| ブガッティ W16ミストラルは99台限定、価格は7億円以上、もちろん完売済み |
今後ブガッティはガソリンエンジンオンリーモデルを作らない
さて、ブガッティがドバイにて「W16ミストラル」のお披露目を行ったと発表。
中東初公開の場となったのは超高級ホテル、ウォルドーフ・アストリアで、その後は現地のブガッティ正規ディーラー、アル・ハブトゥール・モータースに展示される、とアナウンスされています。
なお、このアル・ハブトゥール・モータースは2006年から現地にて正規ディーラーを努めているそうですがヴェイロンの発売が2005年なので、ブガッティが現在の体制となったのち、ずっと中東地域での販売を担ってきたということになりそうです。※2013年には2013年にはブガッティ・サービスパートナー・オブ・エクセレンスとして表彰されている
-
その価格6.9億円!ブガッティ最後のW16エンジン搭載車「W16ミストラル」が発表。過去へのオマージュが散りばめられ、今後100年の使用を想定して製造される
| ブガッティW16ミストラルはもちろんすべて完売済み、納車は2024年から | ヘッドライトの「4本」はクワッドターボや4WDをイメージしている さて、新会社「ブガッティ・リマック」設立後はじめての ...
続きを見る
中東地域はブガッティにおける重要販売拠点
ブガッティの中東・アジア地域ディレクターであるコスタス・プサリス氏によれば「アラビア半島はブガッティの主要販売市場のひとつであり、シロンの全受注台数の約4分の1を占めています。また、アラブ首長国連邦は、ブガッティ・ヴェイロンの保有台数が世界最大であり、50台以上が同国にあります。究極のロードスターであるW16ミストラルをはじめ、中東におけるモルツハイム(ブガッティ)のハイパースポーツカーへの熱意は並大抵ではありません」。
なお、ブガッティは「お金があっても簡単に買うことが出来ない」クルマとして知られ、つまりは購入審査によって資格が問われるわけですが、その基準は「社会的地位」「信用性」が大きな部分を占めると言われ、よって審査にパスするのは自動的に中東の王族ばかりになってしまうのかも。
参考までに、ブガッティ・ヴィジョン・グランツーリスモは「数十億円で」サウジアラビアの王子に売却されたと言われており、とにかく中東はブガッティにとって「最も重要な」地域なのでしょうね。
もう一つ参考までに、ブガッティを「最も売る」のはロンドンの正規ディーラーだと聞いたことがありますが、結局のところロンドンで購入されるブガッティも「中東の人々がロンドンの別宅用に注文する」ケースが多いそうなので、世界的に見るとやはり中東のオーナーが圧倒的なのかもしれません。
ブガッティ・ミストラル W16はこんなクルマ
そこでこのブガッティ・ミストラル W16についてですが、価格は500万ユーロ(現在の為替で7億1600万円)、限定台数は99台(もちろんすべて完売済み)というハイパーカー。
ブガッティはもともとシロン世代では「オープンモデルを作らない予定だった」ものの、ブガッティとリマックとの新会社「ブガッティ・リマック」へと経営権が移るに際してその方針が変更となったと見え、そして「もうガソリンエンジンオンリーのクルマを生産できなくなる」という世の中の動きも後押しする形となり、W16エンジンを搭載するにふさわしい最後のクルマとして「特別な」仕様を与えられています。
デザイン的にはシロンと異なる外観が与えられ、ミストラル独自のボディパネルを持つに至っていますが、スピードスター風のフロントスクリーン、そしてヴェイロン時代のオープントップモデルを思わせるシート後方の造形を持つなど、シロン世代のほかのブガッティとはかなり雰囲気が異なるクルマと言ってよく、今後コレクターズアイテムとしての価値を大きく上げるのは間違いないものと思われます。
オフィシャルフォトに使用されている車両、そして今回ドバイにて公開された車両には「イエロー」がアクセントカラーとして使用されていますが、これはブガッティ創業者であるエットーレ・ブガッティが好んだ色だから。
-
ブガッティ創業者は「ブルー」ではなく「イエローとブラック」のクルマに好んで乗っていた!イエローはブルーの次にブガッティにとって重要な色だった
| ブガッティのイエローにそんな逸話があったとは全く知らなかった | ブガッティで「イエロー」を選ぶ人は真のブガッティ愛好家かのかもしれない さて、ブガッティのボディカラーといえば「ブルー」を真っ先に ...
続きを見る
さらにシフトノブには「立ち上がった象」が琥珀色の樹脂に埋め込まれていますが、この象はエットーレ・ブガッティの弟、レンブラント・ブガッティが(もちろん生前に)デザインしたもの。
-
ブガッティW16ミストラルのシフトレバーには「ジュラシック・パーク」よろしく、踊る象が琥珀の中に閉じ込められていた
| 踊る象があまりにリアルすぎてちょっと怖い気も | ブガッティはこれで一つの時代を終え、同時に新しい時代を迎える さて、ブガッティは先日「W16エンジンを搭載する最後のモデル」としてW16ミストラル ...
続きを見る
こういった感じで「特別中の特別なクルマ」でもあり、コレクターは自身のガレージから乗り出すことはないとも思われ、しかし中東のブガッティ愛好家はけっこう「普通に乗ってイベントなどに参加する」ことも多く、意外やYoutube上でこのクルマを見かける機会も出てくるのかもしれませんね。
合わせて読みたい、ブガッティ関連投稿
-
ブガッティがW16ミストラルの秘密に迫る。「どうやって我々はオープンカーで420km/hを実現したのか。エンジニアリングとエアロダイナミクスを高度に融合させたからだ」
| ブガッティが求める性能を実現するためには驚くべき高水準のエンジニアリング、そしてデザインが用いられていた | そしてブガッティであるからには、まずエレガントでなくてはならない ブガッティはガソリン ...
続きを見る
-
ブガッティが「ブルー」について語るコンテンツを公開!このブルーはどうやって始まり、どう変化し、そしてどこへ向かうのか
| ブガッティのブルーは時代とともに変化し、これからも変化してゆく | たしかにシロン初期の水色は最新のブガッティではあまり用いられていない さて、ブガッティというと「ブルー」というイメージがあります ...
続きを見る
-
ブガッティが「400台目のシロン」を生産したと発表!シロンは100台の製造を残すのみ、あとはW16ミストラル、ボリードの製造完了をもってW16は消滅
| 400台目のシロンはあまりに美しいグリーンのクリアカーボンボディを持っていた | 組み合わせられる内装も外装同様に「グリーンとブラック」 さて、ブガッティが「500台の限定生産のうち、400台目の ...
続きを見る
参照:Bugatti