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やはりTTは完璧だった。非の打ち所のない新型アウディTT(8S)に乗る

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やっと日本にも入ってきた新型アウディTT。
本国からかなりのタイムラグをもって日本へ導入されたことになります。

全体的なシルエットについてはさほど変化がないようですが、細かいところはずいぶん変更を受けていますね。
そのために実車から受ける印象は画像からのものとは異なり「先代とは全く異なる」というもの。

トピックとしてはLEDヘッドライトの採用、MMIの採用、そしてバーチャルメーター。
エンジンはさほど変化がなく、+20馬力程度でトランスミッションも同じ6速Sトロニック(デュアルクラッチ)。
重量はモデルにもよりますが最大で60キロ(先代と変わらないものもある)軽くなっています。
燃費は先代比で10%ほど向上。

全長、全幅は先代よりも10ミリ小さくコンパクトに(計測方法の差によるものかもしれない)。
ただしホイールベースは40ミリも長くなっており、かつタイヤが大径化していると思われ、かつ面一になっているので「踏ん張りがきいているスタイル」に変化しています。
ただ、これは今までのTTを見ている限りアウディが目指したかったスタイルと思われ、その意味でも新型は「TTらしいTT」と言えますね。

ぼくは先代のアウディTT(後期)にしばらく乗っていましたが、「完璧な車」としか表現できない車だったと思います。
内装は軋み音ひとつたてず、トラブルもなく、ドアの締まりも良く(半ドアにならない)、替えタイヤも4本乗り、かつ燃費も良く、ブランドバリューも高く、内外装の質感の非常に高いレベル。
ぼくのTTの内装はエクリュ(オフホワイト)でしたがカーペットや細かいパーツ、シートベルトまでもが同色化され、このあたりはポルシェやランボルギーニでは望めないところですね(お金がかなりあれば可能)。
やはりここはアウディという、他にも大量に車を生産していることを活かした製品作りなのだと思います。
ランボルギーニはもちろんポルシェにおいても生産台数を考えると内装の小さなパーツまでを内装色毎に作り分けるのは難しく、ここはアウディのスケールメリットを感じるところですね。

さて、早速新型アウディTT(8S)の実車チェックですが、上述のように8JアウディTTとはけっこう変わっています。
全体的にシャープになっているのはもちろんですが、フェンダーの盛り上がりが強調され(プレスラインがはっきりし、オーバーフェンダーを貼り付けたように見える)、純正でもチューニングカーっぽい雰囲気があります。
先代TTのオシャレな雰囲気から、かなり「尖った」イメージに。

Sライン、ノーマル両方が展示されていましたが、ぼくとしてはノーマルの方でいいのではないかという印象を受けました(Sラインパッケージは47~63万円と非常に高価)。
ヘッドライトはLEDで、マトリクスLEDヘッドライトを選んでも選ばなくても外観に変化はないように思います。
ただ、マトリクスLEDヘッドランプを選ぶとフロントウインカーが「シーケンシャル」になるので、ここは14万円出してもマトリクスLEDヘッドライトを選ぶべきでしょうね。
なお、リアウインカーはもともとシーケンシャル点灯方式。

細かいところを見てもドアミラー形状がよりエッジの効いたものになっていたり、フューエルリッドのボルト部分が本物?になっていたり、とかなりな部分での変更があります。
なおマフラーエンドはちょっと中央に寄った感じで(TTSは今まで通り左右離れている)、これはフェイスリフト後のポルシェ911シリーズのような感じ。
もしかすると今後VWアウディグループにおいてはこういった中央寄りの左右出しマフラーエンドに移行するのかもですね。

ホイールは2.0TFSIのみ17インチですが、18インチ以上でないと見栄え的にちょっと辛い感じ。
できれば19インチが欲しいですね。



室内を見てみますが、今までのTTとイメージはよく似ています。
ただし外装以上に8Jとの変化が大きく、ブラッシュアップを超えた粋にありますね。
やはり感心するのはバーチャルコクピットで、「まあウラカンと同じだろう」程度に考えていたのですが、車両の表示もアニメーション表示となって動いたり、googleストリートビューの表示がサクサク動いたり、ディスプレイの端から端まで地図が表示されたり、と驚くことしきり。
事前にバーチャルコクピットの動画が公開されていますが、あれは「ほんの一部」で、ほかにも驚くべき機能がたくさんあります。

