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フェラーリはいったいどうやって車両のデザインと製造を行っているのか?SF90ストラダーレが「誕生するまで」を紹介する動画が公開

2023/06/21

フェラーリはいったいどうやって車両のデザインと製造を行っているのか?SF90ストラダーレが「誕生するまで」を紹介する動画が公開

| フェラーリはうまく「自動化」と「職人技」とを使い分けている |

そしてV12エンジン搭載モデルは製造工程にいたるまでが特別だった

さて、かつては「フェラーリのデザイン」というとピニンファリーナが一手に引き受けていたものの、現在フェラーリはピニンファリーナとの関係性を解消し、自社のデザインハウス「チェントロ・スティーレ」にてその車両デザインを行っています。

そこで今回Youtube上に公開されたのが「フェラーリはどうやってその車体をデザインしているのか」という動画であり、ここでその内容を見てみましょう。

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フェラーリはこうやって車体のデザインを行っている

今回例として取り上げられているのはSF90ストラダーレで、まずはコンセプトスケッチが製作され、そのスケッチをもとに3D CADにてデザインが起こされることになりますが、SF90のデザイン過程で重要視されたのはエアロダイナミクス、より低いプロフィール(たしかにそれまでのフェラーリに比較して全高が低い)、ワイドなスタンス、車体に統合したエアインテーク、そして強力なダウンフォースを発生するディフューザー。

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その後にはクレイモデルも製作されることになり、こちらは(3D CADデータをインプットした)CNC、そして手作業とのミックスとなるもよう。

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なお、クレイモデルに使用されるパーツはリキッド・フォトポリマーなる素材を用いて3Dプリントされたもので、この素材を使用する理由は「より正確にディティールを再現できるから」。

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そしてこのクレイモデルや3Dプリントされたパーツは3Dスキャンが行われ、3D CADデータを完璧にするためのリバースエンジニアリングにも活用されるもよう。

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さらにはほかの自動車メーカーも積極的に採用している「VR技術」も活用され、様々なツールを導入してそのデザインが行われている様子が紹介されています。

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現在フェラーリのデザイン部門を指揮するのはフラビオ・マンツォーニ氏ですが、過去にはフェラーリ公式として、同氏がSF90スパイダーのデザインについて語る動画も公開されていますね。

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動画ではフェラーリSF90ストラダーレ「生産」の様子も

なお、この動画では実際にフェラーリSF90ストラダーレが生産される様子も紹介されていて、動画によると「V6やV8モデルの車体はオートメーション化された生産ライン(KUKA製のロボットが担当する)によって製造されるが、V12モデルでは一切オートメーション化を行っていない」とのこと。

フェラーリ創業者であるエンツォ・フェラーリは「V12搭載モデル以外はフェラーリと呼ばない」と発言しょており、現代においてもV12モデルと「それ以外」の間には大きな、そして見えざる壁があるということですね。

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そのほか、製造工程では高いレベルでの品質チェックを行い、特殊な設備を利用してパネルのギャップ等のチェックを行うことについても触れています。

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ボディが完成した後はペイント工程へと移り、基本的にはこれもロボットが行うものの、ロボットでは塗装できない「裏面」などは人の手で行い、「自動化と職人技」とのバランスを上手く取っていることもわかります。

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こちらは200万円以上のコストがかかる「リバリー」の塗装を行う様子であり、こうやって動画にて複雑な工程を見ると、オプション価格が高額な理由にも納得できようというものですね。

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さらには組み立てにおいてもロボットと人との協業が紹介されており、フェラーリではすべての工程において「ロボットができる範囲」「人が行わなくてはならない範囲」を自社の基準にて判断し、効率的に運用しているように思えます。

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加えて内装の生産工程の一部も見ることが可能。

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フェラーリのデザイン過程、そして製造工程を紹介する動画はこちら

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参照:FRAME

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