| 大きくてパワフルなクルマが好きな中国でこの「軽量コンパクト」路線は珍しい |
しかもこのコンセプトが内外装、そして構造にまで一貫して用いられる
さて、中国の自動車ブランド「小跑车(小さいスポーツカーの意味)」がSC-01なるニューモデルを発表。
これは2シーターレイアウトを持つピュアエレクトリックカーで、30万元(日本円で600万円くらい)以下を目指し、2023年に正式に発表を行い、2023年第4四半期から納車が開始されると報じられています。
コンセプトとしては「価格からは想像もできないほどのパフォーマンス」「今までは一部のスーパーカーでしか体験できなかったようなドライビングエクスペリエンスを手頃に楽しむことができる」というもので、”国民的スポーツカー”たらんことを標榜しているようですね。
SC-01のボディサイズは比較的コンパクト
このSC-01のボディサイズはかなりコンパクトで、全長4,085ミリ、全幅1,820ミリ、全高1,162ミリ、ホイールベース2,500ミリ、車体重量1,300kgというもの。※中国では、商標が取りやすいという理由もあって、数字とアルファベットにて構成されるネーミングが多く、ときに覚えづらい
エレクトリックモーターは前後に積まれて435馬力を発生し、NEDCでの航続可能距離は500km以上、0-100km/h加速は3.9秒という目標スペックを掲げています。
参考までに、このボディサイズはアウディTTやアルピーヌA110と同じくらいですが、重量についてはアウディTTの1,540kgとアルピーヌA110の1,100との中間くらいで、正直これを実現することは(2モーターを積み、500キロ走れるバッテリーを積むEVとしては)難しいかもしれません。
なお、バッテリーについてはフロアに敷き詰めるのではなく、シート後方に積み上げるチェスト式で、これはロータスが開発中の新型エレクトリックスポーツ(そしておそらくポルシェ718ケイマン/ボクスター後継のエレクトリックモデル)と同じパッケージングだと考えて良さそう。
このバッテリー搭載方法を採用する意図としては「ドライバーの着座位置を下げ、全高を下げる」ことにあり、もちろんこれは前面投影面積を減少させて空気抵抗を減らすためですが、車体の中央に重量物を集めるという意図もあるのだと思われます。※バッテリーは上に積まれるが、重心自体はスケートボード型シャシー採用の場合と同様だとされている
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ちなみにSC-01のリアからはランチア・ストラトスを連想する人が多いかもしれませんね(スター形状ホイールはMATによるニュー・ストラトスっぽい)。
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テールランプの外周はジェット機のタービンのような形状を持ち、ここからエレクトリックユニットを冷却した後の「熱気」が排出されるのかも。
そうだとすると、各部の構造を無駄なく利用していると考えることもでき、望外にいいクルマに仕上がる可能性もありそうです。
SC-01の車体構造は「質量集中と軽量化」に重点
このSC-01の車体構造はスペースフレームがメインとなりますが、強度や剛性を維持したまま軽量化を実現したほか、上述のようにマスを集中させることにも注力がなされているといい、それに加えてサスペンションはなんとプッシュロッドという本格派。
これまでに登場した中国のスーパーカーやハイパーカーというと「大きく、やたらと高出力」なものが多く、よってこのSC-01のように「コンパクトで軽量、そして手頃なパワー」というコンセプトはかなり珍しいかもしれません。
このSC-01に使用される主要パーツはすべて中国産であり、かつ汎用性が持たせられ、よって輸入スポーツカーのように「パーツ供給の心配をしなくていい」ことも中国のオーナーにとってはメリットだとされており、維持やメンテンナンスコスト、そしてそれにかかわる負担も最小限だとされています。
今回、このSC-01のインテリアについて画像は公開されていないものの、軽量化を追求した「極めてミニマル」なものだといい、内外にわたって明確なコンセプトが徹底されたクルマということになりそうですね。
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