>その他の国の自動車メーカー

ブガッティ、ケーニグセグを経て独立したデザイナーが「NILUハイパーカー」を発表。自動車史上最高出力の1070馬力を誇る自然吸気V12エンジンを搭載し、なんと「7速MT」でこれを駆動

ブガッティ、ケーニグセグを経て独立したデザイナーが「NILUハイパーカー」を発表。自動車史上最高出力の1070馬力を誇る自然吸気V12エンジンを搭載し、なんと「7速MT」でこれを駆動

Image:Nilu27

| Nilu27は「楽しさ」のためにあえて効率ではない方法を喜んで選択することを厭わない |

NILUハイパーカーには過去のスーパーカーやF1マシンに対する様々な敬意が込められている

ランボルギーニ、ブガッティ、ランボルギーニを経たデザイナー、サシャ・セリパノフ氏による新プロジェクト、「NILUハイパーカー」がついに公開。

なお、この「NILU」は企業名を指しており、誠意角にいうならばこのNILUハイパーカーをリリースしているのは2024年に設立された「Nilu27」という会社です。

この「Nilu」という名はサシャ・セリパノフ氏の2人の娘、ニカとルシアの名を組み合わせたもので、「27」は、ジル・ヴィルヌーヴや、ナイジェル・マンセル、アイルトン・セナ、アラン・プロストなど、伝説のF1ドライバーたちのレーシングナンバーを指しているのだそう。

Nilu27 は、時の試練に耐える典型的なスポーツカーを製造することを使命としています。本能的な運転体験を第一に重視する同社の目的は、感覚を刺激するクルマのすべての要素を称賛することです。つまり、場合によってはテクノロジーから離れることを意味します。私たちはクルマ好きです。クルマを愛する人々のためにクルマを製造しています。」

Nilu27

Nilu-27 (3)
Nilu27


ケーニグセグ・ジェスコ
ケーニグセグがブガッティ・シロン、ランボルギーニ・ウラカンのデザイナーを獲得!社内の重要職に配置しデザイン変革を狙う

| ケーニグセグはあわせてデザインセンターを新設 | ケーニグセグが、そのデザイン責任者として「サーシャ(アレクサンダー)セリパノフ氏を獲得した」と発表。サーシャ・セリパノフ氏はフォルクスワーゲングル ...

続きを見る

NILUハイパーカーはこんなスポーツカー

そこでこのNILUハイパーカーを見てみると、企画そのものは2006年にスタートしたといい、Nilu27によれば「1980年代を特徴づけたワイルドなハイパーカーへの回帰」。

さらにサシャ・セリパノフ氏はこのNILUハイパーカーにつき「少年の心を刺激する」ようなクルマだといい、象徴として意識したのはランボルギーニ・カウンタックであると述べています。

Nilu-27 (4)
Nilu27

ただし機能やデザインとしてのカウンタックではなく、あくまでも”象徴”としてのカウンタックであり、どういうことかというと、その名の由来となった、”それを見た人が「なんてこった」と驚くような”クルマを作りたかった(様々な説があるが、ランボルギーニ・カウンタック開発時、納屋に隠していたプロトタイプを見た通りがかりの農夫がピエモンテ地方の方言で「カウンタック(びっくりした)!」と叫んだことが命名の由来であるという説が有力)”。

Nilu-27 (2)
Nilu27

ランボルギーニ・カウンタックは今年で50歳!1971年3月11日、午前10時に公開されたようだ
ランボルギーニ・カウンタックは今年で50歳!1971年3月11日、午前10時に公開されたようだ。なお、ついに公式にて「カウンタック」の名の由来が語られる

| ボクは今までパオロ・スタンツァーニ説を信じていたが | ランボルギーニが「3月11日にて、カウンタックLP500がちょうど50歳を迎えた」と発表。ランボルギーニ・カウンタックLP500は1971年 ...

続きを見る

たしかにこのスカスカのリアセクションはクルマの常識からかけはなれていて、誰もが見た瞬間に驚き、口々に(自国の言葉で)感嘆の表現をなすことになるのかもしれません(このクルマを見て何も言葉を発しない人はいないだろう)。

4
Nilu27

そしてこのNILUハイパーカーの中心的価値は「電動化されていない世界最強の自然吸気V12エンジン」で、これはニュージーランドを拠点とするハートレー・エンジンズによって(このプロジェクトのためだけに)設計・製造され、排気量は6.5 リッター、ピークパワーを発生するのは11,000回転。

DT1
Nilu27

このV12エンジンにはいくつかの特徴があり、まずは上述の通り「電動化されていない自然吸気エンジン」であり「世界で最もパワフルな自然吸気V12エンジン」であること。

そして大径/ショートストローク化によって高回転化を可能としたこと、12個の個別スロットルボディを持つこと、均一な点火により独特の聴覚特性と振動特性を実現したこと。

さらには(1980~1990年代のF1マシンにインスピレーションを得た)Vバンク内側にエキゾーストマニホールドを配置する(ターボチャージャーはないものの)ホットVレイアウトを採用すること。

