| その外観は2015年に発表された3.0CSL オマージュに近いと言われている |
ただし度々「期待を裏切った」BMWだけに油断はならない
さて、今年50周年を迎えるBMW M社。
すでにM専売モデル「XM」を発表済みではありますが、M2、M4CSL、M3ツーリングなどのニューモデルの発表を控えており、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードにおいてはなんらかの新型車を発表するともアナウンス済みです。
そして今回報じられたのが「隠し玉としてとんでもないモデルが用意されている」ということ。
これはM4CSLをベースにするものの、ボディ全体が新設計となるスペシャルモデルになる、と言われています。
-
BMWが「M社の50周年」を記念しグッドウッドにて主役を務め、M3ツーリングをその場で発表すると予告。なおニュル24時間には「Mカラー」のM4 GT3が参戦
| とにかく今年はBMW M社にとって記念すべき年、飛躍の年になりそうだ | M3ツーリングに対する世界中の期待は非常に大きい さて、BMWが今年の夏に開催されるグッドウッド・フェスティバル・オブ・ス ...
続きを見る
「とんでもないMモデル」は3.0CSLへのオマージュ?
このウワサだと、「とんでもないMモデル」は1970年代に活躍した(E9世代の)3.0CSL”バットモービル”を現代風に再解釈したクルマとなるもよう。
この3.0CSLバットモービルとは、1974年に登場した「3.0CSL シリーズ2」を指していますが、その特異なルックスから「バットモービル」というニックネームにて呼ばれることとなっています。
なお、CSLとは「Coupe、Sport、Lightweight」をあらわしており、3.0CSLは1971年に発売された3.0CSを大幅に軽量化した、ツーリングカー選手権参加のためのホモロゲーション取得用モデルとして登場していますが、ボンネットや左右のドアをアルミにするなど現代の「M」にも通じる手法を採用するほか、ルーフやノーズ部分のパネルの厚みを削ったり、サイドウインドウをアクリル製に、そして前後ウインドウは薄肉化するなどの手法を取り、車体重量は1,365キロから1,165キロへと大幅に軽量化がなされています。
-
【競売】生産わずか57台!BMW最初の「CSL」、3.0CSL"バットモービル"。しかも4台のみしか生産されなかったタイガ・グリーン
| BMWのハイパフォーマンスカーの歴史を語る上では絶対に外せない | 歴史に残る名車といえるBMW 3.0CSLシリーズ2、通称「3.0CSLバットモービル」が米中古車売買サイトBring A Tr ...
続きを見る
そしてシリーズ2では、シリーズ1に比較しフロントスポイラーが大きくなり、巨大なリアウイングを取り付け、ボンネット上にはフィンを追加していますが、BMWがM社50周年の折にこの3.0CSLのオマージュモデルを発売したとしても不思議はなく、ここでその「M」のルーツ、「CSL」のルーツに立ち返るということなのかもしれません。
過去へのオマージュながらもBMWは「未来」を見る
ただ、BMWはそのデザインについては「常に過去を破壊しながら前に進む」というスタイルを取っており、レトロルックを採用することはないと言われ、よって今回3.0CSLが(DNA的に)復活するとしても外観は「レトロ」ではなく、2015年にコンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステにて発表された「3.0CSLオマージュ」をベースにした未来的なデザインになる、とも言われます。※ただ、その頃のBMWはのデザイナーと現在のBMWのデザイナーは「違う人」なので、そのまんま3.0CSLオマージュが実現されることはないと思う
この新しい「3.0CSLオマージュモデル」については、M4CSLをベースにするとはいえ、上述の通りボディがカーボンファイバーによって再構築され、M4とは共通性を持たないモデルになると見られており、搭載されるエンジンに関しても(3リッター6気筒ターボ=S58であることは変わらないものの)出力が608馬力にまで引き上げられるというウワサも。
ただ、残念なのは、BMWは高出力・高トルクに耐えうるマニュアル・トランスミッションを持たないために「おなじみのZF製8速AT」が積まれることになり、駆動輪は後輪のみとなるもよう。
もちろん極度に軽量化されて(1550kgがターゲットだと報じられている)サーキット志向のセッティングを持つとされますが、0-100キロ加速3.5秒、最高速度は時速300キロを超え、BMW最速最強モデルとなる可能性が高そうですね(おそらくニュルブルクリンクのタイムもBMW最速となりそう)。
なお、この特別なMモデルは50台のみが生産されるといい、その価格は60万ユーロ(日本円で約8200万円)にも達すると予想されるものの、その希少性、そして3.0CSLとの関連性を考えると、すぐに(非常に高い)プレミア価格にて取引されることになりそうですね。
ちなみにBMW M社は「50台のみ、ハンドメイドのスペシャルモデルを製造する」というウワサがしばらく前から出ていて、そのウワサと今回の報道では符合する点も多く、よって「かなり実現性が高い」話なのかもしれません。
しかしその一方、BMWは「100周年」の折、そしてBMW M社「50周年第一弾」の折にもスポーツカーを発表せずに大きく世間を落胆させたことがあり、実際に発表されるまでは予断を許さない状況である、とも考えています。
BMWはM4 CSLの公式ティーザー動画を公開
そして5月20日に予定される新型BMW M4 CSLの発表を前に、BMWは新たにそのティーザー動画を投下。
この動画は4分と少しという短いものですが、M4CSLのテスト風景が収められ、そのインテリアもちょっとだけ確認可能です。
この動画からは、タイヤが「ミシュラン・パイロットスポーツ・カップ2 Rであること」「後部座席がおそらく取り払われていること」、そして「オートマチックトランスミッションを搭載していること」がわかりますが、すでに出回っているスパイフォトだと、カーボンファイバーを用いたパネルや、「CSL」の文字がインテリアに配置されることも判明しています。