| オフローダーとエレクトリック化は相性があまり良くない。どうなるランクルの電動化 |
米カーメディアによると、北米市場において、トヨタがランドクルーザーの販売を2021年モデル限りで終了させる、とのこと。
この報道はトヨタの言を引用しており、それによると「ランロクルーザーは60年以上、ずっと偉大な存在だった。2021年モデルをもって販売を終了するが、我々はひきつづきラージSUV市場を重視するとともに、ランドクルーザーの豊かなオフローダーとしての歴史を活かすべく将来の商品を模索してゆく」。※以前から2021年で終了とは言われていたが、今回公式にトヨタが言及したことになる
現行200系ランドクルーザーは13歳。それでも「変わらない」理由は?
現行の200系ランドクルーザーは2007年にデビュー。
その後なんどかの改良を受けているものの、基本的な変更がないまま現在に至っています。
ただ、それでも世界的に見ると「人気がある」のは間違いないようで(盗難車ランキングの上位にあるのがその証左とも言える)、トヨタいわくランドクルーザーに大きな変更を実施しないのは「もとも、デビュー時から高いレベルの完成度を与えているために変更の必要がないから」。
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ランドクルーザーはトヨタにとっても特別なクルマで、未開の地にて「目的を果たし、生きて帰ってくることができる」クルマを目指しているため、トヨタ社内でも「ランクル品質」なる特別な基準を設け、そのためほかのトヨタ車とは別次元の走破性と信頼性を与えているといい、究極の域にまで完成度が達している、というわけですね。
どうなる次期(300系?)ランドクルーザー
なお、次期ランドクルーザーのウワサは2019年あたりから出ていて、2020年にフルモデルチェンジが行われると言われたものの「空振り」。
そして現在は2021年フルモデルチェンジ説が最有力ですが、今のところプロトタイプが目撃されておらず、この説もちょっと怪しいかもしれません。
次期ランドクルーザーの方向性は?
新型ランドクルーザーについては発売時期含め様々なウワサが出ていて、ひとつが「BMWと共同開発」。
おそらくは、GRスープラとBMW Z4とが共同にて開発されたことからこのウワサが出たものと思われ、しかしこれはトヨタにとって「ノウハウを相手に与えるだけ」だと思われるために「まずない」だろうと考えています。
加えて、スポーツカーと箱となって十分な販売台数を確保できるものと思われ、開発コストをシェアするために他社と共同開発を行う必要はないと考えるのが妥当です。
ただ、BMW側としては「メルセデス・ベンツGクラス(ゲレンデ)対抗のオフローダー」を欲しいと考えているはずで、BMWからの打診があった可能性は否定できないかもしれませんね。
そしてもう一つ言われているのが「高級路線を歩む」。
主に中東の富豪をターゲットにした高級路線へとシフトするとも言われ、現在ベントレー・ベンテイガ、アウディQ8、ポルシェ・カイエン、ロールスロイス・カリナン、ランボルギーニ・ウルスといった高級SUVの人気が高いことを考えると、この方向性はいかにも「ありそう」。
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ただしトヨタはこの高級SUV路線をレクサスにて、「LF-1リミットレス・コンセプト」をもって実現するとも言われ、これはランクルのレクサス版ではなく、別の(エレクトリック版?)プラットフォームを持つことになり、一方のランクルは原点回帰にてシンプルなオフローダーになるという見方もあるようですね。
ただ、仮にこのLF-1リミットレスの市販モデルがピュアエレクトリックモデルになったとすると、その車体重量は3トン近くにも及ぶ可能性があり、そうなるとドバイの富豪が「砂漠で遊ぶ」には問題が生じそう(これはLF-1だけではなく、他社のオフローダーにも言えること)。
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そういった意味ではオフローダーとエレクトリック化(ハイブリッドだろうがピュアエレクトリックだろうが)は相性が良いとはいえず、ここは本格オフローダーを製造する各メーカーにとって「頭の痛い」問題なのかもしれません。※(重量面、電気的な危険性において)EVだと、水の中を走行したり、泥の上での走行にも不安が残る
よって、オフローダーとしてのランクルはガソリンエンジンを残したシンプルなモデルとなり、「ランクルのスピリットを引き継いだ」別のエレクトリックSUVを追加するというのが「ありうる」選択肢だとも考えています。
なお、新型ランドクルーザーについて、エンジンは「V6」の可能性が高いとされており、こちらも「十分納得できる」範囲ですね。
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参照: Road & Track