| 予想落札価格はかなり高めの設定ではあるが、そのぶんの価値はある |
レストアされた911タルガはパワーアップが施された特別仕様
さて、ポルシェは今年はじめに「ポルシェデザイン50周年」を記念し、1972年製911タルガのレストアを行い、ポルシェデザインが当時発売した腕時計「クロノグラフ1」の現代版(復刻)モデルとともにポルシェミュージアムにて展示を行っていますが、今回「その911タルガと特別仕様のポルシェデザイン・クロノグラフ1」とがRMサザビーズ主催のオークションに出品されることになった、と発表。
この出品物は、1972年製911タルガの(平均的な相場の)倍、現行911タルガ4の2倍近い375,000ドルにまで値が上がるだろうと言われており、多くのコレクターが注目するロットとなっているようですね。
-
ポルシェが「ポルシェデザイン設立50周年記念限定モデル」、911エディション50Y ポルシェデザイン発表!当時発売された「クロノグラフ1」をイメージ、価格はGT3よりも高価な2505万円
| あわせてポルシェは限定ウォッチ「クロノグラフ1 - 1972 リミテッドエディション」も発表 ポルシェは「ポルシェデザイン50周年」にかなりの力を入れているようだ ポルシェが911の最新限定モデル ...
続きを見る
このポルシェ911タルガはこうやってレストアされた
今回、この(1972年製)ポルシェ911タルガはポルシェのクラシック部門によってレストアされたもので、完全にベアシャーシ状態にまで戻した後に再構築されています。
しかしながらポルシェとしてはこの特別な911タルガを製作するにあたり、普通のままではつまらないと考えたのか、エンジン、シャシー、ブレーキを911S仕様にアップグレードしており、2.4リッター・ボクサーエンジンの出力は標準の130馬力から190馬力へ。
通常、ポルシェはこういったクラシックモデルをレストアするに際して「当時のままの仕様」に仕上げるのですが、ポルシェ・クラシックのディレクター、ウルリケ・ルッツ氏によれば、今回こういった「ワンオフのカスタム仕様が可能」となったのは、「Sonderwunsch(ソンダーバーシュ)プログラム」があったからだと説明しています。
このソンダーバーシュは、ポルシェのパーソナリゼーションプログラム「エクスクルーシブ・マヌファクトゥア」では対応できない範囲のカスタムを担当すべく誕生していますが、先日公開された「BLACKPINKのジェニーによってカスタムされたタイカン」もこのソンダーバーシュにって製作されたものですね。
-
ポルシェがこれまでの「エクスクルーシブ」を超えるカスタムを実現する「ソンダーバーシュ」をスタート!今までにできなかったようなワンオフモデルの製作も可能に
| ポルシェはこれまでにも数々のカスタムモデルを作ってきた | ポルシェは通常オプションに加え、特別なオプションを車輌に反映させる「エクスクルーシブ・マヌファクトゥア」を持っていますが、今回はさらにエ ...
続きを見る
かくしてこのソンダーバーシュによって「自由裁量」が与えられるようになったのがこのワンオフによる911タルガというわけですが、ボディサイドには「PORSCHE」文字、そしてストライプも。
そのほかダッシュボードに取り付けられた「50 Years of Porsche Design」ロゴ、「Edition 50 Years of Porsche Design」の文字が入ったシルバーのプレートなど独自のデザイン要素も盛り込まれており、その高いエスティメイトを納得させることができるだけの仕様を持っているようですね。
ポルシェデザイン・クロノグラフ1はこんな腕時計
そして今回この911タルガに付属する腕時計が特別仕様の「クロノグラフ1」。
これはポルシェ911をデザインしたフェルディナンド・アレキサンダー・ポルシェが1972年に発表したものです。
ちなみにですが、もともとこの「ポルシェデザインの腕時計」は、ポルシェの永年勤続者に対して贈られていたものですが、「販売して欲しい」という要望が多く出てきたために1972年に市販開始されたもの。
このデザインについてはポルシェ911のメーター同様に「読み取りやすさ」を第一に考えており、そのためにダイヤル(文字盤)はもちろん、ケースやベルトまでもブラックにペイントしているのですが、「ブラックケースを持つ腕時計」はこれが世界初であったとされています。※白いスケール、赤い針というコンビネーションも911のメーターと同じである
-
「黒いケースとベルト」だけではなく「黒い文字盤」の腕時計を考えたのはポルシェが初だった!デザイナーは911を設計したF.A.ポルシェ、その思想は911と全く同じ
| ポルシェデザイン・クロノグラフI、ポルシェ911ともに現代でも色褪せない輝きを発している | クロノグラフIの文字盤は911のメーターと同じ概念が取り入れられる さて、現代でこそ「黒い腕時計、黒い ...
続きを見る
そして今回はワンオフモデルにふさわしく、スペシャルケースに入れられて車体に付属することに。
ちなみに自動巻きムーブメントの巻き上げローターは「フックスホイール」。
あわせて読みたい、ポルシェデザイン関連投稿
-
ポルシェデザインが「自分のポルシェと同じ仕様にできる」、業界初の腕時計コンフィギュレーターをアップデート。「自動車業界で腕時計を自社製造できる」のはポルシェだけ
| ポルシェデザインは腕時計メーカー、エテルナを買収して腕時計製造業に乗り出している | ポルシェは以前から提供していた腕時計コンフィギュレーターをアップデート予定 さて、ポルシェは以前より「業界初」 ...
続きを見る
-
ポルシェデザインより新型腕時計「クロノグラフ911GT3」発表!新型911GT3のヘッドライトやホイールに合わせたシャークブルーのラインも採用され、まさに実車同様の仕上がりに
| 911GT3オーナーであれば心を動かされずにはいられないかも | さて、ここ最近ポルシェの「通例」となっているのが「新型車の発売と同時に登場するポルシェデザインの腕時計」。今回も新型911GT3の ...
続きを見る