| いつどこで燃えるかがわからないのはちょっと怖い |
もちろん「燃える」EVは生産された台数のごく一部であることは理解しているが
さて、先日オランダ沖にて火災に見舞われた輸送船「フリーマントル・ハイウェー」ですが、なんとか沈没させることなく無事ドックに入港させることができ、現在は被害状況を確認しつつもさらなる火災を防ぐために作業が行われている最中だと報じられています。
そこで今回公開されたのがドックにて荷下ろしを行う様子であり、動画を見るとなんとまだバッテリーが熱を持っていて、場合によっては再発火の可能性があることを示しています。
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やはりEVの消火は難しい?
なお、このフリーマントル・ハイウェー号での火災が報じられたのは7月27日ですが、現時点でもまだ発火の可能性があるということを考慮するに、その前のフェリシティ・エース号の例において「完全に鎮火させることが難しく、沈没させるしかない」として意図的に船が沈められたことにも納得です。
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そして動画ではこんな感じで搬出されたメルセデス・ベンツEQEおよびEQSが並べられています。
なお、当初このフリーマントル・ハイウェー号には「25台しかEVが積まれていない」とされていたものの、実際には498台のEVが積載されていたことも判明していますね。
現時点において火災の原因が公式に特定されているわけではないものの、調査隊によれば「EVが火災の原因、でなくても炎上を加速させた要員である可能性が高い」とされています。
この事故では、1人の乗組員が命を落とし、ポルシェ911/タイカン、ミニ・クロスオーバー、BMWやメルセデス・ベンツの各モデルなど、数百台の車両が鉄の塊と灰になったており、船体も大きな損傷を負ったと報じられ、そして今でも問題が片付いたわけではないということがわかります。
なお、下層に積まれていたおよそ1,000台(全部で4,700台程度積まれていたようだ)はほぼ無事ですが・・・。
それよりも上の層に積まれていたクルマは何らかの形で炎の影響を受けています。
そしてこれは焼け焦げたメルセデス・ベンツEQEを搬出する様子。
慎重に吊り上げ・・・。
水を張ったコンテナの中へ・・・。
ドボン。
そして驚くのはそこから水蒸気が上がっていることで、つまりはまだこのメルセデス・ベンツEQEはそうとうに熱を持っているということに。
そのあとはシートを被せてしばらく様子を見るようですが、こういった作業を(積載しているEVに対して)行うのはひどく時間がかかるものと思われ、事後処理についても相当な手間がかかっていることがわかるかと思います。
こういった状況を見るに、「無事に見える」EVに対してもなんらかの検査を行わないわけにはゆかないものと思われ、本件が片付くまでにはまだまだ日にちを要しそう。
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今回の火災を受け、いくつかの船舶会社は「今後EVを輸送しない」という方針を打ち出していますが、これに続く例も出るものと思われ、自動車メーカーにとっては「積荷(クルマ)が安全である」ということを客観的に示すことができる方法を考えるなど、新たな対策を講じる必要に迫られているという状況なのかもしれません。
フリーマントル・ハイウェー号から車両をおろしてゆく動画はこちら
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参照:Eemskrant