
Image:Rolls-Royce
| さらに顧客はこの仕様に独自のアレンジを加えることができるもよう |
価格は非公開、「価格を尋ねるということは、あなたにはその金額を支払うことはできない」なのかもしれない
ロールス・ロイスのCEO、トルステン・ミュラー=エトヴェシュ氏は2年前、「我々は自動車メーカーではなく、ラグジュアリーブランドだ」と語っており、その真意は「ロールス・ロイスの顧客が求めるのは単なる移動手段ではなく、特別な体験であり、まるで高級ファッションブランドのような存在である」というものです。
実際のところ、多くのハイエンドカーブランド、プレミアムカーブランドではその顧客が「内燃機関を求め、EVを敬遠する」傾向が顕著になっていますが、ことロールス・ロイスにおいては「パワートレーンがピュアエレクトリックであっても今まで以上に」売れているといい、これはロールス・ロイスの顧客が(同ブランドがV12エンジン搭載で有名であったにも関わらず)ロールス・ロイスを「単なるクルマ」としてではなく、それを超越した存在として認識していることを意味します。
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ロールス・ロイス・スペクター・インスパイアード・バイ・プリマヴェーラはこんなクルマ
その思想を体現する最新作が、今回発表された「ロールス・ロイス・スペクター・インスパイアード・バイ・プリマヴェーラ)」。
イタリア語で“春”を意味するプリマヴェーラ(Primavera)を冠したこの限定シリーズは、桜の花や春の色彩をモチーフにした「Evanescent(エヴァネセント)」「Reverie(レヴェリー)」「Blossom(ブロッサム)」という3種類の解釈で展開されています。
Evanescent(エヴァネセント)
Image:Rolls-Royce
- ボディカラーはクリスタル×アークティックホワイトの上品なツートーン
- コーチラインにはターコイズを意味するトゥルケーゼを採用し、桜を描写
- インテリアはトゥルケーゼのレザーを基調に、シャルトリューズのパイピング
- ブレーキキャリパーやホイールセンターも同色で統一、ロールス・ロイスはこの仕様を「野に咲く花々の生命力を表現」と説明
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Reverie(レヴェリー)
Image:Rolls-Royce
- 春の精神的な意味合い=「冬を越えて芽吹く命」をテーマにデザイン
- ボディはダックエッグブルーに、フォージイエローのピンストライプ
- キャリパーやインテリアアクセントもイエローを基調としつつ、シートには控えめなチャールズブルーをあしらう「精神的な目覚め」を感じさせる仕様
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Blossom(ブロッサム)
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- ボディはベルベットオーキッド・メタリックという華やかなカラー
- アクセントにフォージイエロー、さらにピオニーピンクをシートに採用
- 内外装に春らしい華やかさを表現し、もっとも大胆な仕様
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各仕様共通の「ディテールへのこだわり」
加えていずれのモデルにも以下の仕様が盛り込まれ、文字通りの「春爛漫」。
- 全仕様に桜のモチーフがちりばめられ、光るドアシルやヘッドレストに刺繍を配置
- センターコンソールには37本のレーザーを駆使して桜の枝をウッドに彫刻
- ドアパネルには4,796個の光ファイバーを手作業で埋め込み、「春の三角形」と呼ばれる星座(うしかい座・しし座・おとめ座)を表現
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パワートレイン
機構面としては通常のスペクターと同一で、以下のスペックを持っています。
- 出力:577ps
- トルク:900Nm
- 航続距離:約425km
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ロールス・ロイス・スペクター・インスパイアード・バイ・プリマヴェーラの価格・納車時期
価格は非公表ですが、すでにスペクター・インスパイアード・バイ・プリマヴェーラの注文受付が開始されており、顧客ごとに仕様をさらにアレンジ可能だとされているため、「より春っぽい」仕様にすることも可能なのかもしれません。
なお、「なぜこの季節に”春”仕様を?」という疑問もありますが、納車開始は2026年春の予定だとアナウンスされているので、「来年の春の納車に向けた特別仕様」ということになりそうですね。
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参照:Rolls-Royce