| 新型ヴァンテージはおそらくDB12と完全に性格を分けたピュアスポーツとなる可能性が高い |
新生アストンマーティンのコアバリューのひとつ、「F1」を前面に押し出す可能性も
さて、アストンマーティンが次世代ヴァンテージのティーザーキャンペーンを開始。
アストンマーティンは昨年5月に「計画の第二段階に入った」「今後24ヶ月で8つの新型車を発表」「フロントエンジン(スポーツカー)は総入れ替え」とコメントしていますが、すでにDB12(クーペとヴォランテ)を発表しています。
そしてこの次にリニューアルされるのはヴァンテージということになり、アストンマーティンは「2月12日に」この発表を行う、と予告しているわけですね。
新型アストンマーティン・ヴァンテージはどんなスポーツカーに?
ただ、この新型ヴァンテージについてはほとんど情報がなく、過去に何度かニュルブルクリンクを周回する姿が目撃された程度。
雰囲気的には先代ヴァンテージっぽいルックスを持つようにも見え、おそらくは現行の経営体制の方向性を示すため、(前経営体制下で発表された)現在のヴァンテージから大きく印象を変えてくることも考えられます。
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なお、前経営体制下でのアストンマーティンはフェラーリやランボルギーニ、マクラーレンをターゲットとした計画を推進していたものの、現在のローレンス・ストロール体制下ではそれまでの路線を撤回し、アストンマーティンしか持ち得ない資産を活用して独自路線を採用することに。
その進路線の核となるのは「超高級」「F1」だとされていますが、「超高級」を体現したのがDB12であり、これは”スーパーツアラー”なる独自のカテゴリを創出することを目的に開発がなされています。
つまりアストンマーティンはDB12において、フェラーリやランボルギーニ、マクラーレンのミドシップスーパーカーと競い合うことをやめ、むしろそれらが持たない「超」高級路線を追求することで自社ならではの強みを昇華させ、天上天下唯我独尊、唯一無二のブランドとなるべき手法を模索したということになり、こういった(他社の後追いではない)差別化戦略は実業家であるローレンス・ストロール氏ならではだと考えていいかもしれません。
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新型アストンマーティン・ヴァンテージは「ピュアスポーツ」に?
かくしてアストンマーティンは他社と競争することをやめ、自社ブランドを高めることのみに集中したポートフォリオを組むことになりますが、ヴァンテージにおいてもDB12と同じ「超高級」路線を採用していてはお互いが食い合うことになり、となると新型ヴァンテージにて考えられる路線は「F1」。
実際のところ、現行ヴァンテージは24年ぶりに「メルセデス・ベンツ以外の」F1ペースカー(セーフティカー)に採用されており、これによって大きく販売が伸びたとされるので、これを活用しない手はなく、そしてこの「F1」はアストンマーティンのコアバリューとも合致します。
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今回公開されたティーザー動画では、クルマとドライバーとのつながりを示す内容となっていて、その最後に示されるのは「ENGENEERED FOR REALDRIVERS」という文字。
つまり新型ヴァンテージは「超高級ツアラー」ではなく、F1のイメージを取り入れ、DB12とは大きく性格を異にする「ピュアスポーツ」となる可能性が高いと考えていいのかもしれません。
Engineered for real drivers.
— Aston Martin (@astonmartin) January 15, 2024
12.02.24
Sit down, listen up. #AstonMartin #DrivingAtTheLimit | @alo_oficial pic.twitter.com/Lfmvm1XvOD
ウワサレベルではフロント周りが再設計され、かつリア周りも変更を受け、もちろんインフォテイメントシステムもDB12同様に「自家製」になる、と見られています。
搭載されるエンジンは引き続きメルセデスAMG製の4リッターV8、しかし600馬力を超えるという話もあるようですね。
Firing thrill directly into your senses. Vantage.#AstonMartin #Vantage #THRILLDRIVEN
— Aston Martin (@astonmartin) January 13, 2024
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参照 / Photo:Astonmartin(X)