| サイバートラックは利益率が高く、発売による業績向上を期待している |
ただしテスラは目下「モデルYの生産を増やす」ことに重点を置いているようだ
さて、テスラがサイバートラックのデザインに関して(市販を前に)微調整を行った模様。
サイバートラックはその突き抜けたデザインによって一気に世界中に知られるところとなり、テスラの株価を押し上げた立役者。
ただしその奇抜なデザイン故に「そのままでは登録できない」国が多いとされ、ドイツの認証機関であるTUVでは「ワイパー」「ミラー(欧州ではデジタルカメラが一部でしか認可されていない)」「タイヤサイズ(小さくする必要がある)」「ヘッドライトのサイズ」「フロントバンパー(現在の仕様だと歩行者に対して危険)」「各部のエッジ」について調整が必要だとしており、そうなるともう「サイバートラックではなくなり」そう。
-
独認証機関「テスラ・サイバートラックは欧州で登録できない。タイヤを小さくし、ライトを大きくし、カドを丸くし、衝撃を吸収できるバンパーを装着しないと」
| すべての条件を反映させると、もうそれはサイバートラックではない | ドイツの認証機関、TUV(テュフ)にて車両を担当するシュテファン・テラー氏が現地メディア、シュピーゲル(Spiegel Onli ...
続きを見る
ただし変更は「最小」にとどまるとも
ただしテスラCEO、イーロン・マスク氏は「サイバートラックのデザインについて(法規に適合するため)修正が必要」なことを理解しつつも、全体的なサイズを3%ほど調整したにすぎない、とも(大きすぎて走行できないところが出てくるため)。※サイバートラックは全長5.3メートルとかなり大きい
さらにはディティールについて変更を最小に留めることを再度主張しており、しかし今の段階だと市販モデルが公開されておらず、最終的にどんな姿になるのかは謎のまま。
This won't be much of a surprise but I've been told designs were just recently finalized for Cybertruck. Tesla said on the Q2 earnings call that "Cybertruck is at a stage where we finished basic engineering of the architecture; We're moving into the beta phases later this year."
— Sawyer Merritt 📈🚀 (@SawyerMerritt) August 9, 2021
サイバートラックの発売は2022年に延期
そしてサイバートラックについてもうひとつのニュースは「納車が延期されたこと」。
当初は2021年末までにという話であったものの、最近テスラは日本含む公式サイトの納車時期を「2022年」へと調整。
この理由については明らかにされておらず、しかし今回の「デザイン変更」が関係していると見る向きもあるようです(実際のところ、今の段階でデザインの変更を行っているとすれば、年内にはどうやっても生産できない)。
加えて、テスラが「サイバートラックを製造する予定だった」テキサス工場において、まず先にモデルYを生産することにしたのも「サイバートラックの生産が遅れる原因」のひとつだと思われ、しかしこれは”手っ取り早く利益に結びつき、販売台数も稼げる”モデルYを優先したためだと考えられ、サイバートラックの優先順位が下げられたということを意味しているのかも(サイバートラックが遅れるからモデルYを優先させたわけではなく、その逆)。
なお、テスラはサイバートラックに関する情報につき、(電動ピックアップということでライバルになりそうな)リヴィアンR1TやフォードF-159ライトニングの発表にあわせて公表するなど「周囲を意識している」様子も見られましたが、リヴィアンR1Tの発売が7月から9月に延期されたり、フォードF-150ライトニングの反響が思ったよりも大きくなかったことから「急いでサイバートラックを発売しなくてもいいだろう」と考え、デザイン調整や生産について”焦っていない”のかもしれません。
-
テスラがサイバートラック予約者に対し「もうすぐ生産が始まる」とメール送信。リヴィアンR1Tの発売、フォードF-150ライトニングの発表に対する措置?
| サイバートラックは今年のうちに納車が始まれば「御の字」だと思う | テスラは「生産開始の遅れ」ばかりが指摘されるが、多くのEVスタートアップは生産すら行えないままに姿を消している さて、テスラが「 ...
続きを見る
参考までに、そのほかのライバルだと「ローズタウン」がありますが、こちらは色々と(会社に)問題が多く、競争から脱落したと考えても良さそう。
となると最大のライバルはハマーEVトラックだとも考えられ、こちらは今のところ「2021年末までに」発売の予定だと伝えられています。
-
【動画】この発想はなかった!米EVスタートアップ、リヴィアンが「その場でくるくる回転できる」タンクモードを披露(ただしいつ使うのかは不明)
| 4つの車輪にそれぞれモーターを内蔵し、左右の車輪を逆回転させる | テスラ・サイバートラックの陰に隠れてしまった感があるものの、発表時には相当な話題を呼んだエレクトリック・ピックアップトラック、R ...
続きを見る
合わせて読みたい、テスラ・サイバートラック関連投稿
-
テスラ・サイバートラックの製造コストはフォードの1/7だと指摘した一般人が登場。イーロン・マスク「その見積もりは正確だ」
| しかもその一般人は「発表されていない」サイバートラックの特殊な構造すら見抜いていた | electrekによると、テスラ・サイバートラックの製造コストは「とんでもなく安い」という意見が話題となって ...
続きを見る
-
テスラ「マーケティング?そんなモノはやってない。単にバカげたクルマを作りたかっただけさ」。そのサイバートラックは予約80万件を突破
| ポルシェ911、マツダ・ロードスターは長い歴史の上でようやく100万台を達成したが | さて、様々な方面で話題を呼んだテスラ・サイバートラック。発売前にはその名称から(名前だけが先に公開されていた ...
続きを見る