| テスラもこの問題を把握しており、実際に修理を行うためのパーツを手配しているようだ |
サービス工場を展開してないテスラにとっては痛手となる可能性も
さて、テスラ・モデル3とモデルYの「パワーステアリングが断続的に機能しなくなる可能性がある」として調査が開始されたとの報道。
これによると、「パワーステアリングシステムの故障により危険な状況に追い込まれた」とする顧客からのクレームを受け、米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)が2023年型のテスラ・モデル3とモデルY(合計28万台)のステアリングシステムに関する調査を開始しており、現段階ではリコール等の指示は出ていないものの、この調査結果次第では大規模リコールに繋がる可能性も出てきます。
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現時点では詳細は不明だが
なお、現在はまだ調査が始まったばかりであって詳細はわからないものの、12件の苦情、そして1件の(本件が原因と思われる)事故が発生していることが報じられており、かつ「比較的新しいモデルのみ」にこの問題が生じているもよう。
さらには「問題が発生する場合」、購入後わずか数日でステアリングシステムが故障するケースが多く、レポートによれば「あるオーナーは、購入して30日後に、ハンドルが右に激しく揺れ、ドスンという音がするとともに”ステアリングアシストが減少しました”という警告が画面に表示された」。
その後パワーステアリングは完全にアシストを失い「重ステ」となったそうですが、近年では「パワステの存在そのものを知らない」ドライバーも多く、突然の重ステ化に戸惑ってしまうことは容易に想像可能です。
またあるオーナーは「テスラは部品供給の遅延を理由に、訪問サービス日程を約三週間延期した」と語り、「テスラはこの問題を把握しており、”最近発生した問題”、そして”ステアリングラックすべての交換となるかもしれない”と告げられた」とするオーナーも。
そのほか「モデル3のハンドルがランダムにロックし始め、サービスの予約を取ることができるまでに6回同じ現象が起こった」「新しいステアリングラックを待つ間、3週間テスラに預けたまま」「モデル3のステアリングホイールが動かなくなって道路から滑り落ち、その結果、木に衝突した」という報告もあるもよう。
テスラにしては珍しい「物理的」不具合
なお、現時点でテスラは本件についてコメントを出しておらず、もちろん問題を把握している以上は自身でも調査を行っているものと思われますが、これまでのテスラの不具合というと無線アップデート(OTA=オーバー・ジ・エア)にて解決するものがほとんど。
つまり今まで発生したトラブルの多くはソフトウエアの修正によって解決できたものの、今回はそうではなく「物理的なトラブル」の可能性があり、こうなると自前の修理工場を(ほとんど)持たないテスラにとっては大きなダメージとなるのかも。
近年テスラは「急激に」販売台数を伸ばしていますが、サービス体制がそれに追いついていないことも一つの事実として報じられ、今回のトラブルの原因そして対策によっては方針の見直しを迫られる場面が出てくるのかもしれません。
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参照:Reuters