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| まさか「フェアレディZ風」テールランプを採用してくるとは |
いま日産は大きく変わろうとしている
日産リーフが2026年モデルとしてフルモデルチェンジ。
EVとしての基本性能を充実させて航続距離は最大で約600km(WLTC)へと伸長しているほか、SUVスタイルへの「キャラチェンジ」、75kWhバッテリー搭載、最新の内装やGoogle搭載インフォテインメントシステムの採用など「大幅」という言葉でも足りないほどの進化を見せています。
新型日産リーフにはフェアレディZモチーフのデザインが採用
ただしぼくがもっとも注目したいのは新型リーフのテールランプに「フェアレディZ同様のデザインが採用されていること」。
まず、このフェアレディZのテールランプについては「日産共通のデザイン言語ではなく」、(前日産CEO、内田誠氏が最初に購入した日産車である)Z32のテールランプへのオマージュです。※新型フェアレディZの中で、もっともデザイナーお気に入りの部分だとも説明されている
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つまりこれは「フェアレディZ間のみで共通するデザイン」だと理解していたものの、なんと日産はこのテールランプのデザインを新型リーフにも採用しており、こういった「日産の、異なる車種内でのオマージュ的デザイン共有」はいままでに例がなかったとも理解しています(名称が変更された後継モデル、精神的後継モデルは除く)。
さらに「フェアレディZと日産リーフ」とはそもそもキャラクターや生い立ち的な共通性もなく、そういった事実がなおのことぼくを驚かせているわけですね。※あるいは、新型フェアレディZに採用されたこのテールランプが好評であり、日産は今後これを活用することに決めたのかもしれない
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2026年型 日産リーフが正式公開|16年目の大進化はSUVスタイル&航続距離伸長へ
それはともかく、今回の新型リーフについて掘り下げてみたいと思いますが、この「リーフ」は2009年の初代発表から16年。
そしてリーフは「世界初の量産EV」として登場しており、その後16年の間、自動車業界ではテスラの登場と成功、日米欧の既存自動車メーカーのEV投入、中国の新興EVメーカーの台頭など様々な紆余曲折を経験しています。
そういった状況の変化を受け、日産リーフは2026年モデルとして、そして再びEV界における覇権を取り戻すべく大きく生まれ変わることとなり、今回の新型では単なる改良ではなく、SUVスタイルへのシフトと航続距離の大幅向上、そして最新のインフォテインメントや安全装備を満載した“完全刷新”となったわけですね。
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2種類のバッテリーから選べるパワートレイン
まず、現時点で発表されている新型日産リーフの北米でのグレード構成とスペックは以下の通り(日本仕様の展開はまだ詳細が公表されていない)。
✅ 上位グレード(S+ / SV+ / Platinum+)
- エレクトリックモーター出力:214 hp
- バッテリー容量:75kWh(液冷リチウムイオン)
- 駆動方式:FWD(前輪駆動)※AWDが用意されていないことはライバルに対するディスアドバンテージだと思われる
- 充電性能:10〜80%を35分で急速充電
✅ エントリーグレード(S)
- エレクトリックモーター出力:174 hp
- バッテリー容量:52kWh
- ※このグレードは2026年春以降に発売予定
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航続距離:最大303マイル(日本仕様はWLTCにて600km)へ大幅アップ
グレード | 航続距離(EPA予測値) |
---|---|
S+ | 303マイル(約487km) |
SV+ | 288マイル(約463km) |
Platinum+ | 259マイル(約417km)※19インチホイール装着時 |
S | 未定(52kWh仕様のため短くなる見込み) |
※北米仕様だと従来型(2024年モデル)の212マイルから約90マイルの航続距離向上。なお北米では厳しめのEPA、欧州と日本は少し緩めの計測方法を採用するWLTCによる航続距離表示が採用され、同じスペックのクルマでも両者間では航続距離に小さくない差が生じる
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充電ポートはNACS & J1772のダブル対応
新型リーフには以下の2つの充電ポートが標準装備され、充電環境が選べるのは今後のEV社会にとって大きなメリットでもありますね。
- NACS(テスラ互換):助手席側に設置
- J1772(一般的な北米規格):運転席側に設置
🧑💻 インテリアとテクノロジー|Google搭載ディスプレイも標準化
新型リーフはインテリアも刷新され、EVならではのフラットフロアとモダンなダッシュボードが特徴です。
グレード | インフォテインメント |
---|---|
S / S+ | 12.3インチ×2画面(インフォ+メーター) |
SV+ / Platinum+ | 14.3インチ×2画面(Google Built-In搭載) |
全グレード共通 | ワイヤレスApple CarPlay / Android Auto 対応 |
なお、Platinum+グレードには、以下の装備が追加される、とのこと。
- 10スピーカーBoseプレミアムオーディオ
- ヘッドアップディスプレイ
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安全装備|ProPilot Assistを全グレードに標準搭載
日産の先進運転支援技術「ProPilot Assist」は全車に標準装備されるほか、様々な安全機能も充実しています。
- 前方衝突警告
- 自動緊急ブレーキ
- 車線逸脱警報
- ハイビームアシスト
価格と製造地|米国での価格は$30,000台に?
日産は価格をまだ正式発表していませんが、内部情報によれば「エントリーモデルで$30,000前半(約470万円台)を目指す」とされ、ただし注意点として新型リーフは日本・栃木工場で生産されるため、米国輸入時に25%の関税(チキンタリフ)が発生。
これにより、米国での価格は数千ドル上乗せされる可能性がありますが、この「上乗せ分」を最小化するために北米以外の市場でも「コスト上昇の分担」がなされるのではとも見られていて、つまり日本で販売されるリーフも「従来モデル比で大幅アップ」となるのかも。※米国の関税はもはや米国だけの問題にとどまらない
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ただ、電気自動車の常として「中古市場での価格」が新車価格に比較して大幅に下がるものと思われ、中古車性が潤沢に出回るようになるであろう1年~1年半後に「中古のリーフ」を狙うのもアリなんじゃないかと考えています。
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