| そこまで安くなったらさすがに現地の人としてもモデル3を買わざるを得ないだろう |
そしておそらくは(EVの)購入後にも様々な優遇がありそうだ
さて、カリフォルニア州は米国でも最もEVが売れる地域ではありますが、その一因は「手厚いEV販売補助政策」にあると言われています。
そして今回報じられているのが、カリフォルニアでは、テスラ・モデル3の購入に際し、フルに購入補助を受けることができれば、42,020ドルのモデル3を25,240で購入でき、カムリよりも安く購入が可能になる、ということ。
これはちょっと衝撃的な事実でもあり、ガソリン車よりも安くテスラ・モデル3を購入できるのであれば、もう「購入しない理由」はないのかもしれません。
これは一体どういったカラクリなのか
そこで「なぜこんなに安くなるのか」ということについて言及してみると、カリフォルニア州ではテスラ・モデル3の購入に際して2つの補助を受けることができるといい、ひとつはまずアメリカ全土にて実施されている、バイデン政権による「7,500ドルの連邦税額控除」。
これを活用すれば、テスラ・モデル3のエントリーモデルは40,240ドルから7,500ドルを差し引いた34,540ドルで購入することができるわけですね(ちょっと前までは、連邦税額控除の条件を完全に満たしていなかったので3,750ドルの控除しか受けることができなかったが、6月6日からはフルに控除を適用できるようになった)。
そしてもうひとつがカリフォルニア州が独自に実施しているCVRP(Clean Vehicle Rebate Project)で、これもやはり7,500ドルが購入補助として(購入金額から)差し引かれます。
なお、このCVRPは所得やその他の要件によって異なるため、すべての人が対象ではないものの、フルに対象となったならば、連邦税額控除とCVRPを足し、合計15,000ドルを(車両本体価格である)40,240ドルから引き、結果的に25,240ドル(なんと37%引きという計算)でテスラ・モデル3を購入することが可能に。
そしてこの価格はトヨタ・カムリよりも安価で、23,750ドルのホンダ・シビックよりもちょっと高いくらい。
この追い風によってテスラはさらに販売を伸ばせるか
ちなみにですが、テスラ・モデル3は(北米では)カムリより安く購入できるよりも前に「カムリよりも良く売れている」クルマであり、しかし今回の優遇拡大によって、テスラはさらにその販売を伸ばせる可能性も。
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参考までに、モデルYの数値とはなるものの、北米での販売比率は34%だというので、モデル3も同様の比率であるとすれば、ここに台数を積み増しすることで大きく世界販売を増加させることができ(北米は成長余力がある)、よって販売を大きく伸ばせる可能性もありそうです。
さらにテスラにとってチャンスなのは、この連邦税額控除に加えて「他の自動車メーカーがEVの生産をあまりできていない」ということで、たとえばカリフォルニアの人たちがEVを購入しようとしても「テスラ以外の在庫がない」というのが現状だとされ、となると必然的にテスラに販売が集中することになるのかも(テスラの生産能力が、市場の需要を満たせるだけのものであることはずでに立証されている)。
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ちょっと前までは何かと逆風が吹いていたテスラではありますが、ここへ来て急に追い風が(強力に)吹き始めたとも考えられ、一層の株価上昇にも期待したいところですね。
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参照:InsideEVs