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BYDが「U9トラックエディション」を投入するもよう。3019馬力・350km/h、ロータスやリマック超えの電動ハイパーカー、もう中国の進化が止まらない

BYDが「U9トラックエディション」を投入するもよう。3019馬力・350km/h、ロータスやリマック超えの電動ハイパーカー、もう中国の進化が止まらない

Image:Yangwang


| もはや中国のEVは「手が付けられない」状態に |

各メーカーとも自社のプレゼンスを高めるために「とにかく注目される」スペックを追求

中国工業情報化部(MIIT)が、BYDのプレミアムブランド「ヤンワン(Yangwang / 仰望)」の新型モデルU9 トラックエディションの詳細を公表。

これはCarNewsChinaが報じたもので、同車はピュアEVのスーパースポーツカーとして登録され、4輪それぞれに555kWのモーターを搭載していますが、なんと合計出力は2,220kW(3,019馬力)にも達し、最高速度は350km/hを記録すると記載されています。

これは現行モデル(上の画像)の総出力である960kWを大幅に上回り、ロータスエヴァイヤ(1,972馬力)やリマック ネヴェーラ(1,914馬力)をも簡単に凌駕する数値です。

U9 トラックエディションの外観とエアロパーツ

U9 トラックエディションのデザインは現行型に近く、レッドのボディカラーにグロスブラックのスタイリングパッケージを採用。

カーボンファイバー製ルーフ、大型固定式カーボンリアウイング、可変ブレード付きリアディフューザーを標準装備し、オプションとして、カーボン製フロントスプリッター(標準または強化型)や電動式リアウイングも設定しているようですね。

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Image:CarNewsChina / MIIT

足元は20インチホイール+325/35 R20タイヤを装着し、ボディサイズは全長4,966/4,991mm、全幅2,029mm、全高1,311/1,351mm、ホイールベース2,900mm、車両重量は2,480kg(総重量2,630kg)と記録されています。

U9 トラックエディションのパワートレインとバッテリー

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Image:CarNewsChina / MIIT

このU9 トラックエディションには、現行U9同様、80kWhのリン酸鉄リチウム(LFP)バッテリーが搭載され、(このハイパワーぶりにもかかわらず)CLTCモードで航続距離450kmを実現。

最大500kWのDC急速充電に対応し、30%→80%の充電が約10分で可能だとされています。

サスペンションは前ダブルウィッシュボーン、後マルチリンクに加え、BYDが得意とするDiSus-Xインテリジェントボディコントロールシステムを搭載し、すでに明かされているとおり、三輪走行や車体の同期ジャンプといったデモ走行も可能です。

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Image:CarNewsChina / MIIT

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サーキットでの実績

ヤンワンU9は2024年、最高速度391.94km/hで中国の市販車最速記録を樹立。

さらに、ニュルブルクリンク北コースで7分17秒900を記録しており、今年6月には、同コースおよびドイツのATPテストコースでの新記録挑戦を発表済みです。

そしてこの「挑戦」が従来型のU9で行われるのか、このU9 トラックエディションで行われるのかはわかりませんが、シャオミが市販車ではなく「プロトタイプ」でのアタックを行ったことを考慮するに、ヤンワンは「トラックエディション」にて戦いを挑むのかもしれません。

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Image:CarNewsChina / MIIT

ヤンワン(BYD)が最高速391.94 km/h、ニュルでは7分17.9を記録し、中国車としては「直線、ニュルで最も速いクルマ」に。なお最高速ではEVで歴代2位、ニュルだとEVでは歴代4位を達成【動画】
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Image:Yangwang | 現実的な話、もはや中国車はパフォーマンスにおいても侮れないレベルに達している | 数年内にはニュルブルクリンク、最高速、加速ともに中国車が上位を占めることになるのかも ...

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なお、現在中国のEV史上では「プレイヤー過多」によってそれぞれのメーカー / ブランドのプレゼンスが下がっており、一時は自社の存在を際立たせるべく「値引き」を行っていたものの、現在中国では過剰な値引きが禁止されているといい、よって各メーカーがその存在感をアピールするには「その性能や機能を高める」しかないのかも。

たしかにこれ(価格訴求に走るのではなく、その製品本来の機能や性能を追求し技術の向上と消費者の利便性を図る)はメーカーとして正しいものの、しかし中国の場合は例によってその速度と度合が「並外れており」、もしかすると今後はとんでもないパワーウォーズそしてスペック競争に突入するのかもしれません。※すでに長城汽車からはU9の対抗馬が予告されている

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現時点でU9トラックエディションの市場投入時期や価格は公表されていませんが、現行モデルの価格は168万人民元(約2,310万円)なので、今回のトラックエディションは当然ながらそれ以上の価格となる可能性が指摘されています。

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参照:CarNewsChina / MIIT

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