| ウクライナ情勢は想像していたよりも大きな問題になってきた |
おそらく今後は生産や輸送の問題も顕在化することになり、チップ不足に次ぐ悩みのタネとなりそうだ
さて、先日開始されたロシアのウクライナ侵攻について自動車業界とて無関係ではなく、現地もしくは近隣に工場を持つ自動車メーカーは生産停止を余儀なくされており、そうでなくとも現地での販売停止などの対応に追われていることかと思います。
たとえばトヨタは、ロシア市場向けのカムリとRAV4を製造しているサンクトペテルブルク工場を閉鎖することになり、ホンダ、ゼネラルモーターズ、マツダはロシアへの輸出を停止すると発表ずみ。
さらにボルボとジャガー・ランドローバー、フォードもロシアでの事業を停止しており、現時点ではその影響がどこまで拡大するのかまったくわからない状態となっています。
ランボルギーニ、フェラーリは「寄付」を発表
上述の通り多くの自動車メーカーがその対応を発表しているわけですが、今回はランボルギーニとフェラーリがそれぞれ「寄付」について発表を行っていて、ランボルギーニはすでに2014年から難民に対する基金(UN Refugee Aid)に継続して寄付を続けていること、加えてロシアでの事業保留を発表。
— Lamborghini (@Lamborghini) March 8, 2022
フェラーリもウクライナ人の支援のために100万ユーロを寄付したと公表し、これは国際的な人道的プロジェクトに資金を振り分けられるほか、イタリア国内の難民受け入れのための地域活動にも投資しつつ、マラネロ、フィオラノ、フォルミジーネのチェルノブイリ協会に援助を送り、難民を支援するために使用されるようですね。
これについてフェラーリCEO、ベネデット・ヴィーニャ氏は「我々の心は被災したウクライナ人と共にある。対話と平和的解決の早期実現を願うとともに、被災したすべての人の苦しみに無関心でいるわけにはいきません。私たちの思いと支援は、彼らのためにあるのです」とコメントしており、ロシア市場向けの車両生産を停止することを発表しています。
ランボルギーニとフェラーリは「100%が受注生産」だと認識していますが、そこで「ロシア向けの生産を停止する」ということは、すでに「受注しているロシアの顧客のための車両」を生産しないということなのかも。
だとすると、これによっていくばくかは生産ラインに余裕ができることになり、少しは(ロシア以外から注文した場合)納期が早くなる人が出てくるのかもしれません(それにしても、ロシアの顧客への説明が大変そうではある)。
ちなみにフェラーリは東日本大震災やインド洋津波など災害に対して様々な支援を行っており、ときには資金捻出のために新しく車両を製造してオークションにかけることもあるので(これはランボルギーニも同じ)、もしかすると今回も難民支援のために特別なモデルが製造され、チャリティーオークションへと出品される可能性もありそうですね。
なお、日産とステランティスもそれぞれ100万ユーロを難民支援のために寄付していて、この動きは更に拡散するものと思われます。
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ロシアと「直接の関係」がある自動車メーカーも
製造や販売のほかにロシアと密接な関係にある自動車メーカーも存在し、まっさきに思い浮かぶのは「ポルシェ」。
ポルシェとロシアがどう関係しているのかというと、ポルシェはプーチン専用車に搭載するV12エンジンを設計したと報じられているためで、場合によってはこれがなんらかの非難を浴びる可能性が出てくるのかも(もちろんポルシェは悪くない)。
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そしてもっと強く結びついているのは「ルノー」であり、ルノーは「ラーダ・ニーヴァ」を製造するアフトヴァース(ロシアの自動車メーカー)を傘下に収めているので、これもまた火種となりそうですね。
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