「アウディドライブセレクト」も目玉の一つですが、これも最新のアウディやランボルギーニに搭載されるものと同じで、ステアリングやアクセルレスポンス、サスペンションなどを統合して制御するもの。
これを考えても、オプションのマグネティックライドは欲しいところですね(車高が1センチ下がるのも大きい)。

ルームミラーがほかのアウディ車と共通になったのか、今までの楕円からスクエア形状になっていること、アクセルペダルがオルガン式から吊り下げ式になっているのも目に付く変更点ですね。
ほかはエアコンの吹き出し口に内蔵された温度表示など、シンプルかつダイナミックなデザインは非常にTTらしいと感じました。
ちなみにキーは新型で、アウディTTの外観にあわせてか、シャープでデザイン製の高いもの。
センターコンソール後部に、キーを差し込むスペースがあります。

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ドアを閉めるときの音は軽快ながらも高い精度を感じさせるもので、これだけでもちょっとした満足感を得られそうです。
シートベルトはけっこう後ろから出ているので取り出しにくいのですが、これは先代同様。

おそらくですがベルトラインが高くなっており、そのために囲まれ感は強くなっています。
ドアミラーもずいぶん上にあるように感じ、「今スポーツカーに乗っている」という印象が強いですね。
このあたり、先日試乗したメルセデスAMG GTと同じような雰囲気で、スポーツカー全般的にこういった「演出」に傾いているのかもしれません(逆にフェラーリやランボルギーニ、ポルシェの方がベルトラインが低い)。

ブレーキペダルを踏んでセンターコンソール上のスタートボタンを押しますが、けっこう大きく太い音とともにエンジンが目覚めます。
ただ振動はよく抑えられており、このあたりVWアウディグループの文法に則ったもの。

電気式パーキングブレーキを解除してシフトレバーをDレンジに入れていざスタートさせますが、出だしは非常に軽く、ステアリングも非常に軽快。
ペダルのタッチも軽く、これもVWアウディグループの最新インターフェースですね。

ブレーキのタッチも軽く、最初は強く踏みすぎて「カックン」になりましたが、これもすぐに慣れます。
パワーは必要以上ですが、燃費対策のためかかなり低い回転数でポンポンとシフトアップするので、上りの追い越し加速の際などはシフトダウンしてやる方が気持ちよく走れます(アクセルによるキックダウンは読みにくい)。

走行中の振動や音は非常に静かで、加速時は内燃機関っぽい、いかにも「エンジンが回っている」ような振動と音を感じますが、これはもちろん意図的な演出と思われます。
とにかく最近の車は快適さと刺激という点において、うまく両立してドライバーを満足させる傾向にあるようです。

乗り心地は驚くべき上質さで、これは最近のメルセデス、BMWでもおそらく敵わないレベル。
タイヤの大径化、ホイールベースの延長によってこれを達成していると思われますが、これは同門のポルシェ、ランボルギーニも同様で、グループ全般的に共通した手法なのでしょうね。

そういった快適さにもかかわらずステアリングレスポンスは俊敏極まりなく、完全に意のままに曲がります。
このあたりランボルギーニ・ウラカンとよく似ていて、同じハルデックスを採用する4WDモデルという共通性のなせる技かもしれません。
反面、ポルシェのように車との対話を楽しむタイプではないですが、ここは完全に好みの問題ですね(もしかするとポルシェも今後アウディの印象に近づくのかもしれない。現にマカンはそういった感覚がある)。

けっこういろいろな環境で運転し、いろいろな動きを試しましたが、まあ非の打ち所がない車ですね。
「完璧」としかいいようがなく、どんな状況でもドライバーの意に沿った動きをする車で、かつほかのアウディのモデルのように「ヒエラルキー」にとらわれることなく、そのためにどこへ乗って行っても恥ずかしいこともありませんし、4人乗れてタイヤも4本乗る、しかも燃費もいい、というユーティリティの高さ、維持コストの安さも持っています。

なお今回の8Sよりオプション選択の幅が広がっており、8Jでは選べなかったプライバシーガラスなど多彩な装備が選べるようになったのも嬉しいところ。
オプションについてはだいたいランボルギーニの半額といったところで、けっこう割安に感じます。

