| ランドクルーザーは変わらないのは”変わる必要がない”から? |
トヨタが北米にて2019年モデルのランドクルーザーを発表。
率直にいうと2018年モデルとほとんど「一緒」だそうですが、唯一の変更点はヒッチメンバーが全車標準となったこと(日本仕様は75,000円のオプション)。
牽引によって負担が増加するエンジンのためにオイルクーラーを追加し、牽引する車両と接続するコネクターやハーネス類も装備され、牽引にかかわる車両安定システム(トレーラー・スウェイ・コントロール、専用VSC)も標準装備に。
そのほか、日本だとZX Gセレクションのみに装備される「キネティックダイナミックサスペンションシステム(KDSS)」も北米だと全モデル標準装備となるようで、このあたり北米市場にて重視される「乗り心地」に対するトヨタの回答なのかもしれませんね。
現行ランドクルーザーは2007年登場
なお、現行モデルのランドクルーザー「200」系は2007年登場。
つまりもう11年も販売されている長寿モデルということになりますが、2011年と2015年にマイナーチェンジを実施しています。
そういった「長寿」モデルにかかわらず現在でも安定した販売を誇っているのもランドクルーザーの特徴で、たとえば2018年9月だと、シリーズ合計ではあるものの、カムリよりも売れているというのはちょっとした驚きでもありますね。
なお、2011年のマイナーチェンジではドライブモードの追加やマルチテレインモニターの装備、前後ランプ、アルミホイールの変更を行い、2015年のマイナーチェンジでは内外装のデザインアップデートとホイールの変更、Toyota Safety Sense Pそしてブラインドスポットモニターやリアクロストラフィックアラート追加装備など、安全性とドライバーアシストを強化しています。
ここで気づくのは、いずれのマイナーチェンジでもデザインや補完的「装備」の変更にとどまっており、走行性能や物理的な機能面での変更がほぼなされていないこと。
なぜランドクルーザーは大幅な変更がなく10年以上を過ごしているのか
ランドクルーザーは上述の通り大きな変更はなく、そしてここでその理由を考えてみると、完成度が高すぎて「変更する必要がないから」なんじゃないか、とも思うわけですね。
トヨタはランドクルーザーについて、「極限の地へ行き、生還できるクルマでなくてはならない」と述べており、そのために発売前には他のトヨタ車とは全く異なるテストを行う模様。
トヨタ内部でこれは「ランクル品質」と呼ばれるそうですが、ランクルはその使用される環境を考えると、「ランクルが壊れる=死に直結する」という責任感から、通常よりも高い基準を設けているとも考えられます。
さらにランドクルーザーはもともとモデルライフを長めに設定されており、”一歩も二歩も先んじていなければ時代遅れになってしまう”ことを想定して最新の環境性能や安全性能を満たした開発を行っているとも報じられていますが、こういった理由もあり、ランドクルーザーは発売時から「完璧な信頼性」と「10年以上最先端でいられるだけの機能」を持っていると考えてよく、これが「マイナーチェンジすら必要としない」理由なんじゃないかと思いうわけですね。
トヨタが公開している、ランドクルーザーのスペシャルコンテンツはこちら。
その系譜や世界での活躍、ランドクルーザーに乗る人々のユーザー(オーナー)ボイスなどが公開されています。