| ポルシェ911レストモッドの人気加熱はとどまるところを知らない |
ただしレストモッドはその工程上「非常に高価」となり、誰もが手を出せる価格ではないのはちょっと残念
さて、シンガー・ヴィークル・デザインが火をつけた「ポルシェ911のレストモッド」ですが、同社はその仕上げに”こだわる”あまり製造に時間がかかること、そして多額のコストがかかることから購入できる顧客が制限されており、よって「シンガーにかわる選択肢」が多数登場しているのが現在の状況です。
現在ではエモリー・モータースポーツ、Kaege、DPモータースポーツ、ギャルピンオートスポーツ、テオン・デザインなど(新興・老舗にかかわらず)様々なチューナーやショップ、ファクトリーがポルシェのレストモッドを提供していますが、今回は「レトロデザイン」なるショップからレーシングカーモチーフのポルシェ911レストモッドが登場しています。
レトロデザインによるポルシェ911レストモッド「911 RSR IROC」はこんなクルマ
そこで今回リリースされたポルシェ911のレストモッドを見てみると、これは1970年代のインターナショナル・レース・オブ・チャンピオンズ(IROC)にインスピレーションを求めた仕様を持っており、再現を目指したのは1974年型のポルシェ911 RSR IROC。
これは当時、リバーサイド・インターナショナル・レースウェイで開催されたレースにて、ジョージ・フォルマーがドライブした車両をイメージしているといい、ボビー・アンサー、エマーソン・フィッティパルディ、A.J.フォイト、マーク・ドノヒューといった名ドライバーとの接戦を制して優勝を決めた際のカラーリングだと紹介されています。
参考までに、エマーソン・フィッティパルディがレースを戦った個体が中古市場に登場したことがあり、その際の価格はなんと衝撃の2億3000万円。
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話を今回のポルシェ911RSR レストモッドに戻すと、これは「完全なる」当時のレプリカではなく、オーナーの希望によって現代風のアレンジがなされているほか、ル・マンをはじめ、チャンプカー、NASCAR、インディ500、F1、カンナムなどで活躍したジョージ・フォルマーへの”総合的な”オマージュとなっているようですね。
なお、ボディカラーは「バハマ・ブルー」、そしてホワイトにて「PORSCHE」文字やレースナンバー。
搭載されるエンジンは当時よりも遥かに強力な3リッター・フラットシックス・ツインターボ(304馬力)、専用の915トランスミッションを介して後輪を駆動します。
もちろん足回りも固められ、専用に調整されたビルシュタイン製のショックアブソーバーが組み込まれ、レトロデザインによれば「当時の最高のドライバーが操縦していたレーシングカーよりもスムーズで安定した乗り味」を持つのだそう。
そのほか、ストラットタワーバー、調整式スタビライザーバー、リアストラットバー補強ブレース等も装着しており、フックススタイルのエクストリームコンタクト・スポーツホイール、930ターボから移植したブレーキキット、専用に設計・製造されたエキゾーストシステムが与えられる、と紹介されています。
ポルシェ911 RSR IROCレストモッドのインテリアはこうなっている
インテリアに目を移すと、バケットシートとモモ製ステアリングホイールが「いかにもレトロなレーシングカー」といったところですが、ヒーター付きフロントガラス、エアコン(クーラーのみ)、ロールバーといった装備も。
なお、ステリングホイールのスポークやペダル、フットレストはブラックで仕上げられ、これらがいっそうスパルタンな雰囲気を醸し出しているかのようですね。
今回、レトロデザインは、このポルシェ911RSRレストモッドを発表するにあたり、以下のように述べています。※コメントから判断するに、公道走行もできるようだ
1974年型RSR IROCエディションは、私たちのチームに興味深い一連の課題を提示しました。私たちは、このクルマの壮大なレースの系譜に忠実でありながら、今日の走行条件に適合し、ドライバーとパッセンジャーがサーキットを走れるだけではなく、長距離のドライブをするのに十分快適なものにしたかったのです。
レトロデザイン1974ポルシェ911 RSR IROCの価格は250,000ドルからに設定されており、けして安価な買い物ではありませんが、いまやレストモッド自体がひとつのブームでもあり、この価格についても「特段高価ではない」のがちょっと恐ろしいところでもありますね。
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参照:CARSCOOPS