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「中国のドラゴン伝説」を車内に再現したロールス・ロイス・ファントムが公開。これまでにないほどに手が込んだスターライト・ヘッドライナーを持ち、木彫りのドラゴンも

「中国のドラゴン伝説」を車内に再現したロールス・ロイス・ファントムが公開。これまでにないほどに手が込んだスターライト・ヘッドライナーを持ち、木彫りのドラゴンも

Image:Rolls-Royce

| このロールス・ロイス・ファントムのカスタムにかけられた時代はまさに「膨大なもの」であろう |

内装の随所には家系の繁栄を願う仕様が盛り込まれる

さて、ロールス・ロイスの特徴的な装備といえばルーフ内張りに再現された「星空」つまりスターライト・ヘッドライナー」。

そしてロールス・ロイスにとって重要な市場のひとつが「中国」で、これまでにも中国の富裕層のためにカスタムされた様々なオーダーメイド車両を発表していますが、今回は「スターライト・ヘッドライナー」「中国」という同社における二大重要成分が高次元で集約された唯一無二のファントム・エクステンデッド・ホイールベースが公開されています。

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Image:Rolls-Royce

今回公開されたロールス・ロイス ファントム・エクステンデッド・ホイールベースはこんな仕様を持っている

そこでこのファントム・エクステンデッド・ホイールベースを見てみると、最大の特徴はルーフ内張りにあり、ここでは「ドラゴンの年」を祝うモチーフが描かれていて、象徴的な意味や文化的な重要性、そして二匹のドラゴンの伝説が素材や製法に投影されています。

ロールス・ロイスによれば、このデザインは中国のアイコンを「創造的かつ敬意を持ってファントム・ドラゴンに組み込んだ」。

3,000年の歴史を持つ伝説がインスピレーション源となっており、この物語では、二匹のドラゴンが人間の世界を守り、神々から神聖な珠を授けられるというもので、二匹は互いに珠を贈り合おうとし、その忠誠心と寛大さに対し、神々はさらにもう一つの珠を授け、そして二匹のドラゴンは神々へと昇華したという内容が伝えられています。

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ドラゴンは幸運、純粋さ、そして力の象徴

中国において、ドラゴンは力と幸運を象徴し、珠は純粋さと完璧さを意味するそうですが、ヘッドライナーに描かれた二匹のドラゴンはバランスを象徴し、赤と白のドラゴンはじつに1,300本以上もの光ファイバーで表現されることに。

もちろんこれらはすべて手作業でヘッドライナーに組み込まれ、さらにドラゴンは24個の流星に囲まれていて、これまでのスターライト・ヘッドライナーのカスタマイズに比べてもこれほどまでに豪華なものは例を見ないと思います。

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さらにはダッシュボード(ロールス・ロイスが「ギャラリー」と呼ぶ部分)にもドラゴンが表現され、ロールス・ロイスの職人は3ヶ月をかけて木材をカットして形作ることとになったそうですが、二匹のドラゴンは渦巻く雲の中で互いを尊重し珠を守っている様子が視覚的に再現され、使用される素材としてはユーカリ、シカモア、アッシュ(これによって微妙な色味や素材感の差異が演出される)、さらにはブラック・ボリバーベニヤがアートワークに陰影を与えています。

そのほかのディティールを見てみると、ドアパネルにはさらなるユーカリ材が使用され、内装全域にはレッドとブラックという中国らしいカラーのレザー、そしてヘッドレストにはオーナーの家族名が中国の古代フォントにて刺繍されています(中国では”家族””家系”をテーマにしたディティールを指示することが珍しくない)。

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このクルマのデザインは、上海にあるロールス・ロイス・プライベート・オフィスを通じて行われたと説明されており、中国のオーナー向けにデザイン・製造された”ドラゴンをテーマにし”たロールス・ロイスの長い歴史を継承する最新作(過去にフェラーリもドラゴンをモチーフにした中国向け限定モデルをリリースしたことがあり、中国におけるドラゴンは、ぼくらが考える以上に特別なのだろう)。

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現在中国では旧正月を迎えるにあたり大きな盛り上がりを見せていますが、このオーナーにとって、このファントム・エクステンデッド・ホイールベースは「またとない縁起物」となりそうです。

ちなみにエクステリアはかなり「シック」で、まさかこのクルマのインテリアがこんなスゴいことになっていようとは、という感じですね。

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