
Image:Rolls-Royce
| ブラックバッジは常に「反逆のシンボル」である |
それと同時に「革新」「自分らしさ」の表現でもある
ロールス・ロイスが、その「オルター・エゴ(別人格)」である「Black Badge(ブラック・バッジ)」の誕生10周年を迎えることに。
2016年にジュネーブ・モーターショーで初公開されて以来、伝統的なエレガンスの枠を飛び越え、よりダークで力強く、そして反逆的な美学を追求してきたこのシリーズ。
今や超高級車セクター全体のトレンドを形作るほどの存在となったブラック・バッジの10年にわたる革新の歴史を振り返ります。
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この記事の要約
- 誕生10周年: 2016年のデビューから、ラグジュアリーの定義を塗り替えてきた10年間
- ルーツはジョン・レノン: 1964年にレノンが特注した「全身真っ黒なファントムV」が精神的ルーツ
- 独自の美学: スピリット・オブ・エクスタシーまでも黒く染める、徹底した「エンジニアード・ダークネス」
- ラインナップの拡大: 最新の電気自動車「スペクター」から「カリナン」「ゴースト」まで全方位に展開
- 若き成功者の支持: 従来の枠に囚われない、デジタル時代の起業家たちのアイコンへ
ブラック・バッジが変えた「ロールス・ロイス」の常識
かつてロールス・ロイスといえば「後部座席で寛ぐためのクルマ」というイメージが主流であったかと思います。
しかし、自らハンドルを握り、成功を堂々と表現したいと願う新世代のクライアントに応えるべく誕生したのが「ブラック・バッジ」。
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そしてこのブラックバッジシリーズは「ディティールをブラックで仕上げた仕様」にとどまらず、エンジンの出力向上、シャシーの強化、エキゾーストノートのチューニングに至るまで「走りの刺激」と質感を追求しています。
さらにはブランドの象徴であるパルテノングリルや「R-R」バッジ、さらには「フライング・レディ(スピリット・オブ・エクスタシー)」までもが独自の電解メッキ技術により鏡面のようなブラック・クロームに仕上げられるというエンジニアリング上の特徴も。
歴史に刻まれた「ブラック・バッジ」の系譜
ロールス・ロイスと「ブラック」との歴史は以外に深く、ロールス・ロイスの顧客たちが「人とは異なるロールス・ロイスを」「自分の好みに合わせた一台を」という要望にあわせてロールス・ロイス自らがカスタムしたのがその起源(同社のマスコット、スピリット・オブ・エクスタシーのルーツにも似ている)。
よって、現代のブラックバッジが「普通では満足できない人」「より自己主張を強めたい人」の選択であるというのはごく自然な流れなのかもしれません。
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1. 精神的先駆者たち
- 1928年 20 H.P.: 当時では極めて珍しい、ブラックのグリルとマスコットを指定した先駆的な1台
- 1964年 ファントムV(ジョン・レノン仕様): クロームパーツをすべて黒く塗りつぶし、プライバシーガラスを採用。レノンは「昼間帰宅しても、車内はまだクラブの中にいるように暗いんだ」と語っていた
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2. 進化するポートフォリオ
| 登場年 | モデル名 | 特徴 |
| 2016年 | レイス / ゴースト | ブラック・バッジの歴史がスタート。グッドウッドでスポーツカーを凌駕する走りを披露。 |
| 2017年 | ドーン | コンバーチブルにもダークな個性を導入。 |
| 2019年 | カリナン | SUVの王者。圧倒的な存在感で、ブラック・バッジの人気を不動のものに。 |
| 2025年 | スペクター | ロールス・ロイス初のEVにもブラック・バッジが登場。史上最もパワフルなモデルへ。 |
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独自性:無限の象徴「インフィニティ・ロゴ」
ブラック・バッジのインテリアには、数学の「無限(∞)」をモチーフにしたロゴが刻まれていますが、これは1930年代にロールス・ロイス製エンジンを搭載した水上機「ブルーバード K3」で世界記録を打ち立てたサー・マルコム・キャンベルへのオマージュ。
絶え間なく湧き上がるパワー、そして限界に挑む不屈の精神を象徴しているわけですね。
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結論:次の10年へ。さらなる進化を遂げる「オルター・エゴ」
「ブラック・バッジは、成功を隠すことなく、信念を持って表現する個人を歓迎するために作られた」と、クリス・ブラウンリッジCEOは語ります。
スニーカー、ビデオゲーム、ストリートアートなど、従来の「高級車」の枠を超えた多彩なコラボレーションや特注モデル(ビスポーク)を生み出し続けてきたこの10年。
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ブラック・バッジは単なるグレードの名称ではなく、現代のラグジュアリーにおける一つの「文化」となり、2026年、その勢いは衰えることなく、さらなる深化を目指しています。
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知っておきたい豆知識:100ポンドの「漆黒」塗装
ブラック・バッジのシグネチャーである「黒」は、自動車業界で最も深い黒の一つとされています。
この再現にはなんと45kgもの塗料を静電塗装し、2層のクリアコートを重ねた後、4人の熟練工が3〜5時間をかけて手作業でピアノフィニッシュのような光沢に磨き上げるという工程を経る必要があるといい、この圧倒的な「深み」こそが、並外れた威厳の源泉というわけですね。
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