| 「ベルリネッタ」とはフェラーリが最初に使用した名称ではないが、今やベルリネッタ=フェラーリでもある |
一部例外を除く「ベルリネッタ」単体、もしくは「GTB」として使用されることが多い
さて、フェラーリはこれまでいくつかのモデルに「ベルリネッタ(Berlinetta)」なる名称を用いていますが、今回公式にそのルーツ、そして「各ベルリネッタ」を紹介するコンテンツを公開。
なお、ベルリネッタというのは1930年代のイタリアにて用いられるようになった呼称だそうですが、大まかな定義としては「自宅から、自身で運転してサーキットへと行き、そこでレースをし、その後また自走して帰って来れるようなクルマ」。
さらには2シーターもしくは2+2レイアウトを持つ2ドアクーペで、強力なエンジンを積むものであるという認識もあったそうですが、フェラーリの場合は1956年にエンツォ・フェラーリが「250GT ベルリネッタ」にその名を採用したのがその起源なのだそう。
やがて「ベルリネッタ」はフェラーリ特有の名称に
上述のとおり、ベルリネッタというのは一つの車種を指す名称であり、特定の自動車メーカーが用いていた呼称ではないものの、フェラーリ250GTベルリネッタがあまりにも印象的であったためか、やがてベルリネッタは「フェラーリのクーペ」を指すようになったといいます。
なお、この250GTベルリネッタはツール・ド・フランス(TdF)で1956年から4年連続で優勝し、そこでレースのオーガナイザーから「TdF」の名称を使用する許可が降りることになり、後に別名「250TdF」と呼ばれるように(公式な名称ではない)。
その後1962年には「二台目の」ベルリネッタの名を持つモデル、フェラーリ250GTベルリネッタ・ルッソが登場し、これは発表されるやいなや「世界で最も美しいクルマ」として認知されるようになり、多くの著名人に愛されることになります。
1964年にはフェラーリ275GTBが登場し、こちらは「ベルリネッタ」の呼称が「GTB(グラン・ツーリスモ・ベルリネッタ)」の中へと格納され、現在の296GTBにまで続く伝統の先駆けに。
一部、この命名法則には例外も
ただ、この命名法則にはいくつかの例外があり、そのひとつは1971年に発表された「365GT4 BB」。
このBBは「ベルリネッタ・ボクサー」を表していますが、搭載されるエンジンはボクサー(水平対向)ではなく180度V12であるのはよく知られているところですね(ロードカーとして、史上はじめて時速300キロを突破したクルマでもある)。
さらには1989年の348TBも例外の一つで、「T」とは横置きギアボックス、もちろん「B」はベルリネッタを意味します。
1994年の355ベルリネッタは再び車名に「ベルリネッタ」が単体で採用された例となっています。
そして2012年にはF12ベルリネッタが登場し、こちらは「久々のV12ベルリネッタ」。
そして現在における最新のベルリネッタはもちろん296GTBであり、ここからしばらくはこの呼称が存在し続けることになるものと思われます。
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参照:Ferrari