DT2
Nilu27

「誤解しないでください。これは、ホットV型に改造された他メーカーのOEMエンジンではありません。特注の大型ボア、ショート ストロークのモンスターです。アグレッシブなカム、アグレッシブなポート フロー、軽量コンポーネント、エキゾチックな素材を備えています。V12が始動して回転するたびに、冷や汗をかきたいほどです。正直に言うと、私たちはとても興奮しています!」

ハートレー・エンジンズ創設者兼 CEO ネルソン・ハートレー

    このV12エンジンは完全に露出した状態で車両にマウントされ、エキゾーストシステムは3Dプリンタによって製造されたインコネル製、そして「12-into-1 ”スネークピット”」レイアウトを採用。

    さらに重要なのは。トランスミッションに7速マニュアル(イタリアのCIMA製)を採用するということで、この世界最高出力を誇る自然吸気V12エンジンを「MTで操る」快感は何ものにも代えがたい体験なのでしょうね。

    AE2
    Nilu27

    そのほかのNILUハイパーカーの特徴を見てゆくと、シャシーそのものはカーボンファイバー製モノコック、そしてサブフレームはアルミニウム製の管状パーツ。

    現代の設計・製造技術であればもっと効率的な構造を採用できたのかもしれませんが、この「スペースフレーム構造」もおそらく、1970-1990年代のスーパーカーへのオマージュなのかもしれません。

    Nilu-27 (5)
    Nilu27

    そのほかアナウンスされているのは「最高速400km/h(リミッター作動)」「0-100km/h加速3秒以下」「乾燥重量1,200kg以下」「鍛造アルミニウム製のアームを使用したプッシュロッドサスペンション採用」「ブレーキシステムはブレンボ製のカーボンセラミック(CCM-R プラス)」「ホイールはフロント20インチ、リア21インチ」「タイヤはミシュラン星スポーツカップ2R、フロントは265/35、リアは325/30」といったところ。

    AE1

    なお、0-100km/h加速はブガッティ・トゥールビヨンやケーニグセグ・ジェスコほど速くはないものの、それはマニュアル・トランスミッションを採用しているためで、このコンマ数秒のロスについては(サシャ・セリパノフ氏によって)以下のように説明されています。

    「このコンマ数秒は、クライアントに提供できるエンゲージメントのために喜んで支払う代償です。NILU ハイパーカーの根底にあるのは、スピードよりも楽しさと感情であり、技術的に進歩した、よりシームレスで、より速いやり方と、より直接的で、より魅力的だが、明らかに速くはないやり方のどちらかを選べと言われれば、我々は後者、つまりより魅力的で、より楽しく、より感情的なアプローチを選びます。」

    AE4

    NILUハイパーカーを紹介する動画はこちら

    あわせて読みたい、Nilu27 / サシャ・セイパノフ関連投稿

    ブガッティやランボルギーニ、ケーニグセグで活躍したデザイナーが自分の理想のハイパーカー、「Nilu27」を8月15日に発表すると予告。衝撃に備える必要がありそうだ【動画】
    ブガッティやランボルギーニ、ケーニグセグで活躍したデザイナーが自分の理想のハイパーカー、「Nilu27」を8月15日に発表すると予告。衝撃に備える必要がありそうだ【動画】

    | 現時点ではほぼ情報が公開されておらず、おそらくNilu27はブランド名、そして車名は別に用意されるものと思われる | これまでのサッシャ・セリパノフの業績から判断するに、大きな期待を寄せても間違い ...

    続きを見る

    元ブガッティ、ケーニグセグのデザイナー「愛車は日産R35 GT-R。ヴェイロンの90%の性能で価格はわずか3%。これしかない。最高だ」
    元ブガッティ、ケーニグセグのデザイナー「愛車は日産R35 GT-R。ヴェイロンの90%の性能で価格はわずか3%。これしかない。最高だ」

    | サシャ・セリパノフ氏は昔ながらのデザイン手法によって深くクルマに関わりたいと考えるデザイナーだった | そしてそのクルマの存在意義、目的を重要視している さて、かつてクルマのデザインというと著名な ...

    続きを見る

    ランボルギーニ、ブガッティ、そしてケーニグセグを経たデザイナーが独立。「クルマのデザインを原点に戻したい。真の美は絶対的なものであるべきです」
    ランボルギーニ、ブガッティ、そしてケーニグセグを経たデザイナーが独立。「クルマのデザインを原点に戻したい。真の美は絶対的なものであるべきです」

    | 今後、様々な場面において「サシャ・セリパノフ」の名を聞くことになるだろう | サシャ・セリパノフ氏は「クルマのデザインと設計は一緒に行われるべきだ」と考えている さて、ランボルギーニ、ブガッティ、 ...

    続きを見る

    参照:Nilu27

    この記事が気に入ったら
    いいね ! しよう

    ->その他の国の自動車メーカー
    -, , , , , , ,