| たしかに魅力的なクルマではあるが、そうとうにお金に余裕がないと手を出せない類のクルマである |
な、インテリア随所にはラリックのクリスタルがはめ込まれる
さて、元フェラーリ副社長、ロータスCEOを歴任したダニ・バハー氏が立ち上げたコーチビルトカンパニー「アレスデザイン」。
これまでにもポルシェ911タルガをGT3風にカスタムしたりデ・トマソ・パンテーラ風の「プロジェクト・パンサー」を実現させたり、コルベットをベースにしたスーパーカー「S1」をリリースしていますが、今回はE85世代のBMW Z4をベースにしたWAMI ラリック・スパイダーを公開しています。
このWAMI ラリック・スパイダー1950年代から60年代のロードスター、具体的にはフェラーリ250GTカリフォルニアとマセラティA6GCSフルアをミックスしたようなスタイルを持っており、同類としてはスペインのウルタン(HURTAN)からマツダ・ロードスターをベースとしたレトロなクラシックオープン「グランド・アルバイシン」が発表されていて、こういった「近代的な性能を持つ、クラシカルなロードスター」というのはけっこう需要があるのかもしれませんね。
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アレスデザイン WAMI ラリック・スパイダーはこんなクルマ
そこでこのアレスデザイン WAMI ラリック・スパイダーを見てみると、搭載されるエンジンは3リッターM54 直列6気筒(231馬力)。
さらにトランスミッションには6速オートマチックが選択されていて、つまりこのWAMI ラリック・スパイダーはS1とは異なり「スーパーカー」ではなく、オープンエアを楽しむための「クルーザー」ということになりそうです。
ボディパネルはハンドメイドのカーボンファイバー製だと紹介されており、エキゾーストパイプ、バンパー、ワイヤーホイール、ドアミラー、グリル、バンパレット等にはクロームが多用され、この優雅なボディスタイルを実現するために全長は40センチほど延長されています。
なお、ボディカラーはアマルフィ・レッド、メディテラニアン・ブルー、クリーミー・ホワイト含む4色が「標準」として用意され、おそらくは(金額次第ということになりそうですが)カスタムカラーの調合にも対応してくれるものと思われます。
フロントはちょっとマセラティ的で・・・。
サイドギルは「かなり」フェラーリ250GTカリフォルニア的。
ヘッドライトはプロジェクター、そのほか灯火類はLEDへと改められているようですね。
テールはけっこうオリジナリティあふれるデザインを持つように思います。
なお、Z4は現在様々なカスタムカー、コンプリートカー、果てはレプリカベースとしても人気がありますが、その理由としては「販売台数が多いだけにベース車両を入手しやすく、かつ汎用性が高いため」だと思われます(BMWなので改造のノウハウも市場にたくさん出ている)。
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アレスデザイン WAMI ラリック・スパイダーはこんなインテリアを持っている
そしてこちらはWAMI ラリック・スパイダーのインテリア。
エクステリアに比較すると、スイッチ類のレイアウトから「Z4の面影」を感じ取ることができますが、全体的にはエレガントな「イタリア風味」がプラスされているようにも。
メーター、エアコン吹き出し口など多くにアレスデザインならではのエッセンスが盛り込まれ・・・。
オートマチック・トランスミッションを採用するものの、シフトゲートは「Hパターン」。※プロジェクト・パンサーにおいても、ベースはデュアルクラッチ・トランスミッションを採用するランボルギーニ・ウラカンではあったが、やはりHパターンを採用していた
そしてこのモデル名の由来となるのがラリックによる特注クリスタル。
アレス・デザインはラリックへとクリスタルを発注し、ヘッドレストの後方やダッシュボード、ステアリングホイールなどに13個のクリスタルを埋め込んでいますが、このクリスタルは専用デザインを持ち、1,400度もの高熱にて焼成されているのだそう。
そのほか、WAMI ラリック・スパイダーの(内装における)特徴として、イングリッシュオーク、イタリアンレザー、カーボンファイバーといった素材の使用、最新世代のインフォテイメントシステムを搭載し、Apple CarPlayとAndroid Autoに゙対応していることについても言及されています。
アレス・デザインのワリード・アル・ガファリ会長によれば、「私は幼い頃、『ラ・ドルチェ・ヴィータ』として誰もが知っているあの屈託のない素晴らしい時代、1950年代と1960年代の映画スターが運転するクルマに魅了されました」とコメントしており、やはりこのWAMI ラリック・スパイダーはスパルタンなスポーツカーではなく、退廃的な日常を楽しむためのプロムナードカーであることもわかりますね。
なお、アレス・モデナがWAMI ラリック・スパイダーを製造するのは12台のみで、現時点では価格につき公表されていないものの、これまでのアレス・デザインの例からすると「相当な価格(常人が購入しようとは思わないような価格)」だと思われます。
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参照:Ares Design