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テスラの「ファントムブレーキ問題」に対し、米運輸省が調査委員会を設置して本格調査に乗り出したとの報道。2月だけで4件のリコールを出し、テスラは「重点監視メーカー」に

2022/02/22

テスラの「ファントムブレーキ問題」に対し、米運輸省が調査委員会を設置して本格調査に乗り出したとの報道。2月だけで4件のリコールを出し、テスラは「重点監視メーカー」に

| このところのテスラはやや理解し難いところがあり、ちょっとした不安も |

もちろん、イーロン・マスクCEOにはそれなりの考えがあると思われるが

テスラに関し、つい先日明らかになった(自動運転モードにて走行中)勝手にブレーキが掛かるというファントムブレーキ問題が取り沙汰されていますが、米NHTSA(National Highway Traffic Safety Administration=米国運輸省道路交通安全局)欠陥調査室がこれについて予備評価を開始し、正式に調査に乗り出した、とのこと。

同局によると、2021年から2022年のテスラ・モデル3およびモデルYを含む約41万6000台にこのファントムブレーキの可能性があると見ており、NHTSAが過去9カ月間に受け取った、この問題に関連する354件の消費者からの苦情を受けての行動だといいます。

テスラ
テスラが仕様変更を行った後「勝手に急ブレーキがかかる」ファントムブレーキ現象が多発。直近で100件を越え調査対象に

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テスラの「ファントムブレーキ」とは?

このファントムブレーキについて、アダプティブクルーズコントロールなどの先進運転支援機能を使用して高速道路を走行中に、車両が予期せず(勝手に)ブレーキをかけることがあるといい、突然ブレーキが掛かるのはもちろん、一度のドライブにて「何度も」ブレーキがかかることがあるとされ、テスラの先進運転支援システムを信頼しがたいものにしているほか、高速道路走行中に突然ブレーキがかかると追突のリスクが増すために非常に危険だと判断されているようですね。

なお、この原因は比較的はっきりしていて、これまでテスラの自動運転は「カメラ+レーダーセンサー」にて作動していたものの、つい最近(コストダウンもしくはチップ不足のためか)テスラはレーダーセンサーを排除し、「カメラのみ」で作動するように変更したため。

通常、いずれの自動車メーカーの場合も(自動運転を実現するに際し)カメラとレーダーセンサー、もしくはLiDARなど複数の方式をくみあわせ、それらにてクロスチェックを行うことでフェイルセーフとしています。

そしてテスラの場合、(カメラしか障害物等の判断の手段がないので)このフェイルセーフが働かずに「ファントムブレーキ」が発生してしまっている、と考えられているもよう。

ちなみにテスラは2月に入って17日までに4件ものリコールを出しており、なんらかの問題がテスラに発生していると考えて良さそうですね。

テスラのファントム・ブレーキが走行中に発生する動画はこちら

テスラには「サスペンション」の問題も

そしてテスラにはまだまだ不幸が続くようで、昨年に発生した死亡事故の原因になったと考えられているサスペンションの不具合をめぐり、フロリダ州で訴訟が起こされている、という報道も。

ロイター通信によると、この訴訟は、2021年型テスラ・モデル3には「通常の予見可能な運転状況下で制御不能を引き起こす可能性のある、欠陥があり不当に危険なサスペンション」が装備されていると主張しています。

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訴訟によると、同車のドライバーであるニコラス・G・ガルシア氏は、事故の4日前に「制御系、ステアリング、サスペンション、バッテリー、電子システム、ドアを開ける能力」に問題があるとし、モデル3をテスラストアに持ち込んだものの、テスラのサービスマネージャーは、車両の点検を十分に行わず、しかしその後に(サスペンションに起因する)事故を起こしてしまい、整備に「過失 」があったというのがその言い分。

なお、昨年に発生した、(今回の訴訟とは別の)サスペンションの不具合が原因だと見られる死亡事故について、国家運輸安全委員会の予備報告書によると、該当のテスラは走行中に2本の木に衝突し、その後に火災が発生したとされ、この事故によって不幸にも運転手(20歳)と助手席のジャズミン・アルカラ氏(19歳)の両名が死亡したとされています。

警察の報告書によれば、交差点中央の段差を乗り越えた後、サスペンションの不具合にて運転手がコントロールを失い、車両が車道から逸脱して衝突したと記されており、実際にテスラはサスペンションの問題で米国内のモデル3とモデルYを約3,000台リコールし、さらに中国製のモデルY21,599台につき、「極度のストレス条件下でサスペンションリンクがステアリングナックルから脱落する恐れがある」としてリコール済み。

ただ、他の自動車メーカーも同じような訴訟や問題を抱えているはずで、しかしテスラだけが大きく報道されるのは、やはり「テスラだから」ということになるのかもしれません。

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参照:teslink_eu, Matthew K Rogers

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