
Image:Lamborghini
| 販売台数は「また」増加、プラグインハイブリッドの強い需要が証明される |
ランボルギーニの電動化はほかブランドと異なり「市場が歓迎」
ランボルギーニが2025年上半期の業績を発表。
世界経済が不安定な中、売上高は16億2000万ユーロ、営業利益は4億3100万ユーロを達成し、過去最高の納車台数も記録するなど「絶好調」ですが、この背景にあるのは”完全ハイブリッド化戦略”であり、多くのハイパフォーマンスメーカーが「電動化によって魂を失った」と評される中、ランボルギーニはそれらを尻目に成長街道まっしぐらということになりそうです。※現在のランボルギーニのラインナップ、「レヴエルト」「ウルスSE」「テメラリオ」はすべてPHEVである
ランボルギーニの2,025年上半期はこういった結果であった
2025年上半期の業績を振り返ってみると、売上高は前年同期と同水準の16億2,000万ユーロ、営業利益は4億3,100万ユーロとやや減少したものの、これは主に為替の逆風によるものとされています。
また、納車台数は過去最高の5,681台を記録。
これは前年同期比で2%増加という数字であり、これはランボルギーニの製品・ブランド力の強さを示しています。
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なお、「2%”しか”増えていない」と感じるものの、これは「計画的な製造」を進めた結果であり、つまるところ”予定通り”だと考えてよく、実際にランボルギーニは少し前に「2年以上先までの生産能力をカバーするだけの受注を抱えている」との報告を行っていますね。
ランボルギーニの完全ハイブリッド化戦略が実を結ぶ
今回の結果を受け、ステファン・ヴィンケルマンCEOは次のようにコメントし、やはり「ハイブリッド化」を強く主張することに。
「2025年上半期の結果は、全モデルのハイブリッド化という決断が正しかったことを示しています。『レヴエルト』や『ウルスSE』の成功は、我々のビジョンが顧客にも支持されていることの証。今後は『テメラリオ』の市場投入を控えており、ラインアップの完全ハイブリッド化が完成します」
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なお、ランボルギーニはつい数年前、「CO2排出量が大きく、フォルクスワーゲンブランドにとってのお荷物ブランド」として売りに出されようとしていた時期がありましたが、今では「電動化によって大きな利益を稼ぎ出すブランド」へと短期間で変貌し、これは「電動化がうまく進まなかった」アウディやポルシェとは対照的といえるのかもしれません(当時はこれらのほうが”優等生”だと見られていた)。
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地域別販売台数:EMEAが首位
そして地域別の納車台数は以下の通りで、この結果は、ランボルギーニのグローバル市場におけるバランスの取れたポジショニングを示していると考えてよく、つまりいくつかのプレミアムカーブランドのように「中国に依存しすぎ、中国市場での販売減少とともに急速に業績が悪化する」リスクを(販売地域を均等に分散することで)最小限に抑えているというわけですね。
- EMEA(欧州・中東・アフリカ):2,708台
- アメリカ大陸:1,732台
- APAC(アジア太平洋):1,241台
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ランボルギーニ主力モデルの性能と進化
● レヴエルト(Revuelto):
ランボルギーニ初のハイパフォーマンス電動車(HPEV)。次世代V12エンジン、3基の電動モーター、デュアルクラッチトランスミッションを搭載し、1,015馬力という驚異的な出力を実現。新設計のカーボンファイバー製シャシーや最新空力デザインにより、革新的な走行性能を誇ります。
● ウルスSE(Urus SE):
スーパースポーツSUV「ウルス」のPHEV版であり、800馬力のハイブリッドパワートレインを搭載。内外装のリフレッシュ、空力性能の向上、快適性と効率性の進化により、日常使いと高性能の両立を実現しています。
● テメラリオ(Temerario):
間もなく市場投入予定の新型V8ハイブリッド・スーパースポーツカー。ポルトガル・エストリルでの国際試乗会では、その圧倒的なパフォーマンスが披露され、2026年初頭から納車が開始される見通しで、ランボルギーニの次章を象徴する一台となります。
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持続可能な成長とブランド価値の創出
ランボルギーニのCFOであるパオロ・ポマ氏は次のように述べています。
「地政学的・経済的に困難な時代においても、我々の持続可能な成長戦略とブランド価値の創出は揺るぎないものとなっており、ラグジュアリーブランドのトッププレーヤーとしての地位を確立しています」
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ランボルギーニブランドの未来:「Cor Tauri」ロードマップに沿った進化
この業績報告は、ランボルギーニが掲げる電動化戦略「Direzione Cor Tauri(ディレッツィオーネ・コル・タウリ)」のひとつの成果。
完全ハイブリッドラインナップの導入は、ブランドの進化の鍵であり、世界中のマーケットから好意的に受け入れられている、ということになりそうです。
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