| さすがのジュネーブ・モーターショーも時代の流れには逆らえなかった |
今後、別の形での復活を期待したところではあるが
さて、119年の歴史を誇るジュネーブ・モーターショーがついに開催終了との報道。
その理由としては「業界の課題と競争が続いているため」だとされ、実際のところこの数年において厳しい逆風にさらされていたことも事実です。
コロナウイルスのパンデミック以降、ジュネーブ・モーターショーは2020年、2021年、2022年、2023年にわたって開催が中止され、2024年に復活するものの参加した自動車メーカーはほんの一握り(よって、ほとんどニュースにもなっていない)。
ただ、ジュネーブ・モーターショー開催元としてもなんとか生き残りをかけて様々な手法を模索しており、2023年には中東(カタール)にてサテライトショーの開催をはじめたものの、それでも以前のような活気が戻らず、ついに公式に「終了」することとなったわけですね。※一方、カタールで開催される”ジュネーブ”モーターショーは開催が継続される
ジュネーブ・モーターショー「最初の開催」は1905年
ジュネーブ・モーターショーは1905年に最初の開催がなされており、常にこの場では歴史に残る名車が発表されています。
たとえばジャガーEタイプ、ポルシェ917、アウディクワトロ、ランボルギーニ・カウンタック(LP500)、ラフェラーリなど。
ジュネーブ・モーターショーの格式の高さから、ここを新型車の発表の場として選ぶ自動車メーカーも少なくはなく、ランボルギーニは伝統的にジュネーブ・モーターショーにてニューモデルやコンセプトカーを発表することが通例となっています(例外あり)。
なお、ジュネーブ・モーターショーのみではなく多くのモーターショーが同様の状況にさらわされており、たとえば東京モーターショーは2023年からジャパン・モビリティショーへと性格を変えて開催がなされ、北米国際自動車ショーは、より多くの人を呼び込むために1月から夏へと開催時期を変更するとった対応も。※ただし2025年からは再び1月に戻されるようだ
こういった傾向については様々な要因が考えられますが、1番の理由は「自動車メーカーにとって、モーターショーに出展するコストとリターンが見合わないから」。
つまり数十億円もかけてモーターショーに出展したとしても「オンライン上で新車発表会を行うのに比べて」費用対効果が低く、より多くの人に、かつ均一に情報を届ける手法としてネット上でのワールドプレミアが一般的になったことが挙げられます。※コロナウイルスの感染拡大以降、自動車メーカーはオンラインでの発表の方がずっと効果が高く、必ずしもモーターショーで新車を発表する必要はないと気づいたのだと思われる
加えて、一部のプレミアムカーメーカーにとっては、「不特定多数の人が来る」モーターショーでの新車発表はあまり効果がなく(本当に情報を伝えたい人、買ってほしい人に情報が伝わらない可能性も)、であれば限られたハイエンドなイベント、あるいは自社で開催する顧客限定のイベントにて新型車を公開した方が「ファンの囲い込み」にも貢献することとなり、ずっと費用対効果が高いわけですね。
つまるところ、モーターショーは「まだ情報の伝達手段が発達していなかった時代」の局地的なイベントであり、現代においては出展者にとってはもちろん、参加者にとってもあまりメリットのない(見る側からしても、自宅でネットを見ていた方がより早く様々な情報を得られる)イベントで、開催を継続するのであれば、「そこでしか得られない体験」を提供するなど、新しい方向へと”進化”するよりほかはないのかもしれません。
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