ゴードン・マレーはパガーニと異なり「電動化でも楽しいクルマができる」。「最終的にはすべてがEVになるでしょう。それが終着点です」

｜　結局のところ、楽しさを感じさせる要素とは何なのか　｜

”鬼才”ゴードン・マレーはなんらかのアイデアを持っているようだ

さて、V12エンジンを搭載したピュアなハイパースポーツ「T.50」と「T.33」を発表しているゴードン・マレー・オートモーティブ（GMA）。

GMAはマクラーレンF1の設計者であるゴードン・マレーによって設立された会社ですが、ゴードン・マレー・グループを束ねるフィリップ・リー氏によれば「最終的にはすべてのクルマが電気自動車になるでしょう。それが終着点になると思います。その理由は、法律が私たち全員の行き先を決めるからです。そのため我々は、ハイブリッド化、電動化、水素、代替燃料など、さまざまなタイプのパワートレインをの可能性を探るべく、ゴードン・マレー・テクノロジーズ社内で研究開発を進めいるところです」。

そして実際のところ、いくつかの革新的なアイデアを持っており、最良の電動化ソリューションを検討している最中だとも言われます。

ゴードン・マレー・オートモーティブにとって重要なのは「エモーション」

フィリップ・リー氏は続けて「我々は、エンジン形式やパワートレインにかかわらず、常に技術に重点を置いています。"エモーション "を維持したいので、軽さは常にGMAの製品の中核的な特徴であり続けます。我々のブランド、そして我々がやっていることは、人々に私たちのクルマを運転してほしいということです。私たちのブランドとやっていることの理念は、私たちのクルマを実際に運転してもらい、楽しんでもらうということです。ただ博物館やガレージに置いておくだけのモノではありません」とコメント。

なお、ゴードン・マレー・オートモーティブが軽さを重要視するのはよく知られるところで、T.50やT.33に積まれるV12エンジンはわずか80.5kgにとどまり、車体重量にいたってはT.50はマツダ・ロードスターよりも軽い980kg、T.33でも1,100kgという異次元の軽さを誇ります。

これらについてはカーボンモノコックシャシーを使用するものの、ゴードン・マレー・オートモーティブはずっと安価なクルマに使用するための画期的な構造「iストリーム（スチールパイプをカーボンファイバーでサンドイッチする）」を開発しており、これはゴードン・マレーが商用として開発した小型のコミューター「シティカー（385kgしかない）」、そしてTVRグリフィスにも採用されていることもで知られますね（ヤマハが発売しようとしていたスポーツカーにも採用の予定だった）。

ゴードン・マレーはパワーユニットにこだわらない？

そして今回のコメントを見るに、ゴードン・マレーが考える「楽しいクルマ」を構成する要件としてガソリンエンジンはさほど大きくないのかもしれず、一定のパワーを発揮でき、求める軽量性を有していれば「何でもいい」のかもしれません。

実際のところ、GMAはT.50とT.33の後に2つのSUV発売を計画しており、このSUVのうちひとつは（ピュアエレクトリックにもかかわらず）車体重量1,100kg～1,200kgに収まるとされ、これは「非常に重いバッテリーパックを積むEV」としてはまさに驚異的な数字。

現代のバッテリー技技術では、パフォーマンスと軽量性とを両立させることは不可能のように思われますが（実際のところ、多くのスポーツカーメーカーではこれを不可能と捉え、ソリッドステートバッテリーの開発に期待を寄せている）、ゴードン・マレー・オートモーティブではなんらかの解決策を見出した、ということなのでしょうね。

ちなみにですが、パガーニは「EVではドライビングプレジャーを実現できない」とし・・・。

かのケーニグセグも「ピュアエレクトリックカーになると他社との差別化が難しい」とコメントしていますが、ゴードン・マレー・オートモーティブは他社の抱える問題を超越したところにいるのかもしれません。

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参照：Top Gear