| アップルはランボルギーニのエンジニアに「ビークルダイナミクス」分野での貢献を求める? |
ここ数年、アップルは大量の人材を自動車業界から引き抜いている
さて、2020年末からその話題が再燃し、大きな騒動に発展した「アップルカー(もしくはiCar)」。
言わずとしれたテック業界の巨人であるアップルが発売する(と言われる)クルマですが、もともとは2014年くらいに「アップルがクルマを発売」というウワサが流れ、しかしその後はなんとなく立ち消えに。※いったんはプロジェクトを解散したとも言われる
しかし2020年末になって台湾のサプライヤーから「アップルより、アップルカー試作のためのパーツを手配するように言われた」というリークがあり、そこから大きく事態が動き出しています。
直近でのアップルカーに関する動きはこんな感じ
そこでこのアップルカーに関する最近の動きですが、台湾のリークの後、ヒョンデ、キアに接触があり、ここでそれぞれとアップルが提携という話が持ち上がってヒョンデ株が急上昇し、そこで売り抜けたヒョンデ幹部がインサイダー疑惑にて逮捕されるといったことも。
ただし実際にはアップルとヒョンデ/キアの提携は実現せず、その後には日産、ホンダ、トヨタ、フォルクスワーゲン、フォックスコン、マグナシュタイヤーとの提携話も出たものの、結局はいずれも実現せず。※画像はアップルカーの特許をベースにした予想レンダリング
その理由はもちろん明らかではないものの、ヒョンデの話だと、「アップルはプロジェクトの主導権を握り、アップルが設計したものをただ単に黙って言うことを聞き、クルマを指示通りに作るだけの相手を求めていた」とのことで、アップルの求める内容が奴隷契約に近いもので、とうてい許容できないものだったとされています。
これが事実かどうかはわからないものの、実際にアップルの話に乗った企業は一社もなく、アップルはやむなく自社にて開発を進め、下請けに製造を行わせることにした、というのが「つい最近まで」の状態。
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「結局、アップルに興味を持つ会社は1社もなかった」。アップルはどこからも見放され、やむなく自社でアップルカーの開発を行うことにしたとの報道
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アップルはランボルギーニの技術者を引き抜く
そしてアップルは「自社でアップルカーを開発するため」自動車業界から多くの人材を引き抜いており、プロジェクト・タイタンと呼ばれるアップルカーの自社による実現に向けて動き出しているわけですが、テスラ、BMW、リビアン、ボルボ、メルセデス・ベンツ、マクラーレン、ポルシェ、アストンマーティン等のエンジニアや重役を獲得し、現在基盤を整えつつ前進しているわけですね。
そこで今回報じられているのが「ランボルギーニのエレクトリック化において、もっとも長くそれに関わり、もっとも上位にいたエンジニアであるルイジ・タラボレッリ氏をチームに引き入れた」。
実際にルイジ・タラボレッリ氏のLinkedinプロフィールには「サンフランシスコ・ベイエリア」つまりアップル本社付近へと拠点を移したことが明記されており、よって移籍はほぼ確実と考えていいのかもしれません。
なお、ルイジ・タラボレッリ氏はランボルギーニにて20年間勤務し、そこでシャシーとビークルダイナミクスの責任者にまで上り詰め、アヴェンタドール、ウラカン、ウルスの開発に携わったほか、アヴェンタドールSV/アヴェンタドールSVJ、ウラカン・ペルフォルマンテを用いてのニュルブルクリンクでの記録挑戦の監督を行い、さらに電動化へ向けてアステリアオンの開発を管理したほか、ヴェネーノ、チェンテナリオ、そして最も新しいものだとウラカン・ステラートの開発を率いたと報じられています。※つまり重要かつ中心的プロジェクトには必ず参加
ちなみにですが、同氏とアップルとの接点は、ウラカンEVOスパイダーの新車発表時(2019年)に取り入れられたAR(拡張現実)コンテンツ作成においてだと言われ、ここでアップルはランボルギーニのためにAR技術を提供することになったわけですが、そこからずっと両者はコンタクトを取り続けていたのかもしれません。
アップルカーはどんなクルマに?
そこで気になるのが「アップルカーがどんなクルマになるのか」。
これについては様々なウワサがありながらもわからない部分が大半で、そもそも個人向けに販売されるのか、企業向けのリースにとどまるのか、それともライドシェアのみで提供されるのかといった問題も。
ただ、いずれの場合であっても高いレベルの自動運転を持つことは間違いなく、これはBMWやフォードから自動運転の専門家を引き抜いたことからでも想像ができますね。
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参照:Bloomberg