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約束しよう。これが発売されたら絶対に買う。シトロエンの珍コンセプトカー、Oli(オールイー)が発表されボクの心を鷲掴みに

2022/10/01

約束しよう。これが発売されたら絶対に買う。シトロエンの珍コンセプトカー、Oli(オールイー)が発表されボクの心を鷲掴みに

| シトロエンはいつもボクの心の琴線に触れるクルマを発表してくる |

ただし今までに一度も買ったことはない

さて、シトロエンが予告通りに新エンブレムを装着した、シトロエンの新時代を示すコンセプトカー「Oli」を発表。

シトロエンの新しいエンブレムが実際の市販車に装着されるのは2023年中盤以降からだとされますが、それに先駆けてこのOli(発音はAll-e=オール・イー)にて一新されたデザイン言語も示すこととなっています。

ホンダ・エレメントやトヨタFJクルーザーが大好きなぼくとしては、「発売されたら絶対買う」というほどこのオールイーに惹かれていますが、シトロエンはこのクルマについて「車輪の上の実験室」と述べているので、あくまでもコンセプトカーにとどまり、実際に発売されることはないのかもしれません(残念だ)。※ぼくはこういった樹脂パーツむき出しのクルマが大好きである

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シトロエンが10回目のエンブレム(ロゴ)変更を発表!1919年の創業時に近いシンプルな形状へ。なお、この「へへ」はダブルヘリカルギアが由来だった
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シトロエン・オールイーはこんなクルマ

まず、このシトロエン・オールイーはピュアエレクトリックカー。

全長4,200ミリと比較的コンパクトであり、かなり思い切ったデザインを持つように思いますが、シトロエンはもっと思い切ったAmi(アミ)やAmiバギーを実際に発売しているので、このオールイーのデザインも今後いずれかのモデルに(切り分けられて)採用される可能性もありそうです。

実際のところ、シトロエンのチーフデザイナー、ピエール・ルクレルク氏は「将来の我々の各モデルには、オールイーのアイデア、デザインディティール、革新的なインテリアが反映されることを期待している。そもそも将来の市販車に影響を与えないようなクールな素材やデザインを提案しても意味がないからね」ともコメントしています。

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ちなみにボディ形状は「ピックアップトラック」。

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クーペのように見える車体後部にはガラスはなく、そこは「荷台」となっています。

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ちなみにボンネットやルーフは「荷台」「人が上に乗る」ことを前提としているようですね。

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なお、(かつてのポルシェ911のように)後ろ向きに走ったほうが空気抵抗が少なそうなボディ形状を持ち、かつEVであれば空気抵抗の増加はクリティカルな問題となるのですが、シトロエンはフロントに「エアロダクト」なるシステムを追加してその問題を解決しているのだそう(マクラーレン・エルバに採用されるAMMSのような装備だと思われる)。

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オールイーのフロントはシトロエンのいかなる現行モデルとも異なっており(そもそも角ばっている時点で全く異なるデザイン言語を持っている)、グリルレス、そして例の楕円形エンブレムを装備。

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このエンブレムは前後ランプなど車体各部に反復されているようですね。

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(バッテリー重量がかさむ)ピュアエレクトリックカーでありながら目標車両重量は1,000kgに設定されており、10kWh/100kmという低消費電力によって一回の満充電あたり走行可能距離は400kmをマークすると見積もられており、40kWhのバッテリーは20%状態から80%までを23分で充電することが可能です(充電はエンブレム部から)。

なお、最高速度を110km/hに制限することでこの高効率を実現してるようですね(エレクトリックモーターのスペックは公表されていない)。

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シトロエン・オールイーはVehicle to Grid (V2G) および Vehicle to Load (V2L) 機能にも対応しており、エネルギーを蓄積してグリッドに売電したり、内蔵されたソケットから家電に給電したりすることも可能です。

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シトロエン・オールイーでは「パーツの共有」が考えられている

ちょっと面白いのは「前後バンパーのデザインが同じ」であること。

これはデザイン上の理由だけではなく、生産効率の向上、そして交換の容易さを考慮したからだとされていますが、シトロエンは「販売されたすべてのオールイーでのパーツ共有を行う」ことを考えたといい、廃車となったオールイーのパーツを他のオールイーに移植することで、生産した車両そしてパーツの寿命を伸ばすことを示したかったのだそう(これが実現できれば、素晴らしいことだと思う)。

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ホイールは3本スポーク、タイヤはグッドイヤー製のイーグルGOコンセプト(ロングライフタイヤ)。

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ヘッドライトは「C」シェイプを持ち・・・。

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テールランプもCシェイプ(さすがにこれは前後で共有することはできないようだ)。

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ボンネットやルーフ、荷台はリサイクル段ボールで作られ、荷台は取り外し可能な構造を持ち、折りたたみ式テールゲートを採用することで全長679mmから1,050mmまで拡張可能。

パネル非装着時の幅は994mm、高さは最大582mmとなり、つまりかなり大きな荷物を収納することができると考えてよく、様々な用途に対応できそうですね。

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シトロエン・オールイーのインテリアはこうなっている

そしてこちらはシトロエン・オールイーのインテリア。

エクステリア同様にインフラレッド(赤外線)と命名された鮮やかなカラーが採用されています。

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ちなみにドアは観音開き(Bピラーはない)。

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シートは4人分が備わり、シート素材は熱可塑性ポリウレタン(TPU)製、背もたれには3Dプリントのメッシュが用いられ、車体には衝撃吸収用のアイソレーションリングを介して取り付けられています。

この素材そして構造によって、通常のクルマよりも大きく軽量化そして簡素化が実現できているようですね。

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ちなみにこのシートバックの素材はスニーカーのアウトソールや、クロックスと同じようなものだと説明されています(となれば、このクルマが異常に軽いことにも納得できる)。

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シトロエンの現行モデルでも同じことがいえますが、オールイーでは極端に部品点数を減らすことで軽量化と低コストを実現しており、しかしそれでも「安っぽく見えない」のはさすがシトロエン(こういったワザを見せてくれるのはシトロエンだけだと考えている。ほかの多くの自動車メーカーは、シンプルに、そしてパーツを減らせば減らすほど安っぽく見える)。

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ダッシュボードは水平基調デザインを持ち、取り外し可能なBluetoothスピーカーが内蔵されていますが、オーリーでは大型タッチスクリーンを備える代わりに、スマートフォン用ドックを備えており、つまりインフォテイメントシステムは「スマホで代用する」という考え方。

なおダッシュボードには5つのトグルスイッチやUSBソケット、簡素なラックが備わるのみ。

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ステアリングホイール右スポークにはジョイスティックが備わり、クルマの(走行以外の)機能はこれですべて操作ができる、とのこと。

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フックも用意されており、これを車内のあちこちに取り付けることで収納を効率化したり、機能を拡張できるものと思われます(フォード・ブロンコにも同様の仕組みが取り入れられている)。

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ちなみにフロア含む車内は丸洗いが可能であり、溜まった水はドレーンプラグから抜くこともできます。

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内装や外装、そしてコンセプト全てにおいて、見れば見るほど、知れば知るほどよくできたクルマで、その軽量性や低コストを実現するための方法、ムダを排除する考え方、ライフサイクルに対する取り組みなどが徹底されているという印象ですが、惜しむらくはこのクルマが(現時点で)市販されることはないであろうということ。

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ただ、おそらくは相当な反響があるものと思われ、かつてカクタスのヒットによって、その後のデザインがすべて「カクタス寄り」となったように、市場のリアクション次第では、これに近いクルマが発売されることになるかもしれませんね。

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