| この数年でアメリカンブランドは大きく品質を向上させ、一方でジャーマンブランドの品質は大きく改善しないまま |
韓国ブランドの品質は調査のたびに大きく上下
さて、JDパワーが「2024年 米国車両信頼性調査」結果を発表。
これによるとレクサスとトヨタは再びアメリカで最も信頼できるブランドとなりその栄光を取り戻すこととなっています。
この調査は「100台あたり何件のトラブルがあったか」という数値をもって判断したもので、2年連続にて(ジェネシスを退けて)プレミアムセグメントのトップとなったレクサスのトラブルは「135件」。※台数以上のトラブル件数があるのは1台あたり複数のトラブルが生じているためである
トヨタはキアからトップを奪取
そしてレクサスがプレミアムセグメントのトップを獲得したのと同様、トヨタはキアを破って普及価格帯の自動車メーカーの中ではトップ(100台中の問題発生は144件)に輝いており、これはプレミアムカーメーカーを含めたとしても2位という好成績です。
加えてトヨタ、そしてレクサスは「プレミアムコンパクトSUV」「ミッドサイズSUV」「コンパクトSUV」「スモールプレミアムSUV」「ラージSUV」「スモールSUV」「ミッドサイズ プレミアムSUV」「アッパーミッドサイズSUV」「コンパクトカー」「コンパクトプレミアムカー」「ミッドサイズカー」「ミッドサイズ プレミアムカー」「プレミアムスポーティーカー」といったセグメントにおいて9つのトップランカーを送り出しており、それらはレクサス IS、レクサスES、レクサスNX、レクサスRX 、トヨタ4ランナー、トヨタ・カムリ、トヨタ・カローラ、トヨタ・タコマ、トヨタ・タンドラといった面々。
なお、興味深いことに全車種含めて「もっとも信頼性が高い」と評価されたクルマはポルシェ718(ケイマンとボクスター)で、今回の調査では今まで同様にポルシェの信頼性の高さも証明されています。
そのほか今回の調査で特筆すべき結果としては「インフォテイメントシステムに関する問題」があらゆる調査項目の中でもっとも低く、とくにその内容としては「Android Auto/Apple CarPlayの接続(たしかにこれは納得であり、ぼくもこれには今まで乗ってきたクルマすべてにおいて不満を感じる)。※そのほかの調査項目はエアコン、運転支援デバイス、ドライビングエクスペリエンス、外装、 コントロール/ディスプレイ、インフォテインメントシステム、インテリア、パワートレイン、シートなど
そのほかバッテリーEV(100台中問題は256件)、PHEV(216件)はハイブリッド(191件)、ガソリン車(187件)に比較して問題が多いことも明らかになっており、問題の大きな部分はここ最近話題になっているとおりの「タイヤ」です。
実際のところ、バッテリーEVオーナーの39%が所有を開始して1年以内にタイヤを交換していることが明らかになっており、これはガソリン車よりも19%高い数字であることが明らかになっています。
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自動車メーカー(ブランド)別問題発生件数はこうなっている
そこで今回JDパワーが発表した自動車メーカー / ブランド別の100台あたり問題発生件数をまとめてみると以下の通り。
これを見ると、数年前までは品質ランキング最低クラスであったアメ車やミニのランキングが年々上昇しており、しかしやはりポジションが低かったメルセデス・ベンツやランドローバーの状況は変わらないということがわかります。
なお、テスラは今回の調査に関して(いつもそうですが)結果の公開に同意しておらず、よって正式な報告はなされていないものの、推測値だと「252」だとされています。
- レクサス・・・135
- トヨタ・・・147
- ビュイック・・・149
- シボレー・・・174
- ミニ・・・174
- ポルシェ・・・175
- マツダ・・・185
- キア・・・187
- BMW・190
- ダッジ・・190
- ジープ・・・190
- キャデラック・・・196
- ヒョンデ・・・198
- スバル・・・198
- 日産・・・199
- ジェネシス・・・200
- ラム・・・201
- GMC・・・206
- ホンダ・・・206
- アキュラ・・・216
- メルセデス・ベンツ・・・218
- インフィニティ・・・219
- フォード・・・239
- ボルボ・・・245
- リンカーン・・・251
- フォルクスワーゲン・・・257
- ランドローバー・・・268
- アウディ・・・275
- クライスラー・・・310
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参照:JD Power