ふと「IWC(インターナショナル・ウォッチ・カンパニー)の腕時計はどうだろう」と考え、検討してみることに。
IWCというと過去にはポルシェデザインとのコラボにて名機「オーシャン」を製造しており、現在はAMGとパートナーシップを締結するなど、自動車好きにも馴染みの深い腕時計ブランドです。
↓こちらがポルシェデザインの「オーシャン2000」。
その名の通り2000メートル防水、そしてチタン製ですが、「1981年登場」ということを考えると驚異的なスペックですね。
現在IWCは「ポルトギーゼ」「ダ・ヴィンチ」「ポートフィノ」というドレス系のほか、スポーツ系の「インヂュニア」「アクアタイマー」「パイロットウォッチ」をラインナップ。
ぼくは到底ドレスウォッチが似合うタイプではなく、狙うのであれば当然後者のスポーツタイプですが、IWCのスポーツタイプは歴史が古い(アクアタイマーは1967年、インヂュニアは1955年までさかのぼれる)のですがその分変遷も多く、アクアタイマー、インヂュニアともに過去4回ほど大きくデザインを変えています。
その変化のレベルたるや前モデルとは比べ物にならないほどで、BMW Z3とその後継であるBMW Z4くらい(もしかするともっと)差があります。
つまりは同じBMWでの3シリーズのように正常進化という感じではなく、いきなり「別物」になってしまうのがIWCの特徴と言えますね。
なぜそんなドラスティックな変化を行うのか不明で、そこは登場初期から基本デザインが変わらないロレックスとは対極にあるとも考えられます。
ぼくが思うに、IWCはいつの時代も「メインストリーム」となることができず、ブライトリングのナビタイマー、オメガだとスピードマスターのようなアイコンたるデザインも確立することができなかったため、デザイン的「試行錯誤」を繰り返していたのだと思うのですね。
そんなわけでアクアタイマーだと初代はこんな感じですが、
現在ではこんな感じに(インデックスには面影がある)。
なおロレックス・エクスプローラーのオリジナルと最新モデルはこんな感じ。
さすがに時代なりの変化はありますが、シルエット、針、インデックス(文字)などは面影を残しており、「正常進化」と言って良いかと思います。
さて話を戻してIWCですが、まずは「アクアタイマー」を見てみましょう。
その名の通りダイバーズウォッチとなりますが、結構種類はあるものの、上の画像の「IW329001」。
ケースは42ミリのステンレス・スティール、30気圧防水となっています。
価格については42万円くらい。
結構シンプルで、しかしラバーブレスの質感が高く、ぼくは「アクアタイマー狙うならこれだ」と考えています。
なおアクアタイマーには高性能版もあって、「アクアタイマー2000(IW358002)」。
ケース素材はチタン、200気圧防水というところからして、ポルシェデザイン「オーシャン2000」の直系子孫と考えて良いかもしれません(ベゼル形状も似ている)。
価格はさすがに高価で73万円くらいにて販売されており、かつケース直系は46ミリと巨大で、プロっぽくシンプルなベルトが特徴。
加えてアクアタイマーには時々「シリーズもの」が追加され、現在はブラック加工が施された「ガラパゴス(IW379502)」もラインアップ。
なかなかに格好良いと思いますが、これもちょっと高価で70万円くらい。
30気圧防水、クロノグラフ内蔵でケース直径は44ミリとなっています。
ぼくは単に金額の高低だけではなく、ブランド価値とリセールも合わせて「高いか安いか」を判断するのですが、その基準だとIWCは「50万円まで」と考えており、それはオメガと大体同じくらい。
これがロレックスだと「150万円まで」といった感じでブランド価値とともに許容限度額が上昇しますが、IWCに70万円を支払うのはちょっとキツい、と考えています。
下取りや売却金額が低いということもあるものの、IWCは上述のように「いつガラリとモデルチェンジするかわからない」と考えているのですね。
加えてIWCのモデルチェンジは「人気がないから」行うものなので、モデルチェンジ前のモデルに人気が詰まることもなく、過去これまでの各世代モデルに固有のファンが付いているわけでもありません(ランボルギーニだと、ディアブロのファン、ムルシエラゴのファン、カウンタックのファン、という感じで世代別にファンが付いている)。
ここでもうちょっとIWCを掘り下げてみましょう。
IWCは伝統的に「パイロット・ウォッチ」を販売していますが、これはクロノグラフでも市場価格50万円くらい。
ケースはステンレス製で43ミリ、レザーストラップはサントーニ製となります。
価格は許容範囲内ですが、ちょっと見た目が「普通」にも思われ、これだとぼく的にはアクアタイマーの方がいいか、という感じです。
もう一つIWCの代表的モデル、「インヂュニア」。
こちらは「エンジニア」という意味になるのですが、ロレックスでいう「ミルガウス」に相当するモデルですね。
この画像のモデルはメルセデスAMGとのコラボモデルでカーボン製ケースのため高価ですが、ステンレスモデルだと55万円くらいから販売されています。
シンプルな3針モデルのほか、クロノグラフもありますね(ルイス・ハミルトンモデル、ニコ・ロズベルグモデルもある)。
なお初代インヂュニア(1955)はこんな感じ。
こちらはもう、現行モデルにおいては初代の面影がない、と言ってよさそうです。
ぼくは現行インヂュニアについてはケースの形状にも先進性が感じられ、なかなかイケてるのでは、と考えていて、ネームバリューもあり、IWCの中では売値も高い方だという認識。
中古で程度の良い個体を拾うことができれば、比較的損することなく売却や下取りに出せるのではと考えています。
なお、現代のIWCスポーツモデルにおいてはシンプルながらも上品さとダイナミックさを持ち合わせたデザインを持っていると考えており、他にはあまり見られない路線で面白い選択かもしれません。
(ぼくの考える)腕時計のデザインについては幾つかの潮流がありますが、まずは「かなり繊細なデザイン」系。
IWCだとインヂュニアでも「ヴィンテージ」がこれに該当しますが、ちょっとレトロで繊細な感じがするもの。
文字盤の目盛りがかなり細かく刻んでいるタイプで、ブライトリングがそこに相当すると思われ、他ではブレゲもこう言った路線だと認識しています(最近は一つの腕時計ブランドでも複数のラインを持つようになっており、ひとくくりにはできないのですが)。
反面、ベル&ロスのような極端にシンプルなデザインの腕時計も一つの潮流。
パネライも同様にシンプルですね。
さらには「エッジの効いた」系デザインがあり、これはオーデマピゲに代表されるかもしれません。
他にもリシャール・ミルやウブロのような「異素材組み合わせ系」もありますが、ここではさておいて、別の機会に論じたいと思います。
こう言ったデザイン路線のある中、IWCはすでに述べた通り、クラシックとモダンの融合という印象も見受けられ、ぼくとしては「ブライトリングとパネライの中間」といったイメージを持っていて、これが意外と「ちょうどいい」のだ、という感じですね。
その「ちょうどよさ」だとタグ・ホイヤーもまた同じ系統であり、IWCやタグ・ホイヤーあたりは適度なカジュアルさと高級さを持ち合わせた、「いい選択」だと考えています(価格とのバランスも良い)。
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