| フォックスコンが微妙な女性モデルを起用した意図は計りかねるが |
実車がどれほどの完成度を持つのかには期待したい
さて、iPhoneの製造を行うことで知られる台湾の鴻海(ホンハイ)科技集団(Foxconn / フォックスコン)が新しく発売するエレクトリックEV「モデルB」のティーザー動画を公開。
これは大型セダン「モデルE」に次ぐものであり、見た感じでは「ややコンパクトでスポーティーなSUV」といった印象ですね。
デザインを担当するのはピニンファリーナで、同社はベトナムのヴィンファストほか、侵攻自動車メーカーには現在「ひっぱりだこ」となっています(新興自動車メーカーーの同時多発によってデザインハウスへの需要が高まった)。
参考までにですが、フォックスコンはちょっと前まで「EV向けプラットフォームのサプライヤーに徹し、他社からの生産委託を受けるが、自社ではクルマを発売しない」としていたものの、一転して自社ブランド「FOXTRON(フォックストロン)」を展開する方針を採用しています。
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フォックストロン・モデルBは未来的なディティールが特徴
このフォックストロン・モデルBはかなり未来的なルックスを持っており、フロントには横幅一杯のLEDランプ。
そしてそのランプの下の隙間からエアを取り入れ、ボンネットに向けてエアを流すもよう。
こういった構造はフロントにエンジンを収め、ラジエターを設置する必要があるガソリン車では採用しにくく、EVだからこそ可能になったデザインだとも考えられます。
横から見ると、SUVというよりは「大きなハッチバック」。
ジャガーI-PACEや、ヒョンデ・アイオニック5のような感じですね。
そしてAピラーの付け根が前に移動しているのもEVならではのデザインであり、EVでしか発揮できないメリットを追求したデザインを持つように思われ、それによって”見かけによらない”大きな室内空間を持つに至ったと考えて良いかと思います。
フロントフェンダーにはチャージングポート。
フロントフェンダー後端にはエア抜き用のアウトレット。
ちょっと面白いのはテールランプの下に設けられるグラフィックスペースで、ティーザー動画では矢印、そして人が歩くアニメーションが表示されており、おそらくはOLEDディスプレイが採用されているのだと推測します。
なお、このモデルBの「B」は、動画のタイトルによると「Beauty & Beast(美女と野獣)」。
現時点ではこのモデルBについてバッテリーサイズやエレクトリックモーターの性能、航続距離などのデータは公表されていないものの、10月18日に開催される「ホンハイ・テックデイ2022」にて詳細が発表されることになりそうです。
ちなみにですが、台湾には「ユーロン(裕隆汽車)」という現地自動車メーカーがあり、ちょっと前にはカッコイイ、そして安価なSUVを発売して人気化したのですが、その現象を台湾で見た数カ月後にまた台湾を訪問してみるとそのユーロンのクルマを一切見かけなくなってトヨタやホンダばかりが路上を走っていて、その理由を現地の人に聞いてみると、「ユーロンのクルマは安くて格好良かったが、すぐに壊れたのでみんな売ってしまい誰も乗らなくなった」とのこと。※ユーロンは日産にてR35 GT-Rを開発した水野氏を顧問に迎えていた
こういった例を見ると、自動車業界に新規参入を行うことの難しも痛感させられ、フォックスコンがユーロンの二の舞にならないかどうかはちょっと心配です(ユーロンの場合はガソリン車だったので、フォックスコンとは事情が異なるとは思うが)。
フォックストロン・モデルBのティーザー動画はこちら
フォックスコンはモデルVも発表予定
そしてもうひとつフォックスコンがホンハイ・テックデイ2022発表を予定しているのが「モデルV」。
これは見てのとおりエレクトリックピックアップトラックであり、こちらはピニンファリーナのデザインではなくフォックスコン自身のデザインスタジオによる作品だとされ、そのため「ピニンファリーナシリーズ」とは別のラインナップとなるのかもしれません(ホンハイを表現したと思われる「H」型グラフィックがテールランプに見られる)。
現在電動ピックアップトラックは非常に人気があるセグメントではありますが、このモデルVはフォードF-150よりもやや小さく感じられ、もしかすると「実用的な商用車」というポジションを狙っているのかもしれませんね。