
| マツダはあくまでも「人がどう感じるか」にこだわり続け、そのためには人の感覚を信じ続ける |
実際のところ、クルマにおいて大切なのは「そのクルマを見た時、運転した時に受け感動」である
近年のマツダ車は、一般的な量産車の枠を超えたエレガントで美しいスタイリングを持つことで高い評価を受けていますが、街中を走る姿や光の当たり方によって刻々と表情を変える豊かなボディラインは、多くのドライバーやカーマニアを魅了してやまないのもまた事実。
デジタル技術による3Dモデリングが自動車デザインの主流となった現代において、なぜマツダのクルマはこれほどまでに有機的で情熱的な美しさを放ち続けることができるのか。
その背景には、時代に流されない極めて伝統的で「オールドスクール」な造形へのこだわりが存在するといい、ここでその一端を見てみたいと思います。
この記事の要約
- マツダのエレガントで美しいデザインは、デジタル時代にあっても手作業によるクレイ(粘土)モデルを重視するアプローチから生み出されている。
- デジタル設計ツールに頼りすぎず、熟練の職人が手で削り出す曲線や複雑な面構造が、マツダ車特有の有機的で豊かな表情を実現している。
- 走りの質感を高める「Gベクタリング コントロール」や「KPC」など、デザインだけでなく技術の細部にも徹底してこだわる姿勢が共通している。

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マツダのデザイン手法と伝統的なアプローチ
多くの自動車メーカーがデジタルモデリングやCAD、VR技術を活用して効率的にデザインを進める中、マツダは現在もデザインプロセスの非常に早い段階からクレイ(粘土)モデルを取り入れています。
デザイン部門を率いる前田育男氏やヨーロッパデザインの責任者であるジョー・ステニュイ(Jo Stenuit)氏らによると、手描きスケッチの次に行うステップは、コンピューター上で3Dモデルを作る前に小さなクレイモデルを立体化することだといい、その理由は「マツダが目指す生命感のある美しさや微妙な面変化、繊細なニュアンスは、デジタル画面上の操作だけでは表現が困難だから」。
実際のところ、マツダのクルマは生命の躍動感に溢れているようにも感じられ、たとえば対向車線からマツダ車がやってきて、右折なり左折なりでカーブを曲がる時に「ボディに映り込む景色」が美しく移ろうさまは文字通り「印象的」。
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これはほかメーカーのクルマではなかなか見ることができないスペクタクルな後継でもあり、そのためぼくは向こうからマツダ車がやってくると「どんな景色を見せてくれるのか」と楽しみになったりします。
「クレイモデル」に話を戻すと、マツダには”デザインに魂を吹き込む”クレイモデルのスペシャリストとして寺内範雄氏が在籍しており(以前はこの人に関するスペシャルコンテンツが存在したが、いまでは公式サイトから削除されている)、粘土を削り出し、職人の手と感覚を通じて立体化することによって”コンピューターでは思いつかないような複雑で有機的なフォルム”が生み出されることに。
また、デザインを熟成させるために十分な時間をかけ、妥協なく完成度を高めていく点もマツダならではの特徴で、「人がどう感じるか」を「人の手と感覚によって」作り上げてゆく、というわけですね。

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マツダ車の造形美とメカニズムにおける細部へのこだわり
マツダの最新ラインアップ(市販車およびコンセプトカー)を観察すると、直線や単純な平面がほとんど存在しないことに気づかされ、あらゆるパネルが滑らかな曲線を描き、上述のように光と影の移ろいによって生命感があふれ出るような印象を与えます。
このような細部への徹底したこだわりは、スタイリングだけでなく、メカニズムや走り味のチューニングにも貫かれているといい・・・。
| 技術名称 | 概要・効果 |
| G-ベクタリング コントロール(GVC) | ターンイン時にエンジン出力を極小制御し、荷重を前輪に移動させることで直進安定性とスムーズなコーナリングを実現する技術。 |
| キネマティック・ポスチャー・コントロール(KPC) | リアの内輪側にわずかなブレーキ力をかけることで、ロールを抑え、安定した旋回姿勢を維持する制御システム(ロードスターやCX-60/CX-90等に採用)。 |
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デザインにおけるミリ単位の調整と同様に、走りに関しても人間中心の感覚を大切にし、ドライバーが自然かつ心地よく感じられるフィードバックを追求している、というわけですね。※これらの制御はガソリンエンジンよりもエレクトリックパワートレインにおいて「より優れた効果を発揮する」ものと思われ、マツダは電動化時代になれば「さらに高い評価」を獲得することになるのかもしれない
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他社との差別化と市場における立ち位置
今日の自動車業界では、開発期間の短縮やコスト削減のためにデジタル設計への依存度が高まっていて、しかしマツダはあえて手間と時間を要するクレイモデリングや熟練職人(クレイモデラー)の技を尊重し続けています。
プレミアムブランドにも引けを取らない洗練されたデザイン、そして日常のドライバーズカーとしての扱いやすさを両立させている点は、同社が市場で独自のポジションを築いている最大の要因でもあり、独立系の規模が比較的小さなメーカーでありながら一貫したブランド哲学と美学を持ち続ける姿勢こそが「世界中のファンから強い支持を得ている」理由なのかもしれません。

マツダが描くデザインの未来と気付き
マツダが示すデザインへのアプローチは、単に古風な手法に固執しているのではなく「人間が手でつくり出すものに宿るぬくもりや美しさ」を大切にしているという気付きを与えてくれるもの。
一方で、自動車業界全体がEV化やソフトウェア中心の開発へと急速にシフトする中、安全性(IIHSの最高評価獲得など)や先進技術とのバランスをどのように保ってゆくのかも今後の注目ポイントで、しかしどれほど時代やパワーレーンが変わろうとも、細部にまで情熱を注ぐ「人馬一体」の哲学と美しい造形美は、これからもマツダの強いアイデンティティであり続けるであろうと思われます。
結論
マツダの美しいクルマづくりの根底には、デジタル時代にあっても手作業のぬくもりを大切にし、クレイモデルを通じて造形を極めるという泥臭くも情熱的な職人魂が存在します。
細部への徹底的なこだわりはデザインのみならず走行性能にも波及しており、それこそがマツダ車が多くの人々を魅了し続ける一番の秘密であるとも考えられ、時代を超えて愛される美しいクルマを作り続けるマツダの今後の展開には引き続き注目したいと思います(とくに、アイコニックSPの市販バージョンには大きな期待を寄せている)。
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参照:CARBUZZ, Design Week











