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マクラーレン・セナは現在最低でも27台が売りに出されている!さらに「セナGTR」の相場は新車価格を割り込み、やはりそのデザインがネックなのか・・・

2021/10/03

マクラーレン・セナは現在最低でも27台が売りに出されている!さらに「セナGTR」の相場は新車価格を割り込み、やはりそのデザインがネックなのか・・・

| セナは「台数が多い」「デザインがイマイチ」「720Sとコンポーネントがほぼ一緒」という三重苦を背負っている |

ただ、マクラーレン全般に価格が低いというわけではない

さて、マクラーレンが発売したハイパーカー「セナ」。

アイルトン・セナの名を冠して「800馬力、ダウンフォース800kg」を標榜しながら”満を持して”発表されるも、発表直後から「デザインがひどい」「セナの名にふさわしくない」として批判を浴びたのは記憶に新しいところです。

その批判はマクラーレンが無視できるレベルではなかったようで、その批判に対してデザイナーがエクスキューズを述べ、そのデザインは機能に基づいたものであると説明するも一向にネガティブなコメントが収まらず、ある意味ではマクラーレンの「ハイパーカー不振」を招くきっかけとなったのがこのクルマかもしれません。

セナGTRの相場は新車価格以下に?

今回マクラーレン・サンフランシスコが販売しているのはサーキット走行専用モデル「セナGTR」ですが、その販売価格は139万9999ドル(日本円で1億4500万円くらい)。

この価格はちょっと衝撃であり、というのも新車価格を下回っていると考えられるため。

セナGTRの北米価格については記録がないものの、本国では110万ポンド(1億6000万円くらい)で販売されており、おそらく北米でもそんなに変わらない価格で販売されていたはずで、となると今回のセナGTRの価格はそれを下回っていると考えて良さそうです。

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そしてこのセナGTRは見たところ多大な費用をかけて(おそらくは数千万円)カスタムされていると思われ、ボディはガルフっぽいカラーに加えてグラデーション、ナンバリングなど相当に手の混んだペイントが施されていることがわかります。

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この個体は走行わずか291マイルでコンディションも悪くなく、そこまで価格が下る要素はないはずですが、ほかのセナGTRも比較的安く売られており、セナGTRは現在「全般的に」値を下げていると考えていいのかもしれません。

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通常版「セナ」の価格も下落中

そして「GTR」ではないロードカーのセナですが、こちらの価格についても現在下がってきているようで、日本だと新車価格9926万円で販売されていたものの、現在北米で最も安価な個体は119万5000ドル(1億3200万円くらい)であり、ほかにも同じような価格帯を持つ個体も。

現時点では新車時の価格を超えてはいますが、セナGTRの状況、そしてセナもジリジリ価格を下げてきている様子を見るに、セナGTR同様「新車価格割れ」となる日が近いのかもしれません。

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いったいなぜこんなことに?

そしてここで思うのが、すでにマクラーレンのビジネスモデルが崩壊しつつあるのでは、ということ。

マクラーレンはハイパーカーとして「アルティメットシリーズ」を持ち、第一弾として「P1(375台)」、そして「セナ(500台+セナGTRが75台))」、「スピードテール(106台)」、「エルヴァ(499台の予定が完売できずに149台)」と連続してハイパーカーを発売しており、それぞれ性格が重複しないように「サーキット走行性能重視」「最高速重視」「ハンドリング重視」としていたものの、結局購買層が同じだったのかセナあたりで「飽きられて」しまい、エルヴァに至っては予定台数を完売しないという状況に陥っています。

これらハイパーカーは非常に大きな利益を稼ぎ出しており、マクラーレンにとってはひとつの「ドル箱」ではあったものの、この状況であれば今後ハイパーカーを発売したとしても完売できるとは限らず、むしろ「市場でダブついて」その価値を下げる可能性も。

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なぜマクラーレンがこういった状態となったのか明確な理由はわかりませんが、ハイパーカーに関して言うと、やはり「性格を分けたといえども、同じプラットフォームとエンジン、トランスミッションを使用しており、駆動方式やレイアウトも同じ」だったことに原因があり、購買層の幅を広げることができなかったことが理由だったのかもしれません。

そして現在セナ/セナGTRは中古車売買サイト上「デュポン・レジストリー」上では27台が売りに出されており、そのほかにもプライベートセールなど「どこかで」売りに出されている個体もあるかと思うので、相当数のオーナーが売りに出していると考えて良く、今後は連鎖反応的に値を下げる可能性もありそうですね。

なお、マクラーレンの他のハイパーカーはここまで多数が売りに出されておらず、むしろスピードテールは売り物が少なく高値で安定しており、「(セナの)500台は多すぎた」そして「やはりデザインがイケてなかった」ことも値が下がっている理由だと考えられます(よって、マクラーレンがハイパーカービジネスを続けるのであれば、もっと下げ柄の大きなモデルを、100台以下の限定台数で販売すべきということになる)。

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