| 新型フェアレディZの価格は未発表なるも、4万ドルからの設定だと見られている |
思ったよりもその内容は「進化」していそうだ
さて、日産が待望の新型フェアレディZを公開。
正確にいうならば、今回公開されたのは米国仕様の「Z」で、日本仕様のフェアレディZは今年冬に発表される、とのこと。
米国仕様向けの「Z」には「スポーツ」「パフォーマンス」の2グレード、そして「プロトスペック」が用意。
いずれも搭載されるエンジンはVR30DETT、組み合わせられるトランスミッションは6速マニュアルもしくは新開発の9速AT。
ちょっと面白いのは「プロトスペック」で、これは「フェアレディZプロト」の仕様を再現した”イエローブレーキキャリパー””ブロンズカラーのホイール”””イエローアクセントの本革シート+イエローステッチ”が装備されること。
新型車が発表される際にはなんらかの特別仕様車が用意される事が多く(”ファーストエディション”など)、しかしプロトタイプに近い仕様を用意する例はかなり珍しいと思います。
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新型「Z」はこんな特徴を持っている
今回、新型「Z」はニューヨークにて開催された特別イベントにて公開されていますが、日産の最高執行責任者(COO)であるアシュワニ グプタ氏によると「日産にとってZとは、私たち自身の一部であり、長年にわたるお客さまへのコミットメントです。私たちはZを通して、最新のスポーツカーのデザイン、パフォーマンス、そしてワクワクをお届けしています。 50年以上もの間、Zは手の届く夢のスポーツカーであり続けています。このことは、時代を超えたZの魅力であり、数え切れないほどの従業員の献身的な取り組みと情熱によって実現しています。私たちは、これまでと将来の世代へ『Z』のワクワクをお届けしようとしているのです 」とコメント。
新型Zは「最高のZ」
新型「Z」のチーフプロダクトスペシャリストである田村 宏志氏によると、「これまでのフェアレディZの特徴でもあった、ドライバーと人とのつながりを重視し、史上最高のZを作ること」が至上命題。
そして新型Zについては、これまでになくパワフルかつ俊敏、そして最高の「ダンスパートナー」であると表現しています。
新型Zに採用される新開発の3リッターV6ツインターボエンジンは最高出力400馬力(450PS)と最大トルク350lb-ft(475Nm)/5,600rpmを発生。
6速マニュアル・トランスミッションはこのハイパワー/大トルクに対応するためにクラッチやギアを強化しており、新設計のシンクロナイザーシステムを採用するなど、「意のままのシフトチェンジ」を実現しているようですね。
一方、9速オートマチック・トランスミッションについては「ダイレクトで素早いレスポンス」を実現しており、快適志向の「スタンダード」、ダイナミックな「スポーツモード」の2つを備えます。
そのほか、日産の後輪駆動車としてははじめて「クラッチ操作でエンジン回転数を保持し、停止状態からの加速性能のポテンシャルを最大限発揮するアドバンストローンチアシストコントロールシステム」を搭載しており、こちらはAT車全車、MT車だと「パフォーマンス」グレードにて利用が可能。
加えてボディ剛性の強化、ワイドなフロントタイヤを装着することでコーナリング性能を最大13%引き上げている、とのこと。
タイヤサイズは「スポーツ」グレードだと前後245/45R18 9J、「パフォーマンス」「プロトスペック」ではフロント255/40R19 9.5J、リア275/35R19 10Jへとサイズアップされます。
足回りに関してだと前後ダンパーに大径モノチューブを採用し、減衰力を20%低下させることで乗り心地や路面追従性を向上させ、さらにアルミ製ダブルウィッシュボーン式フロントサスペンションのキャスター角を増加させることで直進安定性を向上させていると紹介されています。
新型Zのエクステリアデザインはこんな特徴を持っている
新型Zのデザインについては、初代フェアレディZ「S30」、そして国産車ではGT-Rとともに初めて自主規制枠である280馬力に到達したZ32世代のフェアレディZを強く意識しています。
日産のデザイナーは、新型Zのデザインを行う過程にてZオーナーからのヒアリングを重ね、数え切れないほどのスケッチを作成したといいますが、ロングノーズ・ショートデッキというスタイルはS30フェアレディZの影響を色濃く感じさせるところ。
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そしてS30を感じさせるのはヘッドライトも同様で、240ZGをイメージした「2つの半円」が用いられています。
一方、テールランプはZ32フェアレディと通じるイメージを持ち、最先端の技術を用いて「奥行き」を表現することに。
なお、フロントスポイラーにはGT-Rの開発から得たノウハウが用いられ、リアには(”パフォーマンス”グレードのみ)リフトを抑えるスポイラーが装着されています。
ボディカラーについてはモノトーン3色に加え、新色のセイランブルーとイカズチイエロー(いずれもスーパーブラックルーフとのコンビ)含む2トーン6色が設定。
ボディサイズについて、全長は4380ミリ、全幅1850ミリ、全高1315ミリ、ホイールベースは2550ミリと紹介されています。
日産は新型フェアレディZの市販モデルについて「プロトタイプとほぼ同様のデザインで発売する」と公言していましたが、その”公約”どおり、プロトタイプとの相違点を見つけるほうが難しいほどの再現性を誇っているようですね。
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新型Zのインテリアデザインはこんな特徴を持っている
新型Zのセンターコンソールは3つのセクションに分散され、カラーの変更は上下に分割。
3連メーターはドライバーの見やすい位置に、12.3インチのフルデジタルメーターについても重要な情報を読み取りやすいようにデザイン(表示モードは3つ)。
新設計のシフトレバーは(MT、ATでも)握りやすさを重視しており、ステアリングホイールは「ディープコーン」をイメージしたようですね。
シートについてもGT-R開発時のノウハウが注ぎ込まれ、ホールド性とフィット感を向上させており、ハードなドライビングの際にも体の動きを抑えてくれる、とのこと。
インテリアカラーは「グラファイト」「レッド」「ブルー」の3色で、「プロトスペック」のみにイエローアクセントが付与されています(シート表皮に施されたパンチングから下地が除くという流行のスタイル)。
なお、気になる価格については今回発表されておらず、しかし「4万ドルから」という見方が大半を占めるようですね。
新型フェアレディZ オンライン発表会の様子(動画)はこちら
参照:日産