
Image:Gunther Werks
| シンガーとは異なる「究極の空冷ポルシェの姿」がここにある |
この記事のポイント(30秒でわかる要約)
- 伝説の「993型」をベースに、最大850馬力を叩き出す怪物級のレストモッドが誕生
- ド派手な色を排した「ステルス・グレー」のボディに、ホワイトゴールドのホイールが映える究極の美
- 内装にはなんと「日本産デニム」を採用。左右非対称のデザインという遊び心が炸裂
Image:Gunther Werks
空冷ファン垂涎。なぜ今、ガンザーワークスの「911ターボ」が注目されるのか?
空冷ポルシェの最終章として愛される「993」。
その美しさを残しつつ、現代のハイパーカーをも凌駕する性能を詰め込むのがカスタム界の雄「ガンサーワークス」です。
今回発表された『ジェミニ・コミッション(Gemini Commission)』は、世界でわずか75台しか製造されない「ターボ・プログラム」のうちの一台で、850馬力という猛烈なパワーを持ちながらもあえて「派手さ」を抑えた控えめなルックスで登場したクルマ。
「羊の皮を被った狼」という言葉すら生ぬるい、そのこだわりを紐解いていきましょう。
Image:Gunther Werks
あえて「地味」を選ぶ、大人の引き算美
『ジェミニ・コミッション』の外装でまず目を引くのは絶妙な色合いの「ミュートグレー」。
ガンサーワークスは、この一台のために用意された4つの異なるグレーの中から最も洗練されたものを選び抜いたと説明し、そのほかには以下の特徴も。
- 洗練されたディテール: ドアハンドルやミラーの支柱には、CNC加工されたステルスグレーのメッキを採用
- 伝統の継承: 993ターボ純正の「ツイストデザイン」をオマージュしたホイールはホワイトゴールドで仕上げられ”上品な華やかさ”を添えることに
Image:Gunther Werks
アグレッシブなワイドボディや大型ダクトといった「戦闘的」なフォルムを落ち着いたカラーリングで包み込む。
この「ギャップ」こそが、成熟した大人の愛好家に刺さるポイントなのかもしれませんね。
さらにはブラックのバッジ類、主張しすぎないカーボンファイバーなど「シックな魅力が光る」のもこの「ジェミニ・コミッション」の持ち味であるとも考えられます。
Image:Gunther Werks
【スペック】怪物級の性能を支えるRothsport製心臓部
見た目の美しさに目を奪われがちですが、中身は完全なるレーシングスペックにて構成されており、特筆すべきはエンジンの冷却ファンが「垂直」ではなく「水平」に配置されている点で、これにより6気筒すべてに均等に風を送り、過酷な走行でも安定した性能を発揮します(おそらくはポルシェのレーシングカーにインスパイアされたもの)。
こういった「機能」に加え、まさに芸術品のような仕上げも光りますね。
Image:Gunther Werks
| 項目 | スペック・詳細 |
| ベース車両 | ポルシェ 911 (993型) |
| エンジン | 4.0L 水平対向6気筒 (Rothsport Racing製) |
| 最大出力 | 850馬力 (トラックモード時) / 600馬力 (通常時) |
| 冷却方式 | 空冷(水平配置ファンによる冷却効率の最適化) |
| 内装の目玉 | 日本産デニム & イタリアンレザー |
| 参考価格 | 約850,000ドル〜 (約1億2,000万円以上) |
運転席は「デニム」、左右シートは非対称
インテリアにもまた「驚き」が隠されており、それはガンサーワークス史上初めて運転席と助手席で異なるデザインテーマ(左右非対称)を採用したこと。
- 運転席: 高級な日本産デニムを使用し、オレンジのステッチでアクセント
- 助手席: 上質なイタリアンレザーでラグジュアリーさを演出
Image:Gunther Werks
なぜデニムなのか? それは、使い込むほどに馴染み、味わいが増すデニムの特性が、一生モノのスポーツカーというコンセプトに合致するからだと説明されており、あえて「劣化」を楽しむというのはなかなか例を見ないコンセプト。
そしてこのオレンジはタコメーターのベゼルやダッシュボード下部、ドアパネルやプルタブにも用いられ、ドライバーの気分を盛り上げてくれるアクセントとなっているようですね。
Image:Gunther Werks
結論:『ジェミニ・コミッション』は究極のレストモッドか?
1億円を超える価格、850馬力のパワー、そしてデニムの内装。
一見するとバラバラに見える要素をガンサーワークスは見事なセンスで一つにまとめ上げており、これこそが単なる「古い車の再生」ではなく、伝統への敬意と未来のテクノロジーを融合させた『ジェミニ』の真骨頂。
派手なスーパーカーが溢れる現代において、こうした「控えめだが本物」というスタイルは、新たなステータスシンボルとなるのかもしれません。
そしてこの一台とともに新年を迎えるオーナーは、世界で最も幸せなポルシェファンの一人と言えそうですね。
Image:Gunther Werks
合わせて読みたい、ガンサーワークス関連投稿
-
-
ガンサーワークスがポルシェ911のレストモッド最新作を公開、カブリオレをベースに「スピードスター化」
| いまやガンサーワクスはシンガー・ヴィークル・デザインと人気を二分する存在である | ただしベース車両として使用するのは「993」世代の911のみ さて、英国でのグッドウッド・フェスティバル・オブ・ ...
続きを見る
-
-
【ポルシェ911レストモッド】ガンサーワークスが993ベースの「フラットノーズ」詳細画像を公開、まさに「メカニカルアート」と呼ぶにふさわしい
| 完全にリファインされた形状を持つものの、F-26の随所には「ポルシェ愛」を感じずにはいられない | 外装、内装ともにポルシェへのオマージュで溢れている さて、ガンサーワークスはつい先日「993世代 ...
続きを見る
-
-
ガンサー・ワークス史上最も希少なポルシェ911のレストモッド「GWX」発表。購入できるのは「招待者のみ」、生産台数は「わずか3台」
| 究極の993世代のポルシェ911レストモッドが誕生 | これまでにもガンサーワークスは生産台数を厳しく制限してきたが 細部にまでこだわって 製作されるガンサー・ワークス(Gunther Werks ...
続きを見る
参照:Gunther Werks(Facebook)



















