速45キロまで操作可能)。

参考までに、モーターが動作する音はかなり小さく、これは「ホテルのエントランスに乗り付けてトップの開閉を行うシーン」などを想定し、エレガントに開閉ができるように考慮されているのだと考えています(実際のところ、価格帯が高くなればなるほどトップの開閉音は小さくなるように思う。ロールス・ロイス・ドーンだとほぼ音が出ない)。

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今回のイベントでは296GTBが2台、296GTSが2台用意されており、そのうち296GTBの一台はサーキット志向のオプション「アセットフィオラノ・パッケージ」が装着されています。

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今回ぼくが試乗させていただいたのはこのブルーの296GTBで、カーボン製ホイールが装着され、内装だとカーボン製スポーツシートが装着されるという比較的ハードなスペックを持つ一台。

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ボディカラーは鮮やかなメタリックブルー、そして陽光の下での複雑なディティールによる美しい陰影を確認することが可能です。

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こうやって見ると296GTSのボディの中には様々なラインが隠されていることがわかり、それを日常的に見たいと思うのであれば、明るめのソリッドよりはダーク系メタリックを選んだほうがいいのかもしれません。

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リアフェンダーの峰にも一本のプレスラインが入っており、これは今まで見てきたほかのボディカラーでは気づかなかった部分です(ぼくはこの部分はずっと丸い曲面のみで構成されると考えていた)。

なお、今までに見たいずれのボディカラーの296GTS / 296GTBはいずれも異なる表情を持っており、そこがまた現代のフェラーリのデザインが持つ興味深い一面だと言えるかもしれませんね。

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スペック的なものをもう少し記載しておくと、フェラーリ296GTSの全長は4,565ミリ、全幅1,958ミリ、全高1,187ミリ、ホイールベースは2,600ミリ。

(F8スパイダーなど)V8エンジン搭載フェラーリに比較するとホイールベースがかなり短く(もちろんV6エンジン搭載の恩恵である)、これによって俊敏性が増している、とアナウンスされています。※F8スパイダー比だと50ミリ短い

なお、0−100km/h加速は2.9秒、最高速は330km/hという破格のパフォーマンスを誇ります。

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フェラーリ296GTSを走らせてみた印象は?

そこで早速試乗を開始しますが、まずは自分の運転にてホテルを出発。

この際はエレクトリックモーターのみで走行するE(フル電動)モードを使用しますが、文字通り「無音」にて走行することができ、この「フェラーリが無音」というのはかなり衝撃的な事実です。

なお、Eモードでは最大で25kmの走行が可能ですが、ホテルを出てから高速道路に乗るまでの数キロについてEモードのみで走行することができ、高速道路に乗るに際して強制的にガソリンエンジンを起動させたほどなので、実際のところかなりEモードの実用性は高いのかもしれません。

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更にここで気づくのは「視界の良さ」。

フェラーリは昔から優れた視界を追求しているように思われ(モータースポーツにおいて視界は非常に重要である。ホンダはNSXの開発に際し、”視界は性能の一部である”と言い切った)、そのスタイルからは想像もできないほど良好な視野を持っています。

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たとえばAピラーが細かったり、ドアミラーの左右が長く視野角が広かったり(さらに長いステーとともに横に出ているので広い範囲を写しやすい)、意外にちゃんと機能するルームミラーといったところにフェラーリのこだわりを感じます。

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そして一般道から高速道路、そしてまた一般道に降りて細い道での転回などを行ってみて感じるのは取り回しの容易さ。

ステアリングホイールのグリップの細さ、そして軽めの操作感、加えてペダルの軽さなど全般的に「ドライバーに負担をかけない」ように設計されているという印象が強く、それは足回りも同様であり、これもやはり見た目から想像もできないほど柔らかく乗り心地がいいという印象です。

加えてですが、一般道でも高速道路でも、低速走行でも高速走行でも「操作に対して同じ反応を見せる」のが非常に印象的で、つまりはインプットに対するアウトプットが安定しているということを意味しており、これはフェラーリが「どのような状況、どのようなスキルのドライバーであっても」安心して安全に、そして楽しく走らせることを実現したと解釈することも可能です(もし、それが気に入らないのであれば、電子制御をOFFにすることもできる)

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こういった点を総合して今回感じたのが「フェラーリはポルシェに近い側面を持っている」。

どういうことかというと、ぼくにとってのポルシェとは(なんどか書いているとおり)「普通のことを普通にできるクルマ」ということで、しかしこれは最も難しいことだと考えています。

ステアリングホイールを切れば曲がって、ブレーキペダルを踏むと停まって、アクセルを踏むと加速する。

クルマとしては当然ではあるものの、ほとんどのクルマは「ステアリングホイールを切っても自分が思ったほど曲がらなかったり、もしくは曲がりすぎたり」、「ブレーキペダルを踏んでも想定したより長い距離で止まったり、姿勢を乱したり」「アクセルペダルを踏んでも、思ったように加速しなかったり、むしろ最初だけガツンと出てその後は伸びなかったり」するわけですね。

それは足回りも同様で、固すぎたり柔らかすぎたり、ロールしすぎたり飛び跳ねたりといったことが起きるわけですが、ポルシェの場合は自分が「そのようにクルマが動いて欲しい」と考えて行った操作に対し、予期したとおりの反応を示すため、まったく違和感がないわけですね。

よって、試乗でポルシェをちょっとだけ運転した人は「なんか普通のクルマだったね」と言うかもしれませんが、それはフェラーリも同様かもしれません。

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たとえば、フェラーリを試乗した人はその外観やサウンドにあてられて「スゲー!!」となるかと思いますが、どこが具体的に凄いのかと聞かれると、たぶん多くの人が答えられないんじゃないかと思います。

つまりフェラーリもまた「思ったとおりの動きをするので」曲がりすぎたとか止まりすぎたとか姿勢を乱すほど加速時にトルクが掛かったとか「そういったこと」がなく、あくまでもクルマに求めたことを「普通に」返してくれるめに「冷静に考えると一体何がすごかったんだろうな」となるのかもしれません。

ただ、そういった「普通のことが普通にできるクルマ」はぼくの知る限りだとポルシェとフェラーリしか存在せず、しかも「いかなる環境でも」「一定の速度域以上でも」それができてしまうわけですね(ランボルギーニの場合は、予想したよりも多くのことを返してくれるスーパーカーだと認識している)。

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一方、そのスタイリングそしてサウンドは「非日常」そのものであり、たとえばドアミラーに映るリアフェンダーはこんな感じ。

これはもうフェラーリ、そして296GTS / 296GTB以外にはない光景だと言って良いかもしれません。

296GTB含め、296系には(サーキット含め)都合4回の試乗を行っているものの、乗る度に新しい発見があることが面白く、おそらくは1年もしくはもうちょっと先になるであろう自分の296GTBもまた、ぼくに色々と気づきを与え、そして色々なことを教えてくれるかもしれませんね。

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フェラーリ296GTSを試乗してきた際の動画はこちら

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