| フェラーリに「ポリッシュ」ホイールを装着する例は近代ではあまり見られない |
さらに内装の「グリーンレザー」もかなり珍しい
さて、フェラーリが自社のFacebook上にて、1962年のフェラーリ250GTBベルリネッタ・ルッソにインスパイアされたという仕様を持つ812GTSを公開。
もちろん自社のパーソナリゼーション部門であるテーラーメイドにて仕上げられたもので、ボディカラーはセレステ・キアーロ、インテリアはダークグリーンのプレミアムレザー。
さらにホイールはポリッシュという、一見地味に見えつつも細部に至るまでこだわりぬいたカスタムが施されています。
このフェラーリ812GTSは「分かる人にしかわからない」カスタム
一見するとこのフェラーリ812GTSは「通常の仕様とどう違うのか」すらわかならないシックな仕様を持っていて、しかしありとあらゆる部分にオーナーの美意識が反映されているという一台。
ちなみにボディカラーは上述のとおりセレステ・キアロですが、このキアロ(chiaro)は「輝く」という意味のイタリア語で、1960−1970年代のフェラーリのボディカラーに多く見られます(オロ・キアロや、ヴェルデ・キアロ・メタリッツァートなど。明るい色を指していたのだと思われる)。
インテリアはグリーンのカーペットにグリーンレザー、ステッチもグリーン。
シルバーのパーツも「薄いグリーン」のようには見えますが、これは単に内装カラーが反射しているのだと思われます。
使用されるのはレザーの質感がそのまま表現されているプレミアムレザー、そしてグリーンのアルカンターラという組み合わせ。
これらも外装同様に「通常の仕様との差異」がわかりにくいものの、その質の差にこだわった仕様ということになり、オーナー、そしてこの違いが分かる人にしか理解ができない「ツウ好みの」カスタムということになりそうですね。※フェラーリ812系はV12フロントエンジンということでフェラーリ旧来のファンが購入することが多いのか、そのカスタムモチーフも過去のフェラーリに求めることが多いように思われる
フェラーリ250GTベルリネッタルッソはこんなクルマ
今回公開されたフェラーリ812GTSのオマージュ元となった250GTベルリネッタルッソは1962年に発売されており、これはロードカーとしての250GT”最終”モデル。
デザインはもちろんピニンファリーナ、ボディの生産は(一部の例外を除いて)スカリエッティが行い、搭載されるエンジンはV12(ジョッキアーノ・コロンボの設計による168U)、排気量は3リッター、出力は240馬力。
この250ベルリネッタルッソは、快適性を損なわず、スポーティーさと実用性とを両立させたスタイルが人気を博していますが、より「特別さ」を求める顧客のため、250GTO風の外観を持つ「GTO」が1台製作されており、そのほかピニンファリーナ創業者、バティスタ・ピニンファリーナが自分専用にカスタムした(やはり250GTO風の)個体も存在しており、1964年に生産を終了するまでにいくつかの「イレギュラー」モデルが作られています。
このフェラーリ250GTベルリネッタルッソは「ロードカー」なのでフェラーリ公式としてはモータースポーツに参戦しなかったものの、その顧客が自身のチームを率いて戦った例があり、タルガ・フローリオ(13位で完走)、ツール・ド・フランス(やはり13位)での実績があるようですね。
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