正式なアナウンスはありませんが、ランボルギーニ・ウラカンとアウディTTに採用されるテクノロジーは共通しており、バーシャルコクピット、ハルデックス製4WDシステム、各種スイッチ類などは共通。
マグネティックライド(ランボルギーニではイタリア語でマグネト・レオロジカル・サスペンション)とステアリングの切れ角、アクセルレスポンスをコントロールするアウディドライブセレクトもランボルギーニ・ウラカンの「アニマ」と同じと考えられ(センサーの数は違うと思いますが)、その意味ではTTはスモール版ランボルギーニ・ウラカンと言っていいんじゃないか、とぼくは考えています。
なおウラカンのルームミラーとアクセル/ブレーキペダルは8J TTと同じですね。

そういったVWアウディグループ最先端、かつ上位ブランドと同じ装備を持ち、アルミスペースフレームシャシー、パワフルなターボエンジン、4WD(Quattro)、デュアルクラッチ、シーケンシャルウインカー、マトリクスLEDヘッドライトなどを標準もしくはオプションで装備できることを考えると、新型8S TTは現時点で「最も進化した、そしてもっともコストパフォーマンスの高い」車と考えてもいいんじゃないかとぼくは考えるわけです。

インターフェース的にはランボルギーニ・ウラカンの先を行っていますし、見た目や操作した時の満足度、走らせた時の満足度含めて、非常に高いレベルにあると思います。

見た目は8Jから大きく進歩していませんが、その中身は驚異的なレベルで進化を遂げており、文字通り最先端と言えるでしょう。
そのため、最近試乗した車の幾つかは8S TT試乗ののち、すでに色あせてしまっています。

なお、ぼくが購入するとなると下記の仕様です。

グレード
2.0 TFSI Quattro。TTSも魅力的ですが、TTでも十分なパワーがあります。ハイパフォーマンスモデルを求めてもTTRS、TTRS Plusなどどんどん出てくると思われ、ベーシックなグレードを乗っておくのが気持ち的にも楽なんじゃないか、とは思えますね。
4WDを選ぶのは冬場の積雪や凍結を考慮してのことです。

ボディカラー 
ベガスイエロー(85000円)。ちょっと迷うところですが、メタリックグレーやブルーよりも暖色系のほうが似合いそうに思います。
先代までのパパイヤ、マンゴスチンといったカラーの印象が強いせいもあります。

ほかオプション
アシスタンスパッケージ(290000万円)・・・バックモニタ、パーキングセンサーなどがセットになるオプション。これを選ばないとヒルスタートアシストも付かないので、安全性を考えると選んだほうが良いでしょうね。
マグネティックライド(160000円)・・・アウディドライブセレクトとの連動、ならびに「車高が1センチ下がる」ということを考えると必須。のちに車高を落としてアライメントを取ると、これくらいは必要になるので、あらかじめ入れておいたほうが良いでしょうね。
マトリクスLEDヘッドライト(140000円)・・・アウディのキモ入りですし、フロントウインカーがシーケンシャル点灯になるということを考えても選んでおかねばならない装備。
ポルシェのPDLSに比べても半額以下です(もともとLEDライト装備ということもありますが)。
プライバシーガラス(70000円)・・・ぼくはどこにでも乗って行きますし、長時間放置することもあるので中の様子を見られないためには必須。
Bang&Olufsenサウンドシステム(130000円)・・・あのバング&オルフセンがこの価格で、ということを考えると選んでおきたいオプション。のちにスピーカーを入れ替えてもこれくらいの価格はかかるので、選んでおいたほうが良いでしょうね。

ほか、本革シートには興味がないのでとくに選ぼうとは思いません。
アルミ製のペダル、フットレストはディーラーオプションになりますがぜひ装着したいところですね。
ホイールは悩むところですが、2.0 TFSI Quattroにはシャープで格好良い18インチホイールがついてくるので、それで不足はなさそうです。

これまでの試乗レポートは下記のとおり。
最新の試乗レポートはこちらにあります。

 

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管理人:JUN

ランボルギーニ/ポルシェ/ホンダオーナー。 ハイパフォーマンスカーを中心に、それにまつわる話、気になるクルマやバイク、モノ、出来事などを紹介します。

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