■駄文(日々考えること)

雨が降ると思い出す。自分を偽り猫を見捨てたこと、それ以来ずっと後悔していること

投稿日:2017/04/26 更新日:

ぼくは一般に「猫好き」で知られているのですが、過去に一度だけ、猫を「見捨てた」ことがあります。
それは曇りから雨へと天気が変わろうとしていた日のことで、雨が降ると今でも必ず当時のことを思い出すのです。
その日、ぼくは納車されたばかりの新車で、バイパスを走っていたのですね。
そこで目に入ったのが路肩に倒れていた子猫。

走行している車と接触したのだと思われますが、出血は見られず、しかし全く動く気配はなく、死んでいるのか生きているのかは判別できない状態。

そこでぼくは「助けないと」と思ったのですが、何せ時速60キロ以上で流れるバイパスの上です。
ぼくは「車を止めると危ないし、事故の原因になるかもしれない」「もう猫も動いていないし、死んでいて手遅れかもしれない」と考えて通り過ぎたのですね。

でも、実際のところぼくは本気でそう考えていたのではなく、「たとえ動かなくても、助かる可能性があるのならなんとかしないといけない」と分かっていたのに、助けるのをためらい「助けないてもいいのだと」自分を正当化したわけです。

そう、ぼくは自分を偽った。

これだけは紛れも無い事実で、ハイスピードで流れる中で車を止めるのが嫌だったのかもしれないし、納車されたばかりの新車が(もし出血していたら)猫の血で汚れるのが嫌だったのかもしれません。
もちろん「用事」があり、それをすっぽかすわけにも行かなかった、ということもあります。

とにかくぼくは「言い訳」だけを考えて、まだ生きていたかもしれない子猫を見捨てたことだけは確かです。

その後ぼくは無事用事を果たすのですが、ずっとその子猫のことが頭から離れず、何をしていても上の空。
やがて雨が降ってきて、ぼくはいてもたってもいられなくなり、その子猫が倒れていた場所に向かったのですが、その時にはもう子猫の姿がなく、もしかすると通報を受けた保健所か消防署か警察が子猫を移動させたのかもしれませんし、ぼくのできなかったこと、しなかったことを他の誰かが行なったのかもしれません。

その子猫のその後について知る由はありませんが、もうずいぶん前のことになるのにも関わらず、ぼくは雨が降ると必ずその子猫のことを思い出すのです。

自分がやるべきことをしなかったという後悔、自分を偽ったという情けなさ、なんとかしようと思えばできたはずなのに何もしなかったという罪悪感。
何より助けを必要としながら誰にも助けてもらえずに息を引き取ったかもしれない子猫のことを考えると、言い訳ばかりを考えていた自分の卑しさが嫌というほど身にしみます。

それからになりますが、ぼくは路上で車に撥ねられてしまった猫を見ると、生死にかかわらず助けるように。
残念ながら今まですべて「手遅れ」でしたが、半分になって内臓が出てしまった猫を移動させたこともありますし、手厚く埋葬したことも。

多くの人が、そういった「車にはねられた猫」を見ても「見て見ぬふり」をしますし、ぼくもそういった人を責めることはできません。
なぜならぼくもかつて「そういった人」だったのも事実であり、そういった人の気持ちもよく理解できるからです。

今は急いでいるから。
服が汚れるから。
きっと誰かが保健所に通報するだろう。
もう死んでいそうだし、自分にできることは何もなさそうだし。

ただ、ぼくはあのとき子猫を助けなかったことを今に至るまでずっと後悔していますし、もうあんな思いは二度としたくない、と考えています。
そして、言い訳を考えるよりも、少なくとも自分自身に対して恥じることのないよう、できれば自分自身を誇ることができるような行動をしたい、とも考えています(車にはねられた猫の手当をしていると見物人が集まり、殆どの人がぼくが猫をはねたのだと勘違いし非難されることもあるけれど、そんなことはどうでもいい)。

重要なのは「誰かがやるだろう」と考えるのではなく、その「誰か」に自分がなること。

その子猫はそれをぼくに教えてくれたのだと思います。
今でも雨が降ると必ずぼくはあの子猫のことを思い出しますし、それ以降ほかの猫を助けるようになったのもその子猫のおかげで、かつ信念をもって行動できるようになったのもあの子猫のおかげなのかもしれません。
その意味では、助けてやることができなかった後悔と罪悪感、そして感謝の気持ちをあの子猫に対してずっと抱いている、とも言えます。

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