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ヒョンデの上級ブランド「ジェネシス」が好調。立ち上げからわずか8年でポルシェと同じ台数を販売するに至り、ブランディングに際しては「フェラーリを参考に」

ヒョンデの上級ブランド「ジェネシス」が好調。立ち上げからわずか8年でポルシェと同じ台数を販売するに至り、ブランディングに際しては「フェラーリを参考に」

| ジェネシスは後発だけあって先発の「成功したブランド」を参考にした展開が可能となっている |

その大きな武器が「デザイン」であることには間違いない

さて、日本には未上陸なるも、2016年の立ち上げ以来目覚ましい成長を遂げているヒョンデの高級ブランド「ジェネシス」。※正確にいえば、大使館用含め日本にも2台のみが存在するらしい

現在までに6つのモデルと11もの派生モデルを市場へと投入しており、2023年にはなんとポルシェとほぼ同じ台数を販売するに至るなど、プレミアムカーブランドとしては異例ともいえる躍進を遂げているわけですが、ジェネシスの成長はこのままでは終わらず、2030年までに現在の倍である45万台にまで販売を増やすという計画を持っています。

ただしジェネシスは販売台数を「制限」することで排他性を維持

なお、こういったアグレッシブな計画を持っているにもかかわらず、ジェネシスの最高クリエイティブ責任者でヒュンダイモーターグループ社長、ルク・ドンカーヴォルケ氏によれば「世界販売台数は年間45万台に制限される」。

我々はジェネシスの販売台数を45万台に制限する予定です。現在は22万台を超えていますが、現時点では十分な台数を確保することが主な課題です。

現在、ジェネシスの販売は韓国市場だけでなく、米国、オーストラリア、中国、ヨーロッパ、中東にも進出しており、とくに米国、オーストラリア、中国では販売が非常に好調だと言われます(反面、伝統を重んじる欧州では苦戦しているとも伝えられる)。

なお、現在ジェネシスは生産能力の上限に達しつつあるようで、ルク・ドンカーヴォルケ氏は以下のようにコメントしていますが、つまるところ需要と供給のバランスを適切に保ち、作りすぎることで価値を下げない(むしろ生産を需要に比較し”足りない”レベルに設定することで価値を上げる)というフェラーリ的な戦略を採用するということなのかもしれません。

現時点では、韓国での生産を拡大できないため、まずアラバマ州とジョージア州で車両の生産を開始する必要があります。それでも現在の生産能力はすでに限界に達しており、現在、ジェネシス製品を製造するための工場を建設中です。しかし、生産能力を拡大したとしても排他性を維持します。2030年までに計画している絶対的な最大数は45万台です。しかしそれよりも重要なのは、顧客体験が適切なレベルであることです。そしてそれは、生産を人為的に増やさないということを意味します。

ジェネシスはコーチビルドプログラム「Genesis 1 of 1 」をスタート

なお、ジェネシスは顧客の要望に応じてカスタム車両を製作するコーチビルドプロジェクト「Genesis 1 of 1 」をスタートさせていますが、これはかなり「強気」の展開で、というのも現在、こういったワンオフ車両の製作を請け負い、成功しているのはロールス・ロイスやフェラーリなどの一部のハイエンドブランドのみだから。

加えてジェネシスはジャッキー・イクスをアンバサダーに迎えてそのイメージの変革を図るなど、様々な方面からブランドの強化に取り組んでおり、つまりはライバルメーカー(ブランド)が築いた成功をなぞるべく、それらと同じ法則を取り入れることで急速に成長を遂げようとしているわけですね。

そしてジェネシスは現段階でも、その独自性溢れるデザインに加え、多様なブランディングによって高い人気を博しており、意外なことにGenesis 1 of 1にはすでに数件のオーダーが入っているもよう。

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このGenesis 1 of 1では、顧客は独自のカラー、フィット感、仕上げなどを希望どおりに指定でき、同じ仕様のクルマは「二度と注文されることはない」と説明されています。

ジェネシスがOne of Oneにて製造するクルマは、すべて顧客のほうから当社へと依頼があったものです。当社はこのプログラムを宣伝すらしていません。顧客が当社に来てくれて、パーソナライズされたジェネシスが欲しいと言ってくれれば、当社はそれを実行します。現在、中東の顧客向けに5台目のG90ロングホイールベースを製作中です。また、アメリカの顧客やヨーロッパの顧客向けにもG90を製作中です。また、別の顧客向けに2台のGV80クーペを製作中です。そのため、現在、このプログラムはすべてのモデルラインナップに拡大されています。ですから、GV60をご希望のお客様がいらっしゃれば、製作いたします。

参考までに、ルク・ドンカーヴォルケ氏はランボルギーニやベントレーにてチーフデザイナーとして手腕をふるってきた人物でもありますが、それだけにジェネシスのクルマとベントレーのクルマとのデザイン的類似性が指摘されることも(とくにベンテイガとGV80)。

そして興味深いのは同氏が「ある人から、ベンテイガ・ファースト・エディションと同じ仕様のGV80を作ってほしいと頼まれました」と語っていることで、もしかすると今後、同氏の作品をなぞった依頼がいくつか舞い込むことになるのかもしれません。

私たちは、このようなことが可能だと宣伝したことは一度もありません。私たちは、お客様のご要望を確実に満たしたいだけです。これは、私たちが恵まれている立場です。

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