| 現在ポルシェでは実際にフロントガラスが外れた例を確認していない |
比較的対象台数が多く、もしかすると日本でもリコールが届け出られる可能性も
さて、ポルシェが北米にて「衝突時に前後のガラスフロントガラスが剥がれる可能性がある」として8,000台以上の911をリコール。
米国道路交通安全局(NHTSA)によると、2020年から2024年までに販売された8,101台のポルシェ911が影響を受ける可能性があるとされ(グレードまでの詳細は記されていない)、問題は「フロントガラスとリアガラスを車に接着するために使用された接着剤、あるいはそれが使用された状況」。
届出内容によれば、 一部のポルシェ911では、工場でのフロントガラス取り付け時において、表面の残留物が完全に除去されていないまま装着されており、そのためフロントガラスの接着力が弱くなっている、とされています。
ポルシェにしては珍しい部類のリコールでもある
なお、ポルシェは全体的に見てもリコールが多い会社ではなく、さらに911に関してはさらにリコールが少ない車種でもあるのですが、今回のリコール内容は「ポルシェとしては珍しく」かつ台数もかなり多い部類です。
ポルシェがこの問題を知ったのは昨年11月で、その後の調査と検査の結果、これら接着力の弱い部分においてガラスが部分的に剥がれる可能性があることが判明し、その結果として 衝突が発生した場合、全体の接着が弱すぎてフロントガラスを所定の位置に保持できない可能性がある、とのこと。※問題を把握した原因そのものは「ウインドウの曇り」だったそうなので、ウインドウが一部浮いていたりしたのかもしれない
参考までに、「フロントウインドウ表面の曇りまたはその他の光学的欠陥」を理由としてユーザーから15件の保証請求が出されているそうですが、現時点ではフロントガラスの脱落に直結するような剥がれ、そして事故は確認できておらず、大事には至っていない状態です。
ポルシェによると、「過度の風切り音や湿気による曇り」はフロントガラスの接着不良、そしてそれに起因する浮きを示している可能性があると述べており、現時点でこの症状があるユーザーは(日本ではまだリコールが届け出られていないようですが)ポルシェセンターに問い合わせてみたほうがいいのかもしれませんね。
この問題の対策として、米国では「フロントガラスとリアウインドウを検査し」、必要に応じて研磨洗浄プロセスで処理された新しいガラスを使用して交換する」ことになりますが、今回の案件について、ディーラーへのリコール通知は3月13日から始まり、顧客への通知は4月26日の予定となっています。
参考までにですが、こういった「ウインドウの接着が不十分な例」は過去にもフェラーリにて生じており、その際には「812スーパーファストのリアウインドウが飛んでゆく」可能性があるとしてリコールが届け出られています。
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