| フォルクスワーゲンはそこまでしないと「もう中国のライバルに勝てない」ところにまで来ている |
もちろんこれはフォルクスワーゲンだけにあてはまることではなく、他の自動車メーカーにとっても「今、そこに迫っている機器」である
さて、ここ最近様々な方針転換が報じられるフォルクスワーゲン。
もちろんその方針転換とはEVに関するもので、大きなものだと「MEBプラットフォームを廃止してSSPプラットフォームへと切り替え」「ゴルフ、ティグアンなどガソリン時代のビッグネームをEV時代にも継続させる」というものも。
つまり、これまでの「ID.」シリーズ一辺倒としていた計画から一転して「ガソリン車の歴史を重視した」展開へと移ってゆく」こととなり、同じグループのアウディやポルシェとも足並みを揃えつつ展開を行うということになりそうです。
それもこれもフォルクスワーゲンの「存続の危機」を回避するため
なお、こういった展開の変更を行う理由は「自動車市場の動向に合わせたもの」というよりは「フォルクスワーゲンのお家事情」。
つまりフォルクスワーゲンでは現在大きな危機に直面しており、つまり「EVの販売が思うように進んでいない」という状況があるとされ、その理由は”コスト高”。
予想外に力をつけてきた中国の自動車メーカーに対して価格競争力を発揮できていないことが主な理由であり、それを解消するためにほかブランドとのプラットフォーム共有を行ったり、さらにはガソリン時代のビッグネームに頼ることで販売を少しでも有利に進めようとしているのだと言われます。
フォルクスワーゲンはEVの開発期間を短縮
そして今回報じられているのが「開発コストを圧縮するために、新車の開発期間を54カ月から36カ月に短縮するというもの。
3月中旬にほぼ量産仕様のコンセプトモデルとして予告された「ID.2」は、VWがこの新しい”36ヶ月サイクル”で開発する3車種のうち最初のモデルだといい、最初のスケッチが完成してからわずか3年後の2025年末までに市場に投入される予定だと報じられています。
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VWの技術部門を率いるカイ・グルニッツ氏によると、この開発サイクルの短縮のためには多くの作業が必要だとされ、そのためにフォルクスワーゲンは新しいシミュレーション・ツールを構築し、シミュレーション作業における特定のオンロード検証を削除し、2~3回行っている冬季寒冷地テストを1回だけに減らす必要があるのだそう。
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「中国の競合他社を見れば、それが可能であることがわかります。私たちには具体的なアイデアがあります。リスクは、開発プロセスを開始したときにどこに行き着くかわからないことですが。ドイツでは、特にフォルクスワーゲンでは、何を望むかについて明確な線引きがあり、リスクを抱えたまま開発プロセスに入りたくはないのです」
ただしカイ・グルニッツ氏は、中国の競合ブランドは、その短い開発サイクルの中で問題が発生したときに解決策を見つける方法を確立していると付け加え、フォルクスワーゲンとしてもそうする必要があると述べており、さらにはサプライヤーの技術やアイデアを統合することを目的に「よりサプライヤー緊密に協力している」ことについても言及しています。
なお、フォルクスワーゲンがテストを減らした結果については現時点で予測ができない状態で、実際には「問題はない」のかもしれず、もしかしたらフォルクスワーゲンが「必要以上のことを今までやっていた」と判明する可能性もありますし、あるいはテストを省略したツケが何年か先に回ってくるのかもしれません。
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参照:Autocar