| もはやスーパーチャージャーが標準規格となるのは間違いなく、となると他自動車メーカーもこの流れに乗るしか無いだろう |
「スーパーチャージャーで充電できるかどうか」がEV購入の際の判断基準となる日も近そうだ
さて、先日はフォードそしてGMがテスラの充電規格を採用するとアナウンスしていますが、今回はリビアン(リヴィアン)もテスラの北米規格充電(NACS)コネクタを採用する、と公式に発表。
リビアンは「テスラに対抗できる」「テスラに代わりうる」選択肢として注目された米EVスタートアップ企業ですが、フォードやGMといったメジャーメーカーに加え、リビアンのような新興EVメーカーまでもがテスラの充電規格を採用することにより、市場では”テスラがスタンダードを作ってゆく”という認識ができつつあるようにも思います。
-
GMがフォードに続き「テスラの充電規格を採用し、テスラの充電器を使用できるようにする」と発表!数年前にはテスラの軍門にくだるとは思ってなかっただろうな・・・
| もはやテスラはアメリカの自動車メーカーにとって「競争相手」ではなく、ともに戦うパートナーとなりつつある | もしかすると、GMやフォードはテスラと手を組むことで、ドイツ勢に対してのアドバンテージを ...
続きを見る
リビアンはひとまずテスラ「スーパーチャージャー」対応アダプタを用意
リビアンによれば、ひとまずは(すでに発売済みの)R1SとR1T用としてアダプターを用意し、これによってスーパーチャージャーネットワークでの充電が可能になりますが、車両にテスラNACS対応充電ポートを備えるには2025年のR1そしてR2次世代車両まで待たねばならないもよう。
リビアンCEO、RJスカリンジ氏は「テスラ社と協力し、このようなコラボレーションによって、カーボンニュートラルに向け世界を前進させることを嬉しく思います。ひきつづき、EVの普及を加速させる新しい方法を見つけてゆくことを楽しみにしています」コメントしていますが、実際のところ、米国エネルギー省によると、スーパーチャージャーは米国で稼働している急速充電器の約60%を占めており、リビアンにとっても自社のEVをより簡単に充電できるようにすることで購買の選択肢を広げることにも繋がり、そのため今回の提携はリビアンにとって明らかに賢い行動と言そうです。
Today we signed an agreement with @Tesla to adopt the North American Charging Standard. This opens charging for Rivian vehicles on Tesla's Supercharger network across the United States and Canada. Access starts as soon as Spring 2024. https://t.co/Z5SBOFytgy pic.twitter.com/fWOMNtpkYs
— Rivian (@Rivian) June 20, 2023
テスラは「より大きな視点で」EVを捉えていた
なお、テスラのアドバンテージはその価格ではなく、自社の充電網「スーパーチャージャー」にあるという見方も少なくはなく、そしてこのスーパーチャージャーはこれまで注目されてこなかったものの、ホワイトハウスとの契約、そしてフォードとGMの(テスラ規格への)乗り入れによって大きくクローズアップされるように。
そしてテスラがほかの自動車メーカーとは異なって自社の充電網を拡充してきたのは「EVを売る」のではなく「世界中にクリーンエナジーを行き渡らせる」という大きな目標を持っていたからで、つまりは自動車を売って利益を得ることが目的ではなく、可能な限り世界中のクルマを電動化することにその目標があるからだと考えられます。
-
テスラがホワイトハウスとの契約によって自前の充電器「スーパーチャージャー」を他社製EVにも開放!見返りとして多額の資金を獲得、充電器を2倍にするという計画にはずみをつける
| テスラはもともと「自社独自の充電網」という強みを持っていたが、今回はそれをフルに生かした形となる | これでまた他社に対する優位性を拡大したと考えていいだろう さて、テスラが米国にて自社独自の充電 ...
続きを見る
そのためテスラは一部特許を開放したり、そして今回のように充電規格を他社に開放することになるわけですが、今回の件については「テスラは他社に電力を販売することができるようになる」ため、利益獲得機会に加え様々なビジネスチャンスを獲得することになりますが、リビアン、そしてフォードやGMは「世界で最も目につきやすく、最も広範な充電ネットワークと連携することができ」、やはり大きな可能性を手にすることが可能となります。
そしてこういった現実を踏まえてか、EV用充電インターフェース・イニシアチブであるCharINは、テスラのNACSコネクタ採用を支持することとなっているのが現在の状況でもあり、このテスラNACS規格への乗り入れを検討している次の自動車メーカーがステランティス、そしてヒョンデだとも報じられています。
テスラは今回の「テスラNACS充電規格の採用」によって大きく株価を上げる
ちなみにですが、テスラの株価はここ最近比較的好調であり、株価上昇によって再びイーロン・マスク氏は「ベルナール・アルノー氏を抜いて、人類でもっとも裕福な人物」の座に返り咲いていますが、ここ1週間の値動きだとこんな感じです。
一ヶ月だとこう。
参考までに、ぼくはかつて自動車関連の株式を相当数保有していたものの、現在はトヨタ、フォード、BYD株を売却して(自動車関連だと)「テスラとフェラーリ」の二本立てに絞っています。
もう一つ参考までにですが、ぼくはビジネスモデルという観点からテスラを高く評価していて、トヨタに対してはさほど高い評価を下していないものの、自動車(製品)についてだとこれが逆転し、現段階でテスラのクルマはさほど評価しておらず、しかしトヨタのクルマは高く評価しています。
ちなみにフェラーリのここ半年はこんな感じ。
ぼくがテスラとフェラーリのビジネスモデルを高く買っている理由については改めて述べたいと思いますが、しばらくはこれらの株を買い増ししてゆくことになりそうです(今のところポルシェ株には手を出していない)。
合わせて読みたい、テスラ関連投稿
-
テスラは競合他社が絶対に持ち得ないアドバンテージを持っている。それは自社の充電ネットワーク「スーパーチャージャー」であり、これがある限りテスラの優位は揺るぎない
| 自社による管理だけに料金のフレキシブルな変動、供給する電力の調整を自由自在に行える | そして車両との同時設計だけあって圧倒的にトラブルが少ない さて、様々な報道がなされ、一部ではシェアの低下が懸 ...
続きを見る
-
テスラが自前のレストランとドライブインシアター「スーパーチャージャー・ダイナー&ドライブイン」を作るようだ!すでに計画書も提出済み、設計図も公開される
| レストランについてはテスラオーナー以外もこぞって利用することになりそうだ | テスラ自前の施設であれば、問題となっている「ガソリン車による充電設備の専有=アイシング問題」も解決できそう さて、何か ...
続きを見る
-
サンフランシスコでついに新車販売におけるEV比率が50%を超える!その中でもテスラのシェアは66.4%、PHEVに限るとトヨタのシェアは41.2%
| サンフランシスコ州は全米でもっともEVに対する取り組みが進んでいる地域だと言われている | そしていずれはガソリンエンジンのほうが少数派になるのだろう さて、中国では新車販売におけるEVの比率が1 ...
続きを見る