| 納車されたばかりのフェラーリの内装を完全に張り替えるのはかなり勇気のいる行動だが |
その仕上がりを見ると貼り替えたくなる気持ちもよくわかる
さて、現在はスーパーカーや高級車を「購入する」だけではなく、メーカーの用意するパーソナリゼーションプログラムによって「購入時にカスタムする」、さらには購入後に「サードパーティーによってカスタムする」傾向が顕著になっており、そういったカスタムを手掛けるショップのうちのひとつが今回紹介するカーレックス。
これまでにもフェラーリやマクラーレン、そのほか多数のスーパーカーのカスタムを手掛けていますが、今回は812GTSの内装コンバージョンを公開しています。
そのイメージは「ヴィンテージ」
今回カーレックスはフェラーリ812GTSのインテリアを全面刷新し、そのイメージは「ヴィンテージ」。
フェラーリ812GTSはV12エンジンをフロントに積むオープンモデルであり、フェラーリの伝統を体現するモデルの一つでもあるため、「ヴィンテージな」インテリアとのマッチングは非常に良いのかもしれません。
もちろんフェラーリ自身もヴィンテージ風のレザーを揃えており、レトロな仕上げを内装に施すことが可能ではあるものの、カーレックスは「ヴィンテージ風のクラシックなスタイルと、このユニークなクルマのスポーティなキャラクターを反映したものでなければならない」と語っており、実際にその表現を一歩先に進めたと考えて良さそうですね。
カーレックスは非常に優れたデザインと加工技術を持ちますが、特殊な素材を使用することでも知られ(これまでにはエイの革を使用したこともある)、今回選んだのは「クドゥレザー」。
これはアフリカ東部と南部に生息するカモシカの一種、「クドゥ」から採ったレザーだそうですが、南アフリカではクドゥの生息数をコントロールするために淘汰を義務づけているとされ、駆除後にはその皮革が廃棄されることになるので、カーレックスではこれをサステイナブル(持続可能)な素材であるとしています(ある意味ではリサイクルに近い)。
さらにこのクドゥは野生動物なのでその表皮にも固有の傷などが見られ、よって一枚一枚の比較が独自の風合いを持ち、かつヴィンテージ風の味わいを持つのだそう。
今回カーレックスが使用したクドゥレザーは自然の風合いを生かしたキャメルカラーに染め上げられていますが、その対比となるように選んだのがブラックレザー。
これは切り返しやパイピングなど様々な手法によってキャメルとのコントラストを強めています。
そのほか、型押しやレーザーによるパーフォレイト(穴あき)加工、各種ステッチ、そしてメタルプレートの活用など、ありとあらゆるテクニックが駆使されています。
表皮のカットも独特で、マットもキャメルとブラックのレザー仕上げ。
ステアリングホイールのスポーク、センタートンネル状のブリッジなど、もともとシルバーだったパーツはグロスブラックにペイントされてインテリアの一体感を高めることに。
こうやって細部や全体を見てみると、シンプルな色使いではありますが、その加工技術によって特別な世界観を演出しているように思われ、わざわざ新車のフェラーリの内装を「張り替える」理由も分かるような気もしますね。
カーレックスでは内外装のカスタムを幅広く展開中
なお、カーレックスでは内装だけではなく外装のカスタムも手掛けており、たとえばこういった「レーシンググリーンエディション」をパッケージ(6万5000ユーロ/約890万円)にて提供中。
これはボディを「ブラシ仕上げ風に」再ペイントし、インテリアをすべて張り替えるというもので、そのカスタム内容を見る限りでは、意外と納得性の高い値付なんじゃないかとも考えています。
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