| さすがにこの値段は「宣伝半分」だとは思うが、今年で25年ルール対象となるだけに市場価格が高騰するのは間違いない |
当時、ここまで価格が上がるとは誰も思わなかったに違いない
さて、1995年2月にNISMOが受注受付を開始したコンプリートカー、「NISMO 400R」がなんと160万ポンド(2億5000万円!)にて販売中。
このニスモ400RはR33世代のGT-R(中古車)をベースにNISMOが全域に渡ってアップグレードを行ったクルマであり、99台の限定受注生産としてリリースされています。
ただ、当時1200万円というあまりに高価な設定のために受注が99台に満たず、55台(40台説もある)が生産されたのみにとどまり、しかしその希少性が今になってその価値を大きく向上させることに。
なお、現存するニスモ400Rはわずか19台しかないとも言われており、それが真実であれば、この価格もある意味では「納得」です。
ニスモ400Rはこんなクルマ
このニスモ400R最大の特徴は「400馬力を発する」エンジンで、これがそのまま車名となっているわけですが、280馬力自主規制が守られていた時代にとって400馬力というのは途方も無いパワーです。
この馬力を可能としたのは日産工機(REINIK)製のRB-X GT2エンジンで、RB26DETTを2.8リッター(2,771cc)に排気量アップしているほか、ギャレット製N1用メタルタービン、メタルガスケット、低背圧触媒などN1マシンからのフィードバックが盛り込まれた、事実上の「競技用ユニット」。
なお、最高速はリミッターによって250km/hへと制限されています。
もちろんこの大パワーを吸収すべくクラッチもツインプレートへと強化、プロペラシャフトは(スチールから)カーボンファイバーへと変更、そして冷却系の容量も大きく拡大されることに。
サスペンションはビルシュタイン製のショックアブソーバーにNISMO製スプリングを組み合わせており、ホイールは18インチながらも幅は「10J(タイヤは275/35R18サイズのポテンザ)」。
ブレーキはフロントにブレンボ製4ポット(ローターは2ピース)、リアにはブレンボ製2ポット。
マフラーは当時にしては珍しいチタン製を採用しています。
ボディは前後ともワイド化され(ボディサイズは全長4675ミリ、全幅1830×ミリ、全高1330ミリ)、前後バンパーは専用品と置き換えられたうえ、ボンネットはカーボン製へ。
ヘッドライトは「競技用スペック」のHIDへと変更されています。
リアウイングもカーボン製、しかも「ダブルウイング」。
ボディカラーは「ディープマリンブルー」
そして今回販売される個体大きな特徴はこのボディカラー「ディープマリンブルー」。
R33世代のGT-Rというとミッドナイトパープルが有名ですが、このディープマリンブルーは非常に「レア」だと言われます。
ちなみにこのストライプも400Rならではの特徴でもありますね。
なお、ニスモはこの400Rを「非常に特別扱い」していて、400Rに使用されるパーツのほとんどを「単品」では販売せず、よって400R風の外観にもカスタムもできなかったということを意味します。
NISMO 400Rのインテリアはこうなっている
そしてこちらはNISMO 400Rのインテリアですが、エアバッグの「レス」化、320キロスケールのメーターが目立つところで、そのほかにはオーナーの心をくすぐる400Rロゴ入りチタンキー、NISMO専用の本皮車検証入れといった装備も。
エクステリアに比較するとかなり「地味」であり、ダッシュボードの「400R」ロゴがかろうじてその存在をアピールしている程度です(ただ、それがスパルタンさを強調することになっている)。
ちなみにニスモ400Rは今年で(アメリカの)25年ルールにかかるため、アメリカへの輸入が可能となり、おそらくは日本に存在する個体の何台かはアメリカへと流れることになりそうですね。
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参照:HJA