ヴァンダル・ワンの中身はまんまフォーミュラカー
アメリカはデトロイト拠点の自動車メーカー、ヴァンダルより”ヴァンダル”・ワン(Vandal One)なる超軽量レーシングカーが登場。
これは車体重量わずか555キロ、しかしエンジンにはホンダ・シビック・タイプRの2リッターターボを搭載して標準モデルでは340馬力を発生する、というクルマ。
そのパワーウエイトレシオは1.63ということになり、これは「なかなか例を見ない」数字です。
たとえば「2」を切るクルマだとケーニグセグ・アゲーラOne:1が「1」、ブガッティ・シロンが1.33、フェラーリ488ピスタが1.77、ランボルギーニ・アヴェンタドールSVJが1.98。
2を切れずともこれに近いものではフェラーリ488GTBの2.04、ロータス3イレブンの2.22というものがありますが、それだけ1.63というのは異常な数字だということですね。
そのまま離陸しそうな外観だ
そして驚くことにヴァンダルはこのエンジンを560馬力にまでチューンが可能だとし(その場合のレブリミットは9000回展)、つまりその場合パワーウエイトレシオは「1を切る」ということになりますが、この数字はまさに異次元。
もともとシビック・タイプRのエンジンは320馬力ではあるものの、このヴァンダル・ワンは「サーキット専用」モデルなので触媒やサイレンサーなどを省略でき、そのためにこういった高出力化が可能となるようですね。
車体はこんな感じ。
カウル(カーボン製)がついてはいるものの、その中身はまさにフォーミュラカーといった印象です。
エンジンと車体サイドにあるラジエーターとの間のパイプは「ゴールド」。
これは放熱性を重視して(貴金属の)金をコーティングしているのだと思われます。
車体そのものはカーボンファイバー製で、サスペンションはダブルウイッシュボーン+インボードサスペンション。
こうやって見ると、重量物は極端に「車体中央」に寄せられていることがわかります。
そのほかの装備としては「6速シーケンシャル・マニュアル・トランスミッション」、減衰力と車高を調整できるサスペンション、そしてテレメトリーシステムが挙げられていますが、このテレメトリーシステムは9つのセンサーにて構成され、たとえはホイールアングル、ブレーキプレッシャー、過給圧、スロットル開度などの情報をセンサーより集めて解析するようですね。
気になる価格については、340馬力バージョンのヴァンダル・ワンで119,700ドル(1325万円)。
560馬力版のヴァンダル・ワンについては価格がまだ公開されておらず、しかしすでに受注が開始され、1000ドルの保証金を納めることで注文を受けてもらえる、とのこと。
ちなみに「Vandal」とは5世紀にローマを略奪したバンダル族を指すと思われ、それが転じてVandalには「破壊者」という意味がありますが、まさにこのヴァンダル・ワンは「破壊者」として猛威をふるうことになりそうですね。