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弱点克服。プジョーが新型エンジン「Turbo 100」を発表、可変ジオメトリーターボにタイミングチェーン採用にてパフォーマンスと信頼性が劇的に向上し「汚名返上」

ステランティスが公開した、プジョー用新型1.2リッター3気筒エンジン「ターボ100」

Image:Stellantis

| 新エンジン「ターボ 100」は出力、効率、信頼性を高いレベルで実現 |

この記事の要約(ハイライト)

  • 信頼性の革命: 従来のベルト駆動から「タイミングチェーン」へ変更し耐久性が大幅アップ
  • 新技術投入: 可変ジオメトリーターボを採用することで低回転域からの力強い加速を実現
  • 維持費ダウン: メンテナンス間隔が「2年/25,000km」に延長され所有コストが低減
  • 搭載車種: 2026年3月から「208」、5月から「2008」に順次搭載開始

プジョーファン待望の「もっと壊れない」エンジンへ

プジョーの走りは好きだけど、メンテナンスが心配・・・。そんなイメージを払拭する、まさに「本命」のエンジンがついに登場。

これはステランティス発行のプレスリリースによって明らかにされたもので、プジョー用として新型ガソリンエンジン「Turbo 100」が発表されており、このエンジンは第3世代となる「1.2L 3気筒」。※現行の1.2リッター3気筒「ピュアテック」は燃費性能が優れるものの、湿式タイミングベルトの劣化、カーボン堆積によってエンジンが破損したりというトラブルの報告が多い

今回の「ターボ 100」では実に構成部品の約70%を刷新しており、最大のトピックは多くのユーザーが懸念を示していた「タイミングベルト」に代わって「タイミングチェーン」を採用したことです。

ここで「走りの楽しさはそのままに、圧倒的な信頼性と効率を手に入れた」という新型エンジンの詳細を見てみましょう。


走りの楽しさを支える「可変ジオメトリーターボ」

「Turbo 100」に施されたのは信頼性向上のためのアップデートだけではなく、ここではプジョーが誇る「ドライビングプレジャー(運転する楽しさ)」を一段上のレベルに引き上げる工夫が凝らされています。

新採用の可変ジオメトリーターボ(VGT)は、エンジンの回転数に応じてターボの効率を最適化する技術ですが、これにより街乗りで多用する低回転域からのレスポンスが劇的に向上し、追い越し加速もスムーズに行えるようになっています。

このVGTはポルシェが採用することでもよく知られていますが(下の画像、ポルシェでは可変タービンジオメトリー=VTGと呼称)、「複雑かつ高価」なシステムとしても有名であり、そのためプジョーが「1.2リッター3気筒」という普及型エンジンにこれを採用してきたことには驚かされます(同時に意気込みを感じる)。

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Image:Porsche

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また、燃焼効率を高める「ミラーサイクル」の採用や、350barという超高圧の直噴システムにより、パワーと環境性能の両立を高い次元で実現していることについても言及されており、そうとうな「意欲作」だと捉えていいのかもしれません。


208と2008の走りが進化する

この新型エンジンは、まずプジョーの主力コンパクト「208」、そしてSUVの「2008」に搭載されることとなり・・・。

【新型 Turbo 100 エンジン主要諸元】

項目スペック従来型からの主な変更点
形式1,199cc 直列3気筒ターボ構成部品の70%を刷新
最高出力101hp (74kW) / 5,500rpm最適化された出力特性
最大トルク205Nm / 1,750rpm低回転からの粘り強さを強化
駆動方式タイミングチェーン採用耐久性と信頼性の向上
ターボ可変ジオメトリーターボレスポンスの改善
メンテ間隔2年 / 25,000kmごと従来の1年から大幅延長

徹底した耐久テスト

このエンジンはベンチテストで3万時間、実車テストで計300万km以上(20万kmを超える走行個体も複数)という過酷な耐久試験をクリアしています。

さらに「プジョー・ケア」プログラムによって最長8年/16万kmの保証が付帯する点も”自信の表れ”と言えそうですね。

プジョー 208の公式フォト(イエロー、フロント)

Image:Peugeot


市場での位置付け:欧州コンパクトの新たな基準へ

現在、Bセグメント(コンパクトカー)市場では電動化が加速していますが、プジョーは「電気、ハイブリッド、内燃機関(ICE)、どれを選んでも最高の走りを」という戦略を掲げており、今回の「Turbo 100」の投入によってEVへの移行を躊躇している層や、長距離走行が多いユーザーにとって、ICE(ガソリン車)という選択肢がこれまで以上に魅力的なものに。

特に、メンテナンス頻度が半分(1年→2年ごと)になったことは、経済性を重視するユーザーへの強いアピールとなるはずで、プジョーの販売に大きなはずみをつけることとなるのかもしれません。


結論:これからの「プジョー選び」の最適解

新型「Turbo 100」エンジンの登場は、プジョーが内燃機関の完成度を極める姿勢を鮮明にしたもので、タイミングチェーンの採用により、中古車市場での評価も含めた「長く付き合える1台」としての価値が大きく向上。

欧州では2026年春からデリバリーが開始されるとのことで、日本市場への導入時期にも期待が高まり、今後の公式アナウンスに注目したいところでもありますね。

プジョー 2008の公式フォト(斜めリア)

Image:Peugeot


豆知識:ミラーサイクルとは?

「Turbo 100」に採用されたミラーサイクルは、吸気弁を通常より早く(あるいは遅く)閉じることで、圧縮行程よりも膨張行程を長くする技術。

これにより熱エネルギーをより効率的に動力に変換でき、パワーを落とさずに燃費を稼ぐことができるという「最新のエコエンジンには欠かせない技術」ではありますが、これをターボと組み合わせることで「省燃費とキビキビした走り」を両立させているのがプジョーの妙技というわけですね。

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参照:Stellantis

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